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激動の2018年を振り返る・豪雪・豪雨・台風・地震の影響で選ばれた今年の漢字は「災」!




2018年12月12日、京都・清水寺「奥の院」において「今年の漢字」が、日本漢字能力検定協会より発表されました。

森清範・貫主(もりせいはん・かんす)が揮毫(きごう・筆を振るって字をかくこと)した漢字は「災」の一字でした。

日本各地で発生した大災害の影響で、「災」の一字が選ばれることになったのです。

「今年の漢字」は、1995年から日本漢字能力検定協会によるキャンペーンとして毎年行われ、応募が多かった漢字一字を、12月12日の「漢字の日」前後に京都・清水寺の森清範・貫主が発表しています。

揮毫は「一年間の出来事を清める」と共に、「明るい新年となるよう願いを込めて」奉納されます。

個人、企業・団体からの多数の応募の結果、2018年の漢字一字は「災」に決定しました。

「災」が選ばれたのは、自然災害の多い日本でも今年は特に多くの大災害があったことが理由です。

2位は平等、平和の「平」の漢字一字でした。

冬型の気圧配置が強まった2018年は日本海沿岸や北海道で記録的な大雪に

2018年1月~2月の期間は、冬型の気圧配置の強まり、1月下旬・2月上旬など、日本海側では何度も大雪が降り積もりました。

特に2月上旬は北陸地方で記録的な大雪で、北陸豪雪、福井豪雪と呼ばれました。

強い寒気が継続的に流れ込んだことで2017年12月から2018年2月の3ヶ月間は全国的に気温が低く、西日本では32年間で最も低い状態となりました。

東京でも、1月22日には4年ぶりの積雪23 cmを記録し、さいたま市では1月26日に観測史上最低の−9.8 °Cを観測しました。

2月5日~8日にかけて、北陸の福井県・福井市では、積雪が147 cmに達し、1981年以来37年ぶりの記録となりました。

京都府丹後地方でも大雪となり、京丹後市で86 cmの積雪を観測しました。

島根県の松江市では観測史上3位となる49 cmの積雪を観測し、厳しい冷え込みによって日常生活への影響が続きました。

9日は島根県の出雲市で−12.5 °C、鳥取県の境港市では−8.1 °Cを観測して114年ぶりの低温が観測されています。

2月13日には日本有数の豪雪地帯である山形県大蔵村で積雪445 cmを観測し、歴代最大を更新しました。

3月上旬には、北海道付近を発達した低気圧の影響で暴風雪となり、伊達市では積雪量が観測史上最大の2 mを超えました。

帯広では積雪量が106 cmを超えて14年ぶりの大雪となっています。

猛吹雪を原因とする車の立往生や死者も発生しました。

3月2日には函館での累積降雪量が496 cmとなり、統計開始以降で最大値を記録しています。

大坂北部地震は比較的狭い範囲で発生したが、都市部で大きな被害を受ける

2018年(平成30年)6月18日7時58分に、日本の大阪府北部を震源として地震が発生しました。

地震の規模はマグニチュード6.1で、震源の深さは13 kmです。

大阪府の大阪市北区・高槻市・枚方市・茨木市・箕面市の5市区では、最大震度6弱を観測しました。

大阪府では、大阪市都島区・大阪市東淀川区・大阪市旭区・大阪市淀川区・豊中市・吹田市・高槻市・寝屋川・箕面市・摂津市・交野市・島本町で、最大震度5強 を観測しました。

京都府では、京都中京区・京都伏見区・京都西京区・亀岡市・長岡京市・八幡市・大山崎町・久御山町で最大震度5強 を観測しました。

大阪府内で死者6名、2府5県で負傷者443名の人的被害が発生しました。

住家の全壊は18棟、半壊は517棟、一部破損は5万7787棟、火災は7件が確認されています。

地震保険支払額

(出典:日本損害保険協会)

地震保険の支払額は2018年12月11日時点において10億3320万円を越え、東日本大震災、平成28年熊本地震に次いで第3位の金額となっています。

線状降水帯が一極集中型の大雨を発生させる 西日本豪雨による甚大な被害

7月5日から8日にかけて梅雨前線が西日本付近に停滞し、西日本から東海にかけて大雨が数日間も続きました。

このため、西日本から東日本にかけて広い範囲で記録的な大雨となっています。

この豪雨によって、西日本を中心に多くの地域で河川の氾濫や浸水害、土砂災害が発生しました。

また、上水道や通信といったライフラインの被害や交通障害も広い範囲で起こっています。

平成30年豪雨 保険金額

(出典:日本損害保険協会)

西日本豪雨の詳しい情報については以下の記事をご覧ください。

一難去ってまた一難 2018年の夏は異常な暑さによる熱中症が続出

豪雨が過ぎ去ったかと思うと、今後は、異常な暑さによる熱中症の被害が発生しました。

7月18日には岐阜県多治見市で40度を超え、全国の観測地点の2割を超える206地点で最高気温が35度以上の猛暑日となったのです。

8月3日には、1942年以来、名古屋で40度を記録し、多くの場所で観測史上最高の気温を更新しました。

2018年に入り、日本でも地球温暖化に伴う影響が顕著に現われ始めたと考えています。

何としても、自動車・工場・生活で使う電力などに由来する二酸化炭素の排出量を減らしていくための法的あるいは人道的な枠組みを作っていく必要があります。

そのための一助として、二酸化炭素を吸収する人工光合成によって、地球温暖化を防ぎ、新たな代替エネルギーを創出するという取り組みも科学技術の分野で行われれています。

「非常に強い」勢力を保った大型の台風21号が大阪を中心に近畿地方を直撃

暑さが少し和らいだかと思うと、今度は9月4日に「非常に強い」勢力を保った大型の台風21号が近畿地方に上陸し、甚大な被害をもたらしました。

特に大阪は豪雨や台風による影響は、これまで少ない傾向にありましたが、台風21号の勢力は容赦のないレベルで数多くの家屋や作業中のビル、電信柱、運転中の車、トラック、交通インフラなどが大きな被害を受けました。

台風21号 保険金支払額

(出典:日本損害保険協会)

台風21号の詳しい情報については以下の記事をご覧ください。

この台風21号によって、関西国際空港が水浸しとなり、また関西国際空港と大阪府泉佐野市を結んでいる関西連絡橋が、タンカーの接触によって破損し、鉄道や道路などの交通網が大きな被害を受けました。

関空と大阪を結ぶ交通インフラが「連絡橋の一本しかない」ということが大きな話題となり、リスクを分散化するために伊丹空港や神戸空港との連携を図るといった議論が今でも続いています。

一難去ってまた一難 北海道の胆振東部地震(いぶり・とうぶじしん)

2018年は、自然災害の猛威はそれだけで終わることはありませんでした。たった2日後の9月6日には北海道の胆振(いぶり)地方で震度7を観測するという大きな地震が発生しました。

その影響で、苫東厚真火力発電所が故障し、「停電・断水・交通インフラの停止」が起こりました。

さらに、札幌市内では液状化現象による道路の陥没によって多くの家屋が被害を受けました。

北海道胆振東部地震の詳しい情報については以下の記事をご覧ください。

2018年は、本当に立て続けに豪雨・台風・地震が起こるという信じられない一年でした。

沖縄県~大阪府・三重県・愛知県・静岡県~首都圏まで被害が拡大 台風24号

しかし、これで終わることはなく、台風24号が日本の本州に上陸し、日本列島を縦断して、東海地方や関東地方を含む全国各地に大雨と強風の被害が発生しました。

また、台風21号と台風24号の進路が似ていることで、どういう地域が被害に遭いやすいのか、進路の違いで明確に分かるという発見もありました。

台風24号 保険金支払額

(出典:日本損害保険協会)

台風24号の詳しい情報については以下の記事をご覧ください。

そもそも、巨大な勢力の低気圧による豪雨や台風の発生は、太平洋の海水温度が上昇していることが原因です。

こうした海水温の上昇は、二酸化炭素の排出量とも大きな相関関係があるため、石油や石炭などの化石燃料に依存することなく、新たな次世代エネルギーを開発し、それを電力として使っていくような社会に変わっていくべきだと考えています。

石油を原料とするプラスチックは、ゴミという形で深刻な海洋汚染や生態系の破壊にもつながっています。本当に「オイルマネーからエコマネー」へと現在社会がシフトしていくべきタイミングにあります。

2018年 石油は地球温暖化だけでなく、海洋汚染の原因としても注目を集める

また、そうした問題に危機感を覚え、真摯に解決へ向けて取り組んでいる企業などもあります。

環境を汚染する化石燃料を使わなくても、暮らしが豊かで便利になるような循環型社会を創り出していくことが必要だと思います。

また、そのためのヴィジョンを一歩ずつ実現していかなければなりません。

今後も、こうした情報をどんどんとシェアしていきたいと考えております。

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