自然災害・環境問題

平成30年7月豪雨(西日本豪雨)で、「想定外」の甚大な被害 

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各地で記録的な降雨量となり、広範囲で土砂災害や浸水被害が発生したことで、大規模な被害が出た2018年7月6~8日にかけての集中豪雨は、「平成30年7月豪雨」と気象庁が命名しました。(報道機関は西日本豪雨を略称として用いているところが多い)

その期間は台風7号が影響を及ぼした6月28日以降と定義されています。

気象庁は、数十年に一度の重大な災害が予想される場合に出す「大雨特別警報」を福岡、佐賀、長崎、広島、岡山、鳥取、京都、兵庫、岐阜、愛媛、高知の11府県で発表しました。これは、2013年に特別警報の運用が始まって以来、初めてのことです。

都市圏の関西でも、大阪府北部地震の影響で屋根瓦にビニール・シートを敷いている民家が多数見受けられたのですが、大雨がひどくなるに従って雨漏りのためかシートを敷いている箇所が増えています。

80年前の阪神大水害を想起させる今回の豪雨被害は、兵庫県神戸市北区や灘区でも800~900ミリを超える記録的な降水量となっており、池や河川が氾濫し、床上浸水や土石流も多数発生しています。土砂災害が最も多かった須磨区では、山陽電鉄の線路が土砂で埋まり、電車が不通となりました。

災害の範囲は東日本大震災クラスとの指摘も

雨が止んで梅雨明けが発表された9日以降も、各自治体はまだ全容が見えていない被害状況の把握や救助活動に追われています。

今回の豪雨では、記録的な大雨により、17府県の約174万世帯、約386万人に避難指示や勧告が出されました。豪雨直後の7月10日時点において、15府県1万2千人以上が避難生活を余儀なくされました。

少なくとも14府県で200人の死者、7府県で67人の行方不明者が出ています。(府県別では広島91人、岡山58人、愛媛26人など)

※12日午後8時の時点では、総務省消防庁の発表によると、避難者数7085人、家屋被害2万4150棟、断水 23万5千戸、土砂災害 519件、鉄道の運休 11事業者26路線(JR貨物含む)となっています。

豪雨災害としては、元号が平成に入ってから過去最悪の人的被害となっています。

気象庁が呼びかけているように、7月9日~10日の「梅雨明け後」においても引き続き、地盤の悪化による土砂災害による被害の拡大に対する警戒が求められています。西日本全域で「梅雨明け」が発表された「後」になってからも、広島県府中町の榎川が決壊し、高台への避難指示が自治体より出ています。

河川の堤防の決壊や住宅地での土砂崩れなどを通じて、「想定外の事態に対する備え」が切実に必要不可欠だと認識せざるを得ません。特に土砂災害警戒区域にお住まいの方は最新の情報収集に努めるように心がけてください。

災害リスク情報

京都大学・防災研究所の松四雄騎准教授は、平成30年7月豪雨について、災害の範囲だけで言えば、2011年の東日本大震災クラスの規模だという見解を述べています。

広範囲で複数の地域に、同時多発的な被害が発生しており、その対応は非常に難しく、過去に経験がないことが分かってきてています。

しかし、災害に対する対策が全くない訳ではありません。

岡山県倉敷市真備町では、洪水と浸水が7kmに渡りましたが、「浸水が市のハザードマップに近い形で広がっており、こうした想定をしっかりと周知することが大切だ」と専門家や自治体は話しています。それは、六甲山の麓にある兵庫県灘区篠原町で発生した土砂災害も同じです。

国土交通省ハザードマップポータルサイトでは、スマホでもPCでも「身のまわりの災害リスクを調べる」ことが出来ます。

例えば、梅雨前線や台風が居住地域に迫ってきた時に身近な河川がどれくらい氾濫し、浸水被害が起こるのか?

地震が居住地域に発生した時に、津波による最大規模の浸水被害がどれくらい起こるのか?

といった想定区域が簡単に確認できるようになっています。

加えて、「災害リスク情報」を地図に重ねて表示することが可能で、洪水・土砂災害・津波のリスク情報、道路防災情報、土地の特徴・成り立ちなどを地図に自由に重ねて表示可能です。

サイト内で、特定の場所を入力すれば、洪水、土砂災害、津波など地域のハザードマップを入手することが出来ます。

重ねるハザードマップ

↑岡山県倉敷市を検索した画像(画像をクリックすると大きくなります)

詳しくは国土交通省ハザードマップポータルサイト をご覧ください。

サプライチェーンへの影響について


写真:岐阜県飛騨市提供(日本経済新聞)

今回の豪雨の影響で、交通網の深刻なダメージにより、物流が支障をきたし、サプライチェーン(原料の段階から製品やサービスが消費者の手に届くまでの全プロセスのつながり)が機能不全に陥っています。

その結果として企業の様々な活動に影響を及ぼしています。

具体的には、土砂崩れによる道路の通行止め、部品供給の寸断、生産拠点の浸水、水道管破裂による断水などがあります。

一部の製造業メーカーでは生産活動を停止し、今後の操業は改めて判断することを発表しています。

マツダ(広島県と山口県にある工場で出勤が難しい従業員がいる、部品メーカーの工場で浸水被害が発生している)、三菱自動車工業(岡山県市内で出勤が難しい従業員がいる)、三菱ふそうトラック・バス(アクセルペダルなど部品メーカーの工場が被災)、ダイハツ工業(中国地方の部品工場で必要な部品が調達できない)

また、福岡県、山口県、広島県、岡山県、愛媛県、岐阜県、兵庫県などのスーパーマーケットやショッピングセンター(イオングループ)、コンビニエンスストア(セブンーイレブン・ジャパン、ファミリーマート、ローソン、ミニストップ)では、一部の店舗において、当面の間、営業を見合わせるといった影響が出ています。

その理由として、浸水の被害を受けていること、店内の清掃や設備の点検などを行う必要があること、道路が通行できないため物流網が滞っていることが挙げられます。

交通インフラへの影響について

西日本高速道路によりますと、平成30年7月豪雨の影響で、高速道路5箇所の区間で通行止めが続いています。山陽自動車道、広島呉道路、高知自動車道、九州自動車道、東九州自動車道などです。約1週間で解除される見通しの区間もありますが、解除の見通しが立っていない区間もあります。

NEXCO西日本のサイトでは、リアルタイムの交通情報が開示されています。現在の渋滞、規制、 通行止め、大雨情報などです。かつて経験のない長期間降り続く大雨の影響で、高速道路で多数の災害が発生していること、復旧までに相当な時間を要する区間があることを伝えた上で、最新の通行止め・解除情報が確認できます。

これまで554kmを通行再開しており、現時点では1714kmが通行止めとなっています。24時間体制で復旧作業を行い、早期の通行再開に努めています。

詳しくはNEXCO西日本リアルタイム交通情報をご覧ください。

また、JR東海、JR西日本・JR四国・JR九州では、当面の間、運行再開の見通しが立たない区間が出ています。

JR東海(岐阜県で発生した土砂流入)、JR西日本(広島県、山口県で発生した土砂流入や電気設備の水没、山陽新幹線による代替輸送を行う)、JR四国(香川県の橋梁が被害を受け、復旧に長期間が必要とする見込み、バス代行輸送を行う)、JR九州(福岡県、佐賀県、熊本県で発生した土砂流入と道床流入、バス代行輸送を行う)

鉄道に関する情報サイトの「レイルラボ」では、6月下旬からの日本全国の水害による鉄道被害状況や運行情報が更新されています。

詳しくはレイルラボをご覧ください。

まだ二次災害に対する警戒が必要な地域もありますので、お住まいの自治体が提供する情報や気象庁の発表を定期的に確認するように努めてください。

豪雨で被災した方が火災保険を利用する場合の留意点

火災保険を扱っている損害保険会社は、それぞれ独自の商品を販売しています。

そのため、サービスの内容が会社によって異なり、同じ補償内容ではありません。

また、火災保険の加入や見直しをする際にも、複数のプランのうち、いずれか一つのプランを選択する必要があります。

具体的には、水災(水害)を補償してくれるプランと、そうでないプランがあります。

また、水災(水害)を補償してくれるプランの中でも、さらに細かく内容が分かれています。

補償してくれるプランの内容は、次のように区別されています。

水災を補償する契約で、火災保険の対象が建物の場合

  1. 洪水で床上浸水し、建物が損傷してしまった。
  2. 集中豪雨の影響で、土砂崩れが発生して、建物が全損になった。
  3. 住んでいる近くの河川が氾濫して、建物が床上浸水の被害に遭った。。

水災を補償する契約で、火災保険の対象が家財の場合

  1. 床上浸水によって、半数以上の家具が使えなくなった。
  2. 床上浸水によって、1階の家電製品や家具が使えなくなった。

・建物と家財の両方を補償してくれるプランに加入しているか。

・どちらか一方だけ補償してくれるプランに加入しているか。

・どちらも補償してくれないプランに加入しているか。

によって、水災(水害)に対する補償の内容が変わってきます。

どの場合であっても、単に建物が老朽化したことで発生した雨漏りは補償対象になりません。

一般的に、火災保険が適応されない場合は以下の通りです。

・過去5年以内に屋根修理や外壁塗装・外壁張替えを含む修理をしている
・修理が必要になった日から3年以上経過している
・修理費用が20万円以下である
・保険契約者、被保険者等の故意もしくは重大な過失または法令違反がある
・経年劣化(サビ、ひび割れ、コケ、カビ、塗装剥離など)が明らかである(特に建築後30年以上が経過している)

修理業者が作成する見積もり書には「足場組み立て費用」を必ず見積もり項目に入れてもらうようにしてください。そうすれば、修理費用が20万円以上にはなるはずです。

屋根の修理業者は「金属屋根の工事業者」と「瓦屋根の工事業者」があり、それぞれ得意分野、不得意分野を持っているケースが多いです。

外壁の修理業者は、費用面だけに限らず、「親切丁寧に対応してくれる」「見積書が見やすく作られている」ことを選ぶ上での基準にしましょう。

「今使われている屋根・外壁(修理・補修)」や「新たに使おうとする屋根・外壁(リフォーム)」によって依頼する業者を適切に選ぶようにしてください。

火災保険の加入や見直しを検討しているのであれば、「火災保険の窓口」は無料で火災保険に特化した一括見積もりを行っているので、非常に心強いです。

人気の高い火災保険ランキングで紹介されているサービス内容の充実した保険会社がズラリと並んでいるので、ぜひご覧ください。

「ネットからお申し込み→電話にて保険内容の詳細ご確認→見積もりのご提示→比較検討/契約」

という一連の流れになっています。

火災保険は自分の住まいに合ったサービス内容を的確に選ぶことがとても重要です。

何かあった際には担当者の方が窓口になってくれます。加入時だけではなく加入後も安心できます。

サービス内容をしっかりと比較して、火災保険の加入や見直しを検討しましょう。

平成30年7月豪雨 ふるさと納税で災害支援

「ふるさとチョイス」というサイトを通じて、 被災した自治体へ寄付をすることが出来ます。この寄付はふるさと納税の対象となります。

このサイトでは、災害支援として、平成30年7月豪雨に伴う災害支援寄付の受付フォームが開設されています

詳しくは、ふるさとチョイス災害支援-ふるさと納税でできる災害支援ーにてご確認ください。

被害が甚大なため、この受付フォームを通じては、お礼の品が受け取れないようですが、災害支援を行う「ふるさと納税」という形で税金の負担額を減らすことができます

控除上限額内の寄付かどうか簡単チェック

  1. ふるさとチョイス」サイトの上部にある「控除金額シミュレーション」をクリック。
  2.  還付・控除限度額計算シミュレーション」ページでシミュレーション方法を選択。
  3.  控除上限額内の寄附であれば、所得税や住民税から還付もしくは控除を受けられます。

このページを利用することで、会社員や自営業に関わらず、家族構成と年収を入力することで控除上限額を計算して確認することが可能です。

詳細な控除の上限額を知りたい場合は、「源泉徴収票」もしくは「確定申告書の控え」を用意してください

それらの書類に記載されている社会保険料控除、医療費控除、住宅借入金等特別控除などの情報を入力することで、所得税や住民税から還付もしくは控除される金額をすぐに算定できます。

一日でも早く、被災された皆様が安心で安全な暮らしを取り戻すことを願っております。

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