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FX 2024年3月のドル円相場振り返り 17年ぶりのマイナス金利解除発表も




3月に入って大幅に動いた相場。

2024年3月の相場を振り返ります。

2024年3月1日~8日(1週目) 日経平均は40,000円台、円高も進む

日経平均が一時4万円台になるなど、株高が進んだことは大きくニュースにもなっていますが、併せて為替にも大きな動きが出ています。

3月7日には1ドル147円後半にまで円高が進みました。2月7日以来、1か月ぶりの値です。

2月の後半から3月1日にかけては150円台後半でしたのでたった1週間で3円も動いたこととなります。

ドル円 週足 最後の足が3月4日~8日

2024年3月 円高推移の要因は?

円高に動いた要因は、ファンダメンタルズ的な理由でいうと

日本側の要因

・東京消費者物価指数結果(CPI)(3/5)

・神田財務官発言 「高金利環境に備える必要あり」(3/5)

・日銀植田総裁発言 デジタル円導入は「国民的議論で決まるべき」(3/5)

・実質賃金の下落幅の縮小(3/7発表)

・春闘における賃上げ要求が30年ぶりに5%を上回った

・日銀の中川審議委員 「2%の物価目標に向けて着実に進んでいる・賃金と物価の好循環が展望できる」と発言(3/7)

→マイナス金利政策解除が3月に行われるのでは?という推測につながったから円高が進んだ

と、言われていますが為替に影響を与えるのは日本側の要因だけでもありませんし、そんなにも単純でもありません。

様々な要因が絡み合っているのです。

アメリカ側の要因

・3/1(金)ISM製造業景況指数→米ドル売へ
アトランタ連銀総裁発言「早急な利下げ必要なし」

・3/5(火)米ISM非製造業景況指数
スーパーチューズデー(米大統領選の重要日)
→トランプ氏優勢の見方が強くなる→米ドル売加速

・3/6 (水)ADP雇用統計

・3/6.7(水・木)・・・パウエル議長発言

・3/8 (金)米雇用合計

これらのように、米側にも色々と相場を動かす材料がありました。

FXチャートで見る3月1週目の為替の動き

ドル円 1時間足 赤線より右が3月

ドル円1時間チャートです。

3月1日は150円を記録していたものの、米時間に下げ、翌週3月4日月曜日に1日かけて下落前水準まで戻ってきたものの、再び翌5日英・米時間に下降しました。

下降しているタイミングを見ても、英米時間に大きく動いていることが見て取れます。

チャートでいうと長らく高値圏でのレンジでした。

2月29日、月末日に、日本時間から下降が始まり、一旦レンジ圏の下値を割り込んだ上での3月1日の150円台でしたが、上値を試しても届かず、翌月曜(4日)、その翌日(5日)と上値を試しますが段々と切り下げて下降トレンドへと突入していきました。

来週はどうなることでしょうか。

このままトレンド継続か、一旦は上昇してくるか。

3月10日よりアメリカは夏時間

相場の流れとは関係ありませんが、3月10日よりアメリカは夏時間になります。

日本の兼業トレーダーには、ちょっとありがたいですね。私はありがたいです。

指標発表の時間も変わってきますので、気を付けていきましょう。

2024年3月11日~15日(2週目) 日経平均は下げ、ドル円は円安方向へ

日経225 日足

ドル円 日足(3月2週目)

 

1週目が売っていれば儲かった1週間だとすれば、2週目は買っていれば儲かった1週間でした。

週ごとに流れが切り替わっていて面白いですね。

相場は波をつけるもの。その切り替わりがこんなにきれいに週の区切り目となることもあります。

ドル円30分足で見る 3月1週目から2週目にかけての動き

30分足ぐらいがちょうど2週間の値動きを見るのに適しているので30分足で見てみましょう。

ドル円 30分足

綺麗に1週目の下降・2週目の上昇が見えますね。

ちょうど境目の金曜日の後半から週明け月曜日にかけてがレンジで膠着状態です。

3月2週目への転換をチャートパターンで振り返る

3月12日火曜日の朝に日本の指標はあったものの、普段そんなに重要視される指標でもなく、燃料となるには弱いですが、チャートパターンからは色々と転換サインが見て取れます。

先ほどのチャートに書き込んでみると視覚化すると、ごちゃつくぐらいに色々あります。

転換サイン

①緑  MACDとのダイバージェンス

②紫  ソーサーボトム

③青  逆三尊

④橙  レンジブレイクからのリトレース

⑤赤  高値切り上げ(ダウ理論)

⑥MA  200MA(赤の長期MA)上抜け・下支え(グランビルの法則)

後から出来上がったチャートで見るのは簡単です。

簡単ですが、教科書通りのように形を描くのがまたチャートの神秘でもあります。

使う手法や見ている時間足はトレーダーによってさまざまですが、色々な見方で合致するところはやはり強いですね。

30分足ではこれだけの転換が見られるものの、先に載せた日足でみると、高値が切り下がっている状況。安値は切り下がっていませんが。

小さい三尊を形成しそうにも、大きな目で見るとダブルトップになりそうにも見えます。

大きく俯瞰してみたり、小さな値動きの変化もしっかり捉えてみたり、売りと買いの攻防をしっかり見定めてトレードしていきたいものです。

2024年3月18日~22日(3週目) 日銀マイナス金利解除を発表 17年ぶりの動きに為替はどう反応?

3月18・19日の2日間で行われた金融政策決定会合で、大規模な金融緩和策を変更することが決まりました。
2016年から続いていた「マイナス金利政策」の解除です。

日銀による利上げはおよそ17年ぶりです。

発表を受け、日経平均株価は一時41000円台を記録しました。

日経CFD 週足チャート

週足で見ると、大きな大陽線です。

そして、円安の歯止めになるかと思いきや、そうはいかず、ドル円も上昇、円安が進みました。

ドル円 週足チャート

ドル円も、週足大きな陽線となりました。

週足で、上昇トレンド継続です。

3月3週目、日銀政策金利・FOMCを受け、為替はどう動いたか

ドル円 30分足

3月19日、先述の日銀政策決定会合での「マイナス金利解除」の発表を受け、ドル円は大きく上昇しました。

その翌日NY時間には米国金融政策(FOMC)の結果で米政策金利は「据え置き」となり、発表後から翌朝にかけてドル円は下降したものの、ドルは依然強く、再び上昇しました。

買い方にはいい押し目を付けたという状況で、20日から21日にかけてチャートパターンでは逆三尊が見て取れます。

とはいえ、そのまま素直に上昇し続けることはなく、木曜日後半から金曜日にかけては短期で見ると高値圏でのレンジとなりました。

マイナス金利解除と発表されたものの、利上げを急ぐ必要はないとみられる日本、そして次回の政策金利変更が利下げであることが明確に示されたものの今回は「据え置き」となったアメリカ。どちらつかずの動きになるのはやむなしという感じでしょうか。

チャートとしては、まだ上昇トレンド継続です。

そんな上昇トレンド継続で再び151円台~150円台後半に戻してきた為替ですが、長期目線で言うと、5月にはFRBの利下げも視野に入ってくることから、一旦下降に転じる動きがいつきてもおかしくないということを頭に置きながら、しっかりと流れを見ていきたいと思います。

 

2024年3月25日~29日(4週目) 財務省・金融庁・日銀の三者会合も横ばいの1週間

3月も終わりました。

後ほど振り返りますが、まずは大切なチャートを載せておきます。

3月の月足が確定しました。

2024.3月 月足

 

下髭長めの陽線。

上を目指しそうな足ですね。但し、本当に高値圏で、介入の匂わせなんかもあるので、なかなか強気で買いにくいのが今のドル円です。

週足も見てみましょう。

ドル円 週足

完全なるコマ足の1週間でした。

そうなると日足もわかりきっていますが・・・

日足

ドル円 日足

コマ足連続です。

3月4週目、為替介入警戒もあり、横ばいが続く

3月27日水曜日には、三者会合がありました。

三者会合終了後に神田財務官が「行き過ぎた動きにはあらゆる手段を排除せずに適切な対応をとる」といった発言をされ、市場は為替介入も警戒の動きで、特にこの発言後から週末にかけての動きはかなり慎重な動きとなりました。

また、それでも価格は151円後半を維持。152円の壁が意識されています。

ここを抜けてくると、損切もたまっていそうなので、大きく動きそうですが、大きく動くと、為替介入が怖いですね。

しばらくはドル円は静観が正解なのかもしれません。

欧州・英も夏時間に

3月31日日曜日から、欧州・英も夏時間となりました。

米はすでに夏時間でしたので、これで一律時間が揃ったような感じです。

ヨーロッパ時間の指標時間やロンドンフィキシングなど、気を付けて4月も頑張っていきましょう。



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