惑星の活動から利益を得ているトレーダーが存在するというのは単なる噂話ではありません。
1900年代初頭、有名なウォール街のトレーダーであるウイリアム・Dギャン氏は、占星術のサイクルが金融市場の値動きと密接な相関関係があることに気づき、巨額の利益を上げたと伝えられています。
彼は小麦とトウモロコシの先物取引する際に、木星と海王星の周期的な活動を追跡しました。
今現在、多くのトレーダーや投資家がギャン氏の手法に倣おうとしていますが、カレンダー上で繰り返されるサイクルを探しているだけです。
彼らに欠けているのは占星術の要素であり、株式市場や為替と惑星周期の相関関係についてです。
1940年代後半にも、占星術を通じた惑星の数学的モデリングが株式市場に適用されました。
ところが、1950年代になると、イェール大学やハーバード大学の学者が金融市場に関する議論を支配するようになりました。
金融市場に影響を与える惑星の周期についての手法は、現代ポートフォリオ理論や効率的市場仮説のような学術的な概念に取って代わられました。
※効果的市場仮設とは、現在の市場価格は将来に対するあらゆる情報を織り込んだ上で形成されているという考え方のことです。
これらの学術的モデルは、投資は長期的なものであり、投資家は買って保有し、市場の浮き沈みを忘れるべきであるという見解を数十年間に渡って普及させました。
ところが、2000 年のITバブル崩壊と2008 年のリーマンショックで厳しい批判にさらされる結果となりました。
JPモルガンなど占星術を理解している金融業界の権力者にとって、この2つの時期は、個人投資家達の恐怖感情や、政府当局者の用意した救済策などによって、相場のトレンドと転換を狙って大儲けする絶好の機会だったのです。
少なくとも金融業界を牛耳る権力者の餌食とならないためにも、占星術について理解を深めておくことは非常に大切です。
今回は、木星と土星の周期、それにノードの周期について述べていきたいと思います。
目次
テクニカル分析の始祖、ウィリアム・D・ギャン氏が利用した惑星のサイクル
ウィリアム・D・ギャン(William Delbert Gann)氏はアメリカ合衆国の投資家であり、トレーダーとして大成功を収めました。
日本でも、ギャン理論として名前はよく知られており、「ギャンの価値ある28のルール」は特に有名です。
デジタル情報がない時代にアメリカとイギリスの博物館資料まで精査し、独自の分析手法を数多く生み出しています。
ローソク足を使った「テクニカル分析の始祖」とも呼ばれています。
その中で金融市場における価格変動には周期性があることを発見しました。
緻密かつ適切な分析によって、トレードの勝率は8割以上という非常にハイレベルな成果を上げました。
1929年の世界恐慌を1年以上前に予測していたという伝説が残っています。
経済的な統計データだけでなく、聖書、数秘術、神秘学、占星術の研究も行っていました。
特に占星術では、木星と土星の周期を厳密に追跡していたのです。
木星と土星が接合(0度のアスペクトを形成)するサイクルは約20年です。
太陽の周りを一周する(公転する)のに、木星は約12年、土星は約29年かかるというサイクルがあります。
ギャン氏はこれらの軌道周期をさらに一歩進めて深く解釈し、19.86 年ごとに、黄道帯(黄道12宮あるいは黄道12星座)の特定の星座で木星と土星が接合(0度・コンジャンクション))していることに注目しました。
ギャン氏は、この19.86年の期間を「マスター・サイクル」と名付けました。
マスター・サイクルすなわち木星と土星の0度(コンジャンクション)の発生がトレンドの変化と関連しているのか具体的な事例を見ていきましょう。
NYダウで見る マスター・サイクルとトレンドの変化の関連
結論から言いますと、正確に木星0度土星を形成した時、ほぼ確実に金融市場は大きな価格下落に見舞われます。しかし、他の惑星間のアスペクトの影響もあって、その後まもなく回復したり、しばらくしてから大不況に転じる場合があります。
※アスペクトの誤差(オーブ)は0度~3度くらいで狭ければ狭いほど影響が大きく、5度~7度くらいまでを目安とするのが一般的です。
今回は、世界経済に最も影響を与えるアメリカのダウ・ジョーンズ工業株価平均(以下、ニューヨークダウ:株価指数と呼びます)に焦点を絞って解説します。
1901年後半の市場の低迷は、これら2つの惑星、すなわち木星と土星の0度(コンジャンクション)と完全に一致していました。
この正確な接合の後、アメリカのニューヨークダウ(株価指数)は、2つの惑星の距離が4~5度になった1903年9月に決定的な転換点を迎えました。
※この時期、景気拡大を象意する木星が、射手座の天王星(突発的な変化)と双子座の冥王星(破壊と再生)とそれぞれ90度のスクエアのアスペクトを形成し、天王星180度冥王星のアスペクトの影響が大きかったと言えます。
1920年頃のNYダウ
1920年、アメリカ経済は不況に見舞われました。木星と土星が正確に0度(コンジャンクション)となったのは1921年 8 月のことです。
この0度(コンジャンクション)を形成した後、ニューヨークダウ(株価指数)はまるで待ち行列に並んでいたかのように急に力強く上昇し始めました。
※この時期、魚座の天王星と蟹座の冥王星は120度(トライン)の吉角のアスペクトを形成しており、その影響が大きかったと言えます。
ニューヨークダウ(株価指数)は、2つの惑星がちょうど150度離れていた1932年に、1921年の安値にトライしています。
※この時期、牡羊座の天王星と蟹座の冥王星は90度(トライン)の凶角のアスペクトを形成しており、その影響が大きかったと言えます。
1940年頃のNYダウ
1940年後半、木星と土星が再び0度(コンジャンクション)となり、それぞれの惑星の逆行も重なって1941年5月までそのアスペクトを維持していました。
このように長い期間に渡って同じアスペクトを形成すると、その影響力は強くなるか、長くなります。
ニューヨークダウ(株価指数)は、1942年初頭に決定的な安値を記録しました。
※この時期、木星と土星は30度離れていたのですが、牡牛座(物質的安定)で土星(試練・困難・障害)が天王星(突発的な変化)と0度(コンジャンクション)を形成していたのです。土星と天王星の0度・90度・180度は不況や不景気と密接な関係があります。しかも双子座の木星は乙女座のノードと90度(スクエア)の凶角を形成していました。
1961年頃のNYダウ
1961年4月、木星と土星が再び0度(コンジャンクション)となりました。 ニューヨークダウ(株価指数)は最終的に、2つの惑星の距離が22.5度になった1962年半ばに安値の転換点に達しています。
1981年頃のNYダウ
1981年の春、木星と土星は正確に0度(コンジャンクション)となりました。実際の金融市場の高値のピークは数か月前に到来していました。
この頃のアメリカ経済は農業輸出の減少、作物価格の下落、金利の上昇などで深刻な不況に見舞われており、事業倒産が大幅に増えています。
2つの惑星が1度離れただけの正確な0度(コンジャンクション)で、ニューヨークダウ(株価指数)が転換点となる安値を記録したのは1982年8月の時でした。
※この時期、火星(積極性・投機性・トラブル)と木星(金融資本)は0度(コンジャンクション)を形成し、金星(豊かさ)と冥王星(破壊と再生)は90度を形成していました。
その後、9月に入ると木星がノードと120度(トライン)の吉角となるだけでなく、12月以降に木星が天王星と0度(コンジャンクション)になったことをきっかけに大規模な強気相場に発展しました。
政治的な経済政策としては、1983年にロナルド・レーガン大統領のレーガノミクスの効果が顕著に現れ始めたのです。そのため、失業率が低下し、景気回復が進み、アメリカ経済は復活していきました。
そして、ニューヨークダウ(株価指数)の上昇は2000年6月の次の木星と土星の0度(コンジャンクション)まで持続していきます。
2000年頃のNYダウ
2000年6月、木星と土星は0度(コンジャンクション)となりました。
2つの惑星が8度離れた1月にニューヨークダウ(株価指数)の最高値が更新されました。
この 2000年6月の0度(コンジャンクション)と新しいマスター・サイクルの開始に続いて、ニューヨークダウ(株価指数)が転換点となる記録的な安値に達したのは2002年10月になった時でした。
この時期に社会現象として何が起こっていたかというと、いわゆるITバブルの発生です。
ドットコムバブルとしても知られ、インターネット関連の株価が急騰し、多くの投資家が株式市場に参入しました。しかし、一部の企業は過剰評価されており、ITバブルは崩壊していきます。
※この時期、ノードと冥王星は180度(オポジション)を形成し、木星(金融資本)と海王星(バブル的膨張)も180度(オポジション)を形成していました。
2020年頃のNYダウ
2020年12月、木星と土星は、米国大統領選挙で不正選挙の疑念によるゴタゴタが生じた時期に0度(コンジャンクション)を形成しました。
土星(試練・遅延・困難)と冥王星(宿命)が0度(コンジャンクション)であるため、権力移行(大統領の決定)がスムーズにいかないと読み取れます。権力の象意は木星と冥王星の0度(コンジャンクション)です。
※大統領選挙に関しては、2021年3月にウィスコンシン州の集計結果を無効にすることを求めた訴訟が連邦最高裁により却下されたことで全ての裁判が終了しています。
金融市場は数か月前、つまり2つの惑星の距離が12度あった2020年3月下旬にすでに大幅な安値を記録しています。
この歴史的な転換点は、新型コロナウイルスのパニックによる暴落として長く記憶されることでしょう。
こうした事実から、角度の誤差が全くなく、正確に木星と土星が接合するタイミングの数か月前あるいは1年半後までに金融市場に大きな転換点となることが分かってきます。
ギャン氏が発見した20年周期説は景気循環のサイクルとして的を得ていたと結論付けられるでしょう。
次の土星と木星の0度(コンジャンクション)は2038年に起こります。
「20×3=60年」という長い時間の流れにおける精密な惑星の周期
少しだけ見方を変えていきます。
20年ごとの木星0度土星のサイクルは、大きな社会的変革をもたらすタイミングではあっても、株価指数の高値・安値のピークとはややずれがあり、ぴったりと景気の天井や天底といった転換期と重ならないケースがあるようです。
社会的変革の一例として直近の2020年では、リモートワークなどのデジタル・トランスフォーメーション(DX)化が進みました。
景気循環の周期のみで見ていきますと、ギャン氏のマスター・サイクルが3回繰り返される60年のサイクル(20年×3回)が景気の天井や天底のサイクルと一致することが分かってきます。
例えば、
・1961年4月に木星と土星は山羊座の後半で0度(コンジャンクション)を形成しました。
・1981年の0度(コンジャンクション)は天秤座で発生しました。
・2000年6月の0度(コンジャンクション)は牡牛座で発生しました。
・2020年12月の0度(コンジャンクション)は水瓶座の0度で起こりました。
1961年の0度(コンジャンクション)は木星と土星が7度しか離れていません。
このことは、60年という長い周期を経て、歴史が再び韻を踏み始める可能性があることを示唆しています。
景気の循環における60年間サイクルの具体的事例
60年間のサイクルで改めて具体的事例を挙げることとします。
アメリカ株式市場は1929年暴落後の安値を1932年に記録しました。
→それから60年が経過し、1982年は非常にパワフルな強気市場の始まりとなりました。
1937年はアメリカ株式市場の一時的なピークを迎えました。
→その60年後、1997年のアジア通貨危機が発生した後に2000年のITバブルと呼ばれる一時的なピークを迎えました。
金融市場の最低値は第二次世界大戦真っ只中の1942年に記録されています。
→60年後の2002年もアメリカ同時多発テロ事件の影響で記録的な株安が発生しました。
暴力的なエネルギーが渦巻き、人々の心が不安と恐怖に満ちていたことが、景気を冷やしていた共通点となります。
1949年に再び最安値が記録されました。
→それから60年が経過し、リーマンショックの影響で2009年3月の安値が出現しました。
1961年後半は金融市場の転換点となりました。
→さらに60年が経ち、2021年末も同様に金融市場の転換点を迎えました。
アメリカのニューヨークダウ(株価指数)は 1962年の安値から1965年にかけて力強く回復しました。高い経済成長、低い失業率、そして比較的緩やかなインフレを実現できた時期であり、この時代を「アメリカの黄金時代」と呼びます。
このパターンは、2023年後半から2025年にかけて株式市場に明るい傾向が見られる可能性があることを示唆しています。
2022年時点では、コロナ禍からの回復がもたらした供給不足だけでなく、ロシアによるウクライナ侵攻が始まったことで、小麦やエネルギーなど商品市場全体の価格が上昇してインフレが過熱しました。その結果、景気後退への悲観的な意見が多勢を占めていました。
ところが、2023年11月になると景気のハードランディングの懸念は和らぎ、アメリカのニューヨークダウ(株価指数)は大きく上昇しました。
このように、景気の循環において、コンドラチェフの波と同じく60年周期は緻密に当てはまっているのです。
いくつかの壊滅的な地政学的な状況(イスラエルとハマスの紛争の拡大など)を除けば、金融市場は2024年も引き続き回復力を示す可能性が高いと思われます。
60年間サイクルが見られるのは金融市場だけではない
60年ごとの循環サイクルは、金融市場に限らず他の分野においても見受けられます。
ワシントンの国防総省ビルの建設は、1941年 9月11日に開始されました。
それから60年後の2001年9月11日、国防総省はアメリカ同時多発テロ攻撃の標的となったのです。
1964年の夏、トンキン湾事件が発生し、ベトナムへのアメリカ軍の関与が加速しました。そこから泥沼のベトナム戦争に突入していったのです。
さらに60年を加えてみると、2024年は、数年単位の広範囲に及ぶ世界的な緊張となる地政学的な出来事が起こるのでしょうか?
各国の忍耐強い和平交渉の努力にも関わらず、イスラエルとハマスの紛争は中東全域に広がる可能性を秘めています。
ギャン氏は木星&土星の20年周期だけでなく18.6年周期も活用していた
ギャン氏のマスター・サイクルに加えて、金融市場(そして世界の不動産市場にも)に強力な影響を与えている感受点があります。
月のノース・ノード(以下、ノードと表現します)は、黄道帯(黄道12星座)の輪の周りを逆行しながら一周するのに18.6年かかります。
ノードが特定の星座を通過する時期に、経済景気循環が最低点に達する
ノードが他の特定の兆候を通過しているとき、ビジネスサイクルは最も強くなる
この景気循環を支持する著名な権威は、英国のイギリス人の経済学者フレッド・ハリソンです。
彼は出版した著作の中で、1700年代の産業革命にまで遡るこの長い経済サイクルについて論じています。
彼の代表的な著作としては『Power in the Land』『Boom Bust 2010』があります。
18年サイクル論者として、アメリカの住宅バブル崩壊の時期についても述べています。
しかし、ハリソン氏は学問の世界での敬意を保つために、彼は黄道帯(12星座)とノースノードとの関連性に言及することを辞めてしまいました。
ノードの18.6年周期
ギャン氏も扱っていたノードの18.6年周期は、事業活動の拡大と縮小や財務・金融レベルの主な傾向を示してくれます。
特にノードが12星座の中で不動宮と呼ばれるサイン(牡牛座・獅子座・蠍座・水瓶座)に入ると、株式市場の重要なポイントに到達します。ノードは常に逆行しているので、各星座を時計回りに動いていきます。
以下に詳しく見ていきましょう。
ノードが山羊座:ビジネス活動は下から上向きになる。
ノードが射手座:ビジネス活動は下から通常レベルに向かって上昇へと進み始める。
ノードが蠍座:ビジネス活動は上昇へと向かう。あるいは通常レベルに達する。
ノードが天秤座:ビジネス活動が通常レベルを超えて、さらに上昇へと向かう。
ノードが乙女座:ビジネス活動はもっと高度な上昇傾向になる。
ノードが獅子座:ビジネス活動が非常に活発な時期で。最高点に達する。サイクルの頂点。
ノードが蟹座:ビジネス活動は非常に高度な活発状態から通常レベルに向けて低下に転じる。
ノードが双子座:ビジネス活動は通常レベルを維持するか、通常レベルに向けて低下し続ける。
ノードが牡牛座:ビジネス活動は通常レベルの範囲だが、経済は減速し始め、下降傾向である。
ノードが牡羊座:ビジネス活動は通常レベルを明らかに下回り始める。
ノードが魚座:ビジネス活動はサイクルの底に近づいている。
ノードが水瓶座:経済活動の最低点に達する。ビジネス活動の極度の低下。サイクルの天底。
このように、ノードの水瓶座は経済活動の最低点であり、18.6年のサイクルが完了することを意味します。
ノードが水瓶座に在住する時に本当に景気循環サイクルの天底になるのか、疑問に感じられた方も多くいることでしょう。
しかし、投資に関わっている誰もが青ざめるような出来事がノードが水瓶座に在住した時期にありました。
その代表例は、リーマンショックであり、その前段階としてのサブプライム・ローン問題が深刻であることが分かった時です。
ニューヨークダウ(株価指数)は、2007年後半に徐々に下落し始め、2007年12月下旬~2008年1月にかけて勢いよく下落しました。
この2007年12月下旬(冬至)の天空上の惑星の配置が、まさにノードが水瓶座に入った時期と重なっていたのです。(ノードが牡羊座から水瓶座0度にイングレス)
この時期のチャートは、投機性を意味する火星と木星の180度(オポジション)があり、木星(金融資本)が冥王星(破壊と変容)と0度(コンジャンクション)でした。
さらに、火星と冥王星も180度(オポジション)であり、大きなトラブルを招く要因であることを示唆しています。
そのため、2008年9月に起こるリーマンショックに向けて、火に油を注ぐ原動力となったのでしょう。
2009年7月にようやくノードは水瓶座から山羊座に移行し、ニューヨークダウ(株価指数)は上昇トレンドに転換してきました。
この時期の木星(金融資本)は海王星(膨張)と0度(コンジャンクション)であり、ようやくニューヨークダウ(株価指数)は1万ドルを回復して落ち着きを取り戻したのです。
この同時進行で起こる惑星の配置を踏まえても、ノードは単独で全てを決定する力を持つとは限らず、他の惑星とのアスペクトによってその影響力は左右されます。
ノードがどの星座にあるかに関係なく、経済活動の傾向に良い影響を与える二次的要因は以下の通りです。
木星がノードと0度で結合している
木星が土星・天王星・海王星・冥王星のいずれかと好ましいアスペクトである
冥王星はノードに対して60度や120度など好ましいアスペクトである
ノードがどの星座にあるかに関係なく、経済活動の傾向に悪い影響を与える二次的要因は以下の通りです。
木星が土星・天王星・海王星・冥王星のいずれかと好ましくないアスペクトである
土星がノードに対して0度・90度・180度のいずれかである
天王星がノードに対して0度・90度・180度のいずれかである
冥王星がノードに対して0度・90度・180度などの好ましくないアスペクトである
2020年以降のの経済・社会情勢とノードの関連
経済が緩やかに緩和していた2020年初頭、ノードは蟹座にありました。
上記の二次的な悪要因はどれも作用していませんでした。
このため、新型コロナウイルスのパンデミックには、本格的な経済危機を防ぐための大規模な政府による財政刺激策と中央銀行による金融緩和策が行われました。
ノードが2022年初めに牡牛座に入ると、経済は激しい逆風に直面し始めました。
こうした逆風は、新型コロナウイルス感染症後のサプライチェーンの寸断、インフレの上昇、イールドカーブの平坦化、ロシアのウクライナ侵攻によってさらに強まります。
この時期に金融市場の専門家達はまもなく景気後退について話し始めたのです。
2022年3月の春分の頃から、土星はノードに対してハードな90度のスクエア・アスペクトを形成しました。
土星とノードが90度(スクエア)のアスペクトは、すでに減速している経済に悪影響を及ぼしました。
株式市場全体にわたる大きな売り圧力の波は2022年6月下旬まで続きました。
さらに、土星は2022年6月4日に逆行に転じました。
そうこうしている間に、株式市場に影響を与える力の手綱は天王星に引き継がれ、天王星はノードとの接合(0度・コンジャンクション)に向けて接近し始めました。
天王星とノードの正確な接合は7月27日に起こりました。
この正確なコンジャンクションが完了すると、天王星とノードはゆっくりと遠ざかりました。
とはいえ、両方ともにゆっくりと動くので0度(コンジャンクション)としての許容範囲であるオーブ(角度の誤差)3~4度の状態を維持しました。
この接合の影響によるネガティブな期間は、株式市場にさらなる弱気の波を引き起こし、それは2022年10月まで続きました。
2022年後半の時点でノードは牡牛座の13度にあり、2023年半ばには牡羊座に入る準備ができていました。
冥王星は2023年4月にノードに対して不利でハードでスクエアなアスペクトを形成しました。
この冥王星とノードの90度(スクエア)のアスペクトが、金融メディアの間で経済減速に関する話題を盛んにさせる要因となったのです。
ところが、2023年5月28日になると、木星がノードと接合(0度・コンジャンクション)を形成し、ニューヨークダウなどの株式市場では、過度な景気後退の懸念が少し和らいでいきます。(大きな痛みを伴うハードランディングから悪影響の少ないソフトランディングへの期待感)
そして、2023年末になると、冥王星はノードとの結合から遠ざかり、景気後退の懸念が払拭される機運が高まっていきます。(悪影響の少ないソフトランディングから悪影響がほとんどないノーランディングへの期待感)
実際のところ、2023年10月下旬には、アナリストや金融メディアによる景気後退に関する話題がすっかり減少しました。
2023年にハードランディングと景気後退を予測していた悲観論者らは、その考えを2024年後半に先送りしたのです。
2024年6月までアメリカ株式市場は好調だが特に8月から注意が必要
占星術を知らない悲観論者が気付いていないのは、2024年7月までは、ノードにとって土星や冥王星の不利な側面は存在せず、木星の有利なサポートを受けているということです。
ながらくデフレで苦しんでいた日本においても、代表的な株式指数である日経平均株価は、2月下旬から3月上旬にかけて34年ぶりの新高値を記録し終値で4万円の大台を突破ました。
多くの日本人がこの事実を信じられないことだと思っています。海外からの訪日観光客が戻ってきただけでなく、円安による輸出企業の恩恵、新たな半導体需要、生成AIへの莫大な投資、宇宙関連ビジネスへの注力など、日本にとって好材料が揃いつつあります。
そこに加えて、4月21日には木星と天王星が0度(コンジャンクション)のアスペクトを形成します。
金融市場にとって、天王星は興奮と長期新高値への突破を象意します。
木星は豊かさの拡大・発展、楽観主義、誇張を象意します。
木星と天王星の良好なアスペクトには、金融市場で過去最高値を更新してきたという歴史があります。
木星と土星の接合と同じく、正確なアスペクトの数か月前に、あるいはその後の数か月間に渡って続くことがあります。
木星と天王星の0度(コンジャンクション)は、すでにその強い推進力を新たな最高値に向けて発揮しています。
基本的には、木星と天王星の接合は、好景気を意味し、技術革新をもたらします。
2024年の生成AIブームはその象徴と言えるでしょう。2024年2月、Wall Street Journal 紙は、OpenAI のサム・アルトマンCEO が最大で7兆ドル(約1050兆円)の超大型資金調達を計画していると報じましたた。日本のソフトバンクの孫正義CEOも15兆円でAI向けの半導体工場を設立すると発表しています。
木星は2025年半ばまで情報通信分野と関連が深い双子座に在住するため、こうした新技術の導入によって活発な設備投資が行われるでしょう。
しかし、2024年8月~2024年12月にかけて、トランジット木星とトランジット土星が90度の凶角となり、企業の倒産や不動産部門の痛手の噴出など、不景気の機運が高まる懸念もあります。
また、ノードは 2025年1月29日に、牡羊座の0度(春分点)から魚座のサインに入ります。
物質世界の全てが消えていき、全てが生まれ出るポイントの春分点のノード
0度(春分点)のノードは非常に大きな影響力を持っています。なぜなら、そこで物質世界の全てが消えていくポイントで(魚座30度)あり、同時に物質世界の全てが生まれ出るポイント(牡羊座0度)でもあるからです。
この時期は、アメリカの債務上限問題が大統領就任式と日程がほぼ同じタイミングで再び発生することになり、この問題に対する議論や対応が注目されます。
そのため、価値観の分断が進んでいるアメリカにおいて、誰が大統領になるのか、大統領がどう舵取りをするのかによって国家の運営がまとまらない懸念が生じるでしょう。
現にトランプ大統領候補は防衛費を相応に負担しないNATO加盟国は守らないとか、ロシアとウクライナの戦争をすぐに止めさせると発言しており、強引なまとめ方をすると、とんでもない民主主義の危機に陥る可能性があります。
アメリカ国内でも、人気歌手のテイラー・スウィフトさんが、共和党候補のトランプ氏を嫌っており、Z世代の象徴的存在として注目を集めています。国内の分断と対立は既に壊滅的であり、民主党支持者と共和党支持者は相容れない立場にあります。
民主主義の危機は、自由経済を根幹とする資本主義の危機につながります。それはすなわち金融市場の崩壊を招く引き金にもなりかねません。
たとえそこまでいかなくても、2025年6月は金融経済にとって試練の時期が訪れます。
少なくとも短期的には、トランジット木星とトランジット土星が90度の凶角。トランジット木星とトランジット海王星が90度の凶角であるため、金融市場から資本流出が起こったり、大きな株価下落と為替の変動が起こるでしょう。
その時期から約1年後、次の星座は水瓶座であることから、18ヶ月後には経済及び金融にとって天底となるサイクルが徐々に近くなっていることを意味します。
2026年8月1日に、ノードは水瓶座に到達し、18.6年サイクルの終わりを完全に迎えます。
この時期、木星(金融資本)は冥王星(破壊と変容)と180度であり、天王星とノードが90度(スクエア)であるため、金融市場にとっては逆風が吹き荒れている可能性があります。
ニューヨーク証券取引所の出生図の太陽と金星とトランジット惑星の関係を見ても、明らかに2026年の2月~6月にそれぞれが凶星によって傷つけられており、既に下落基調のトレンドが出ているでしょう。
そこに追い打ちをかけるように8月以降にノードが水瓶座に入ることになります。
トランジット惑星を中心に見ますと、火星と木星が0度(コンジャンクション)で極めて投機的な性質を持っており、その2惑星が水瓶座24度のノードと180度(オポジション)を形成する11月下旬にはほぼ確実に大ダメージを被ると予想されます。
そのため、2026年11月下旬から2027年にかけて再び金融危機が発生しても驚くには値しません。
3000年周期のサイクル 春分点での土星と海王星のコンジャンクションがやってくる
また、2025年7月は牡羊座の1度~2度、2026年2月は牡羊座の0度【ピッタリ誤差なし!】という初期の度数において、土星と海王星が0度(コンジャンクション)を形成します。
つまり、2025年7月~2026年2月にかけて、占星術の中でもとりわけ重要な、黄道12星座全体の最初の一点において、何らかの形で地球規模の大きなイベントが発生する可能性が高いのです。
土星と海王星は 36年ごとに接合しますが、春分点でこのアスペクトが形成されたのは、歴史を振り返っても紀元前4361年と紀元前1742年だけでした。
つまり、極めて稀な3000年周期のサイクルに、私達人類は立ち会うことになるわけです。
土星と海王星の0度は社会構造の崩壊と解体し、新しい価値観の始まりをもたらす
土星(現実)と海王星(理想)のアスペクトは、社会主義と共産主義という政治的イデオロギーにも関連しています。
なぜなら、1846年~1847年にかけて、土星と海王星は0度(コンジャンクション)を形成しており、この時期に、マルクスとエンゲルスはブリュッセルでブリュッセル共産主義通信委員会を結成し、二人は「共産党宣言(共産主義者宣言)」の著書を出版(1948年2月)したからです。
ということは、新しい社会主義あるいは共産主義への挑戦に取り組む人々が多数出てくるのかもしれません。
アメリカでは2016年の大統領選挙において、格差の是正を求める熱狂的な若者の支持を受けたバーニーサンダース氏が民主党の候補者として最後まで残りました。
彼は、社会民主主義を提唱し、富裕層への増税や国民皆保険、公立大学の無償化などの実現を主張してきました。
※社会民主主義とは、独裁の社会主義を否定し、平和的・漸進的に社会変革や労働者の利益を図る改良的な思想のことです。
ひょっとすると、実体経済に比べてマネー経済が膨らみ過ぎた資本主義は、終焉の時期を迎えようとしているのかもしれません。
それが2025年7月~2026年2月の土星と海王星の配置によって示唆されている可能性があります。
2025年から36年前に遡ると、1989年になります。この年の12月29日、日本では株式のバブル絶頂期を迎え、日経平均株価は3万8957円の最高値をつけました。
ところが、1990年~1991年は公定歩合引き上げや総量規制など金融政策の変更でバブル崩壊を迎えることになります。
そこから日本経済の「失われた30年」が始まったのです。
ということは、この2025年7月~2026年2月の期間に株式市場はピークを迎え、その後に大きなバブル崩壊が待ち受けているシナリオも考えられます。
グレートリセットと数百年あるいは数千年に一度の社会変革
2021年1月のスイスのダボス会議(世界経済フォーラム:世界の政治や経済のリーダー達が世界的規模の課題を話し合う会議)では、「グレートリセット」が主要テーマとなりました。
面白いのは、グレートリセットが「新世界秩序・New World Oder」と結びつけて考えられることです。
2020年12月の木星と土星の0度(コンジャンクション)は水瓶座の0度で起こりました。
水瓶座は風の星座であり、今までの水の時代から風の時代への移行がスタートしたと言われています。
水瓶座0度で木星と土星が接合するのは、約240年ぶりのことです。
そのため、古い枠組みの価値観や社会制度が次第に機能不全となり、消滅していく代わりに、新しい枠組みの価値観や社会制度がスタートしていくのは間違いありません。
この時、木星は冥王星とも接合することで権力の集中も意味しています。
サビアンシンボルの水瓶座0度(山羊座30度)は、「世界的な事件に関する、決定と責任を持つ男たちの秘密会議」です。
その内容は、「世界的な事件に対して、組織や集団の頂点に位置する権力者達の秘密会議を行う。その討論の後に決定的な責任と選択を引き受ける」「社会生活上の岐路にたつ重大な決断をしなければならない」です。
大きな権力を持つダボス会議の出席者は、一体、何をリセットして、次なる社会のステージを目指そうと試みているのでしょうか?
脱炭素の推進で地球温暖化や気候変動を食い止めること?
80億人を超えた人類の持続可能性に対する型破りなアプローチ?
さらに加速するデジタル化によって行動パターンを監視すること?
それとも社会システムの再構築と新たなルールと価値観に基づく貨幣経済?
いずれにせよ、正確に木星と土星の0度(コンジャンクション)が形成されたのと同じ時期に「グレートリセット」がテーマとなったのは、やはり数百年に一度あるいは数千年に一度の社会変革と深い関係がありそうです。
木星・土星・天王星・ノード 複雑に絡み合う 様々な惑星の周期的な影響
2025年7月には天王星(発明発見・革命性と斬新さ)と冥王星(破壊と創造)が120度(トライン)の吉角を形成するため、過去の経験を拠り所とする思考回路では思いもよらない形でスムーズに変化を受け入れる人々が増える可能性があります。
とはいえ、惑星の周期的な影響を考えると、社会秩序の安定性の観点では順風満帆とはいかない模様です。
それは、2026年に天王星が双子座に在住し、ノードに対して90度の凶角を形成するためです。
この天体の配置は、経済状況が悪化することや、戦争のさらなる拡大の可能性についても警告しています。
先述した土星と海王星の接合も、ネガティブな形で現象化するとほとんど同じ意味になってきます。
アメリカの1776年の出生図ホロスコープでは、天王星が双子座にあります。
2027年半ばまでに、天王星は双子座の8度で1776年の出生図の天王星の配置を正確に通過します。(トランジット天王星が出生図の天王星と接合する)
天王星は黄道12宮を一周するのに84年かかります。
2027年という未来から振り返ると、この天王星の84年サイクルは過去の第二次世界大戦、南北戦争、独立戦争と一致することになります。
直近の世界的な地政学的状況として、2023年10月にイスラエルでガザ地区の紛争が勃発しました。
この時、天空上の火星は冥王星と正確に90度のスクエアの凶角を形成しています。
大規模なテロを起こしたハマスに対して、イランが関与し、支援していたように、2027年の大惨事の種はすでに蒔かれている可能性があります。
2024年~2026年にかけて激動するアメリカ経済と世界情勢の未来予測
以上のことを踏まえて、次のようにまとめることが出来ます。
ポジティブな要素
2024年中頃まで、アメリカの実態経済は概して回復力を維持する傾向にある
2024年4月に木星0度天王星、5月に木星60度海王星・木星120度冥王星の吉角を形成し、金融市場に非常に好ましい影響を与える
2025年7月~2026年2月、天王星と冥王星が120度の吉角を形成し、春分点で土星と海王星が接合するため、新しい文明の始まりという3000年周期の大きな変革が起こるチャンスがある
現代社会は政治・経済・軍事・学問・文化などでアメリカが主導権を握っているため、アメリカと友好関係にある他の国々も同様の影響を受けやすい
ネガティブな要素
2024年8月と2024年12月にトランジット木星とトランジット土星が90度の凶角となり、不景気の機運が高まる懸念がある。
18.6年サイクルの観点では、2024年3月時点でノードが牡羊座17度にあり、2025年1月29日に牡羊座0度を通過することから経済活動は減速軌道にあることを示唆している
→2025年1月は、アメリカ新大統領就任と債務上限問題の期限が重なる・選挙結果によっては大波乱が起こり得る。
2025年6月、トランジット木星とトランジット土星が90度の凶角・トランジット木星とトランジット海王星が90度の凶角となり、金融市場から資本流出が起こったり、大きな株価下落と為替の変動を示唆している
2025年7月~2026年2月にかけて土星と海王星が接合するが、過去の歴史の経験則では世界的な経済的ダメージが発生し、大きな戦争や災害などの社会秩序の混乱が生じる可能性がある
2026年2月~2026年8月の間にアメリカ株式市場で明らかな下落トレンドが起こるのは間違いない
本格的な金融危機は遅くとも2026年11月下旬から2027年初めにかけて起こる可能性が高い
BRICSとグロバーバルサウスの台頭で世界の勢力図が変わってくる可能性がある