金融占星術では市場における取引開始日を起点としてホロスコープを見ていきます。
今回は2024年におけるドル円以外の主要通貨について述べてみたいと思います。
英国ポンドの占星術チャート
英国ポンドの外国為替先物取引(為替フューチャー)は、1972年5月16日にシカゴマーカンタイル取引所で取引を開始しました。
(ポンドの先物取引開始日)
興味深いのは、火星が木星の180度反対側にあるということです。
これは、火星と木星が通貨の価格変動に関与している可能性があることを示唆しています。
ポンドのボラティリティ(価格変動の幅)の大きさは有名です。
また、火星は金星と0度で結合しており、良くも悪くも流行的な社会的テーマに連動しやすい周期的な関係を示唆しています。
金融占星術では、天文暦(エフェメリス)を通じて、毎月の周期で月が通過する時刻を特に重視します。
ポンドのチャートでは、
出生図の太陽は牡牛座25度
出生図の冥王星は乙女座29度
出生図のノードは山羊座29度
アセンダントは蟹座、ミッドヘブンは魚座にあります。
これらの感受点を現在運行中のトランジット惑星が通過する時、通貨にトレンドが発生しやすくなります。
加えて、トランジット惑星の太陽と火星が太陽・冥王星・ノードで形成される大三角形(120度で囲まれたグランドトライン)を通過する時期は全て、注意深く精査する価値があります。
1992年9月、英国はポンド危機と呼ばれるヘッジファンドなどの投機筋にるポンドの空売りを大きく浴びせられました。
(1992年9月16日ポンド危機)
9月16日には、イングランド銀行がポンド買いの為替介入を行いましたが、それでもポンドの空売りは止まらず、さらに価格が下落する事態となりました。
こうした通貨ポンドの大波乱は、「ブラック・ウェンズデー(暗黒の水曜日)」と呼ばれています。
占星術で見ると、出生図のキロン(心の傷・トラウマ)と天王星(突発的な出来事)に対して、トランジット惑星の天王星と海王星が90度のスクエアを形成しています。
その一方で、出生図の太陽にトランジット惑星の木星が120度のトラインを形成しており、最終的には悪い結果とはならなかったのです。この一連の出来事によって、英国は金融緩和政策を断行し、海外への輸出が大幅に増え、家計部門の消費が大きく伸びる原動力となりました。
英国の経済が好転したことを受けて9月16日を「ホワイト・ウェンズデー(白い水曜日)と呼ぶ経済学者もいます。
(2016年6月24日:EU離脱を英国首相が表明)
英国は、欧州連合(EU)からの離脱か残留かを問う歴史的な英国民投票が2016年6月23日に行われ、離脱が52%の支持を得たことで、離脱が確実となりました。
その結果を受けてキャメロン首相は24日朝、辞意を表明しました。
この時のポンドの出生図を占星術の観点から見ていきます。
今後の方向性を示すミッドヘブンにトランジット惑星の土星が90度のスクエアを形成し、さらにミッドヘブンには海王星が0度でコンジャンクションしています。
このことは、今までとは違う方向へと急旋回し、尚且つ曖昧で混沌とした展開になっていくことを意味します。
さらにトランジット惑星の太陽が出生図の金星と火星と0度のコンジャンクションであり、その反対側の木星と180度のオポジションを形成しています。
加えて、この時期はちょうど火星の逆行期でもありました。まさに思いがけないトラブルに巻き込まれる象意となっています。
(2016年6月24日からのポンド価格チャート)
この日を起点にして、ポンドの投機的で価格変化の激しさが、この局面で一気に火を噴いて大幅下落する形となりました。
【2024年】トランジット惑星が出生図の感受点を通過する重要なタイミング
トランジット惑星の太陽は、1月19日に山羊座29度、3月16日に魚座26度、5月15日に牡牛座25度、7月7日に蟹座16度、9月21日に乙女座29度を通過します。
トランジット惑星の火星は、2月12日に山羊座29度、4月25日に魚座26度、7月13日に牡牛座座25度、10月3日に蟹座16度を通過します。
水星逆行
為替トレーダーは、水星逆行の影響によるカナダドルと英国ポンドのトレンド変化に上手く対応するため、細心の注意を払う必要があります。
2024年の水星逆行は以下の通りです。
4月1日から4月24日まで逆行
8月5日から8月27日まで逆行
11月26日から12月14日まで逆行
2024年の月・金星・火星の赤緯から英国ポンドのトレンド転換を読み解く
1972年の最初の取引日では、火星の赤緯は+22 度、金星の赤緯は -11 度で、月は赤緯極大にありました。
英国ポンドの価格チャートにおいて、これらの惑星の赤緯(天体が天の赤道から北または南にどれだけ離れているかの角度)とそれぞれの通貨の高値と安値の周期には、強い相関関係があります。
2024年の金星は、1月19日前後、4月7日前後、8月29日前後、11月16日前後の数日間、出生図チャートとの関係が偏角(地図の北と方位磁石が指す北にズレが生じる)になります。
2024年の火星は8月30日前後の数日間、出生図チャートとの関係が偏角になります。
2024年の月の赤緯が極大になるのは、1月23日、2月19日、3月18日、4月13日、5月11日、6月7日、7月5日、8月1日、8月28日、9月24日、10月21日、11月18日、12月1日です。
欧州通貨であるユーロの占星術チャート
ユーロは、ユーロ紙幣が自由かつ広く流通するようになった2002年1月1日に欧州連合の公式通貨となりました。
(ユーロ通貨の金融市場における取引開始日)
2002年1月1日の出生図では、山羊座のアセンダントと蠍座のミッドヘブン、魚座17度の火星が小さな三角形のパターンを形成しています。
さらに、海王星(水瓶座7度)、土星(双子座9度)、月(獅子座6度)が別の三角形パターンを形成しています。
トランジット惑星の太陽と火星がこれらの三角形の感受点を通過し、アセンダントやミッドヘブンを通過する時期は全て、注意深く精査する価値があります。
2009年秋頃に明るみになったユーロ危機は、その後2010年のギリシャショック、PIGS問題として2012年まで続きました。
これらは「ソブリン・リスク」と呼ばれ、ポルトガル・アイルランド・イタリア・ギリシャ・スペインといった国々の財政悪化が世界経済を震撼させる事態をもたらしました。
ホロスコープ上において、2009年~2012年は出生図上で近距離にあるキロン・金星・太陽にトランジット冥王星が0度(コンジャンクション)を形成する配置で上記の時期と重なっています。
(2009年の一年間の運勢図:冥王星0度キロン)
金星はお金や豊かさの象徴であり、ユーロ圏に破壊と再生をもたらすような出来事となりました。
出生図の金星と太陽に対してトランジット冥王星が遠ざかるにつれて、悪影響は弱まっていきました。具体的には2013年12月にアイルランド、2014年1月にスペイン、2014年5月にポルトガルが「EUとIMF」による金融支援から脱却しています。
しかし、完全にギリシャの債務不履行問題が終わるのは、2017年6月に追加融資が決まるまでの非常に長い期間に渡ります。
【2024年】トランジット惑星が出生図の感受点を通過する重要なタイミング
トランジット惑星の太陽は、1月8日に出生図のアセンダント(山羊座18度)を通過します。
出生図の海王星(水瓶座7度)は1月27日、火星(魚座17度)は3月7日、土星(双子座9度)は5月30日、月(獅子座6度)は7月27日、ミッドヘブン(蠍座23度)は11月13日に通過します。
トランジット惑星の火星は、1月29日にアセンダント(山羊座18度)、2月22日に海王星(水瓶座7度)、4月14日に火星(魚座17座)、8月3 日に土星(双子座9度)、11月23日に月(獅子座6度)を通過します。
2024年の月・金星・火星の赤緯から欧州通貨ユーロのトレンド転換を読み解く
2002年のユーロの最初の取引日では、火星の赤緯は+22 度、金星の赤緯は-11 度で、月は赤緯極大にありました。
欧州通貨ユーロの価格チャートにおいて、これらの惑星の赤緯(天体が天の赤道から北または南にどれだけ離れているかの角度)とユーロの高値と安値の周期には、強い相関関係があります。
2024年の金星は、2 月26日前後と10月8日前後の数日間、出生図チャートの赤緯の位置にあります。
2024年の火星は、7月20日前後の数日間、出生図チャートの赤緯の位置にあります。
2024年の月の赤緯が極大になるのは、1月23日、2月19日、3月18日、4月13日、5月11日、6月7日、7月5日、8月1日、8月28日、9月24日、10月21日、11月18日、12月16日です。
為替トレーダーは、水星逆行の影響によるユーロののトレンド変化に上手く対応するため、細心の注意を払う必要があります。
2024年の水星逆行は以下の通りです。
4月1日から4月24日まで逆行
8月5日から8月27日まで逆行
11月26日から12月14日まで逆行
オーストラリアドルの占星術チャート
オーストラリアドルの外国為替先物取引(為替フューチャー)は、1987年1月13日にシカゴマーカンタイル取引所で取引を開始しました。
(オーストラリアドルの先物取引開始日)
出生図では、海王星(山羊座6度)、火星(牡羊座3度)、月(蟹座6度)が直角三角形のパターンを形成します。
トランジット惑星の太陽と火星が直角三角形などの感受点を通過する時期は全て、注意深く精査する価値があります。
また、水瓶座25度と射手座11度も、アメリカのシカゴ取引所と現地のオーストラリアをつなぐ大切なポイントとなります。
トランジット惑星の太陽と火星がこれらの三角形の感受点と水瓶座25度と射手座11度を通過する時期は全て、注意深く精査する価値があります。
【2024年】トランジット惑星が出生図の感受点を通過する重要なタイミング
トランジット惑星の太陽は年初に出生図の海王星(山羊座6度)を通過し、2月14日に水瓶座25度を通過しました。
さらに、3月23日に火星(牡羊座3度)、6月27日に月(蟹座6度)、12月2日に土星(射手座16度)を通過します。
トランジット惑星の火星は1月13日に海王星(山羊座 6度)を通過します。その後、3月16日に水瓶座 25度、5月5日に火星(牡羊座3度)、9月15日に月(蟹座6度)を通過します。
2024年の月・金星・火星の赤緯から欧州通貨ユーロのトレンド転換を読み解く
1987年1月13日ののオーストラリアドルの最初の取引日では、金星は赤緯+12度、火星は赤緯+15度でした。 月は極大赤緯でした。
オーストラリアドルの価格チャートにおいて、これらの惑星の赤緯と通貨の高値と安値の周期には、強い相関関係があります。
2024年の金星は、5月12日前後、7月25日前後、12月22日前後の数日間、出生図チャートの赤緯の位置にあります。
2024年の火星は、8月23日前後の数日間、出生図チャートの赤緯の位置にあります。
2024年の月の赤緯が極大になるのは、1月23日、2月19日、3月18日、4月13日、5月11日、6月7日、7月5日、8月1日、8月28日、9月24日、10月21日、11月18日、12月16日です。
水星逆行
為替トレーダーは、水星逆行の影響によるオーストラリアドルのトレンド変化に上手く対応するため、細心の注意を払う必要があります。
2024年の水星逆行は以下の通りです。
4月1日から4月24日まで逆行
8月5日から8月27日まで逆行
11月26日から12月14日まで逆行