2018年は、大阪北部地震だけでなく、物凄い勢力の台風21号が関西全域を襲い、甚大な被害を受けました。大阪にとって、地震の被害としては1995年の阪神淡路大震災以来、台風の被害としては1961年9月の第2室戸台風以来の大きさでした。
しかし、6月~7月にかけて衆参両院の本会議でIR法案が可決され、11月には大阪万博の誘致に成功しました。
気候変動および地球温暖化に伴う自然災害の大きさは、年々、深刻になってきています。
2025年開催の大阪万博では、減災・防災のパビリオンも行われるべきだと考えています。
実際に、大阪府・大阪市でも、そのような動きがある模様です。
そればかりか、この大阪万博誘致の成功の裏には、自然災害に対する復旧スピードの速さをアピールしたという背景もあるのです。
9月4日の台風21号襲来によって、関西国際空港の連絡橋にタンカーがぶつかり、一本しかない交通インフラが破損して使えなくなりました。完全復旧の目処が立たないという専門家の指摘を覆し、航空便はわずか17日後の9月21日に再開され、鉄道はわずか2週間で通常通りに運行が再開されています。
こうして関西国際空港は全面復旧となったことを、動画を通じて全世界に向けて正々堂々と発信していたのです。
まさに、「安心と安全を提供できる日本」という国力の素晴らしさが、大阪万博の決め手になったといっても過言ではありません。
目次
1970年の大阪万博で大阪の都市開発が本格化し、交通インフラが整備された
実は、大阪の都市開発は1970年の大阪万博(国際博覧会)が起爆剤になっています。特に都市部の交通網が著しく整備されたという経緯があります。
(出典:毎日新聞)
例えば、大阪万博会場へのアクセスのために、大阪市営地下鉄(現:大阪メトロ)御堂筋線の接続として江坂駅~千里中央まで伸びる北大阪急行電鉄の建設が決まりました。
2025年の大阪万博も55年前と同じく、交通インフラや都市開発が加速する原動力となりそうです。
大阪府吹田市の万博記念公園では、太陽の塔に「銀河の輝き」をテーマにした「祝 2025万博決定」の文字が浮かび上がり、誘致決定を祝うイルミネーションが投影されています。
大阪市は湾岸開発で5兆円を超える財政非常事態 生活保護世帯は全国第1位という貧困ぶり
ところが、大阪市は非常に苦い経験を味わっていました、1980年代のバブル期に打ち出した湾岸開発における建設・不動産関連の大規模投資が1990年代に入って相次いで含み損を抱え、市債発行残高が5兆円を超えて財政非常事態宣言を出すまでに追い込まれたのです。
これは、文字通り、土地神話を信望していた証拠であり、財政のリスク管理を怠っていた結果でもあります。
そんな状態がずっと続いていたのですから、単独で大阪経済が容易に復活する訳はありません。
株式や不動産といった保有する資産価格の下落(資産デフレ)は、含み損の発生によって、企業の投資意欲や家計の消費が抑制されることになります。この現象は、大阪市の地方自治体にとっても財政赤字の拡大という形で現れるため、全く同じことです。
バブル崩壊→地価や株価の大幅な下落(資産デフレ)→民間の投資と消費が減少→景気回復や経済成長ののブレーキ→大阪市の税収が低調→大阪市の財政赤字拡大→大阪市の予算編成が十分にできなくなる→人員削減と給与・退職金のカット
という悪循環に陥るからです。
2017年の市税収入は7164 億円 (対前年度230 億円アップ)でしたが、22年前のピーク時と比べると実質ベースで1028億円ダウンしています。
また、市税の内訳は、個人市民税が27%、法人市民税が18%となっており、固定資産税と都市計画税が50%近くに達しているため、税収ベースで見ると、個人消費や法人所得が良好だとは決して言えません。
(※固定資産税とは、大阪市内に土地や建物、事業に使う機械などを持っている人、会社に対して課税される税金のことです。)
(※都市計画税とは、大阪市内に土地や建物を持っている人、会社に対して課税される税金のことです。公園、下水道、街路などの整備費用に使われます。)
確かに大阪市は、近畿地方および西日本の行政・経済・文化・交通の中心都市であり、2016年度の市内総生産は約20兆円で、従業者数、事業所数、上場企業本社数は国内第2位の立場にあります。
しかし、それとは裏腹に、生活保護受給者数は全国で最も多く、1000人中で33.5人、21万5290世帯(29万6977人)が生活保護を受けているという衝撃の事実が同時に存在しているのです。
大阪市の生活保護率が高い主な原因としては、
1.失業率が高い(労働力調査 都道府県別結果)
2.離婚率が高い(人口動態総覧 都道府県別)
3.単身高齢者世帯が多い(国勢調査基本集計より算出)
4.あいりん地域で日雇労働者の高齢化が進んでいる
が挙げられます。
大阪市の生活保護費は年間3146億円とされており、2017年の市税収入である7164 億円を元に試算すると、44%にも達します。
確かに生活保護費は、国庫負担や交付税措置によってほぼ全額を国が負担するため、市税への影響はかなり軽減されています。
しかし、経済的な困窮度の高さと子供の学力低迷は密接に関係していることは明らかとなっており、大阪市は全国平均だけでなく、大阪府の平均よりも低い学習理解度や成績が問題となっています。学用品費を支給される「就学援助」を受けている小中学生は4人に1人の25.7%と増加し続けています。
こうした親から子供につながる貧困の連鎖も大きな課題して浮上しています。
貧困の連鎖を断ち切るためには、大阪の経済活性化こそが最初の第一歩となるのです。
2013年以降、中国人をはじめとする訪日外国人の増加によって、大阪のミナミや通天閣は活気を取り戻しています。
ところが、まだまだ一般市民が十分に潤う状況にはなっていません。
アベノミクスの恩恵を最大限に受けて、優良な上場企業の多くが過去最高益を更新し、賃金やボーナスが上昇傾向にある東京とは全く違います。
大阪経済が伸び悩んでいる背景には、資産デフレに絡む大阪市行政の過去の失敗が大きく立ちはだかっているのです。
大阪が官民を上げてカジノIRや大阪万博の誘致に懸命だったのは、再生不能の負の遺産に落ちぶれてしまった夢洲の有効活用策が最大の目的です。
2014年、松井一郎・大阪府知事と橋下徹・大阪市長がが連携して、夢洲を大阪万博とカジノIRの候補地に推し進めたことが最初の第一歩でした。
そのまま夢洲を負の遺産として放置するか、誘致活動のコストをかけて再生&活用していくかの「究極の選択」に対して、この二人のコンビは誘致を成功させることで再生&活用するという選択を行ったのです。
舞洲・夢洲・咲洲の湾岸開発は巨額の負債を抱える無駄な公共事業となった
大阪湾淀川河口には3つの人工島があります。それぞれ北東の舞洲(まいしま)、南西の夢洲(ゆめしま)、南東の湾岸沿いにある咲洲(さきしま)と呼ばれています。
※舞州と夢洲は大阪府大阪市此花区、咲洲は大阪府大阪市住之江区にあります。
(出典:大阪市)
これら3つの人工島は、バブル全盛期の1988年に「テクノポート大阪」として計画され、順次埋め立て造成が行われてきました。
バブルの勢いで多額の資金を投入し、豪華絢爛な建築物が目立っていた舞洲
舞洲は、1992年に埋め立て工事が完成しました。世界的芸術家を起用した焼却場や下水汚泥処理場、世界初の浮体可動橋夢舞大橋など、それぞれ約600〜800億円を投入した建築物の豪華さ際立っていました。
ところが、こうした設備の有効活用ができず、広大な空き地にペンペン草が生い茂る状態が続いたため、大阪市民からは「無駄な公共投資」として大きな反感を買い続けてきました。
しかし、最近になって、ようやく本格的なスポーツの拠点に生まれ変わろうとしつつあります。
現時点では、東側半分に物流施設やごみ焼却場、下水汚泥処理場が置かれています。また、西側がスポーツ・レクリエーションのエリアとなっています。
(出典:大阪ベイエリア)
2017年春から3つのプロスポーツチーム(オリックス・バファローズ、セレッソ大阪、大阪エヴェッサ)と大阪市が、舞洲の活性化を図る目的で、「舞洲プロジェクト」を開始し、競技分野の枠組みを超えたスポーツ事業のイベントを開催しています。
こうした努力のおかげで、舞洲はようやく本格的なスポーツの拠点に生まれ変わろうとしている最中にあります。
2008年五輪誘致に失敗した夢洲は手付かずの空き地が大多数を占める
夢洲の半分は未開の地で。西側にメガソーラー施設、東側にコンテナターミナルがあるだけで、それ以外は、ほとんど空き地の状態となっていました。2008年のオリンピック開催で選手村にする予定でしたが、誘致できずに失敗に終わっています。
(出典:毎日新聞)
大阪万博の開催による再開発で、これからが汚名返上の正念場を迎えます。
大阪ベイエリア衰退のシンボルとなった咲洲に大阪府咲洲庁舎が移転
③南東の咲洲は、市営地下鉄中央線とニュートラムが終着駅として接続するコスモスクエア駅があります。
(出典:日本タクシー北港バス)
バブル期に大型施設を建設しましたが、その多くが経営に行き詰まり、大阪市に多額の負債を残しました。その中には、橋下大阪府知事が主導して移転計画を進めた高層ビルの大阪府咲洲庁舎(旧称:大阪ワールドトレードセンタービルディング・WTC)があります。この高層ビルは2003年~209年にかけて2度破綻しており、会社更生法申請やその認可を受けて、大阪府に所有権が移転された歴史を持っています。
(出典:大阪市)
2017年、市議会で咲洲の建築制限を緩和する条例が改正され、施行されています。これは、ホテルやマンションの建築を条件付きで認めることで、訪日外国人観光客の急増に伴って不足している宿泊施設を確保するという対応策です。
現在も、咲洲はペンペン草が生い茂る遊休地が広がっており、大阪市はホテルやマンションの誘致を通して一気に開発を進めたい意向です。
(出典:ハイアットリージェンシー)
このように、3つの人工島である夢洲・舞洲・咲洲は、長い間、大阪府・大阪市の大失政による「負の遺産」の象徴として大きな非難を浴びていたのです。
大阪の大失政という経験値が、関西全域を巻き込む経済圏の構築に寄与する
2025年の開催が決まった大阪万博では、大阪市湾岸部の人工島「夢洲」を会場にすることが決まっています。
大阪府の松井一郎知事は、「万博公園も関連エリアとして位置づけたい」と語り、1970年の大阪万博の会場跡地・万博記念公園(大阪府吹田市)を関連会場として活用し、公園内の「太陽の塔」を世界遺産登録に目指す方針を表明しました。
さらに、関西各地でサテライト会場の設置が検討されており、井戸敏三・兵庫県知事は「医療産業都市で街づくりを進める神戸市にもサテライト会場を作ってもらいたい」と意欲を示しています。
夢洲から神戸市のポートアイランド・六甲アイランドまでは直線距離であれば非常に近く、久元喜造・神戸市長は、神戸空港と海路で結ぶ構想を企画したことに「一番現実的で刺激的なアイデア」と賛同しています。
台風21号の影響で、タンカーが連絡橋にぶつかり、関西国際空港の交通インフラの脆弱さが明るみになったことも受けて、井戸敏三知事は、神戸空港・伊丹空港(大阪)の国際線就航を検討すべき課題とし、関西3空港の在り方を議論することは避けて通れないとコメントしています。
大阪府・大阪市にとって、2024年のカジノを含む統合型リゾート(IR)設置と2025年の大阪万博開催は、一つでセットの両輪と位置づけており、交通面における夢洲のインフラ開発が喫緊の課題として認識しています。
関西全域を巻き込む経済圏は鉄道の延伸による交通手段の整備から始まる
カジノIRや大阪万博といった大型イベントを開催するためには、大阪都心部からの交通手段の改善が必要な状況にあります。
現在、人工島・夢洲へのアクセスは、トンネルと橋による道路のみであり、公共交通はバスしかありません。今後、必要となる公共インフラ整備は、地下鉄の延伸と橋梁の拡幅です。
大阪府・大阪市は、万博開催前の2024年度までに鉄道を整備する計画で、大阪メトロ中央線の「コスモスクエア駅~夢洲」までの約3kmを延伸して、新駅を開業させる予定です。
(出典:マイナビニュース)
2008年の大阪オリンピック誘致を目指していましたが、それに失敗したため、鉄道用のトンネルは、残り1kmまで掘り進めたまま、工事はストップしていました。(すでに450億円投下)
大阪市は、残り1kmの掘削や新駅の整備に約540億円かかると試算しています。
そこで、吉村洋文・大阪市長は、カジノIRの事業者の選定の条件として、地下鉄の延伸費用200億円の負担を加える方針を固めました。
このコスト負担は、IR事業者(地域事業者+海外IR事業者のコンソーシアムが基本形)にとて、十分な許容範囲と判断しています。
IR事業者が投資可能な総額は、予想年間キャッシュフローの7倍程を目安と見込んでおり、夢洲のカジノIRではその金額を約1兆円と想定しています。
大阪メトロ中央線の夢洲への延伸計画は、カジノIRが開業する2024年を目処に完成させる予定です。
(※コンソーシアムとは、共同で何らかの目的に沿った活動を行ったり、共通の目標に向かって資源を蓄える目的で結成された事業体を意味します。)
(※キャッシュフローとは、現金の流れ、ビジネスによる収益から必要経費を差し引いて手元に残る資金の流れを意味します。)
加えて、第二の夢洲へのアクセス路線として注目を浴びているのが、JRゆめ咲線(桜島線)の夢洲までの延伸計画です。
(出典:JR西日本グループ中期経営計画2022)
JR西日本グループでは、中期経営計画2022において、なにわ筋線の整備と並行して、JRゆめ咲線の桜島駅~新桜島駅(仮称)~夢洲間の延伸整備を計画しています。
もし、2025年の大阪万博にその区間の延伸が合わなかったとしても、大阪万博が開催された後の夢洲には、カジノIRによって集客が見込める可能性が高いからです。
慎重に延伸計画を進めた場合、カジノIRの成功を見込める段階で、整備を進めていくことも考えられます。
JR西日本の延伸整備が順調に進めば、2024年に完成予定の大阪メトロ中央線の夢洲駅と乗り換えが可能となります。
新桜島駅となるエリアの場所は、現在は工業地帯が中心で、物流倉庫や工業施設が立ち並んでいますが、JRゆめ咲線(桜島線)の延伸が実現すれば、夢洲駅だけでなく、ユニバーサルスタジオジャパン(USJ)に近い立地を生かしたホテルやリゾート施設の開発へ向けた期待が高まっています。
また、舞洲駅という新駅を人工島・舞洲に整備する予定もあり、夢洲への途中駅となります。
人工島・舞洲は、徐々に一般人の来客も増えてきており、既に公園・レジャー施設やスポーツ競技場があります。そのため、他地域の様々な施設へのアクセス駅としても重宝されそうです。
具体的には、おおきにアリーナ舞洲や舞洲スポーツアイランド、そしてオリックス・バファローズ二軍の本拠地の大阪シティ信用金庫スタジアムが運営されており、シティ信用スタジアムでは全国大会や国際試合が開催されています。
人工島・夢洲に整備予定で、終着点となる夢洲駅という新駅は、2025年開催の大阪万博会場や2024年までに整備が予定されるカジノIRへのアクセス駅として人気が集まりそうです。
大阪万博が終わった後も夢洲は国内外の観光客が訪れる賑やかな地域となる?
吉村洋文・大阪市長は、大阪万博開催後の跡地を世界的なエンターテインメントの拠点として活用する方針を表明しており、カジノIRに隣接する形で発展していけば、夢洲駅は、人々で溢れかえる賑やかな駅となるポテンシャルを秘めています。
上記の新桜島駅~舞州駅~夢洲駅は、桜島駅の一つ手前のユニバーサルシティ駅(USJまで徒歩5分)にも近く、日本有数の集客力を誇るユニバーサルスタジオジャパン(USJ)と回遊するような人々の動きが活発化するでしょう。
JRゆめ咲線は西九条駅で大阪環状線とつながっており、関西最大の大阪駅~夢洲駅へと直接、電車で行けるようになると、地域住民や国内外の観光客にとって必要不可欠な路線となることが確実視されています。
京阪電気鉄道は中之島線の延伸について、今後、大阪万博とカジノIRの影響で、大阪湾の湾岸エリアへの訪問客増加が見込まれること、京阪沿線からユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)や神戸方面へのアクセス改善などを考慮し、地下鉄中央線九条駅を経由してJR西九条駅に接続することを検討しています。
(出典:日本経済新聞)
京阪電気鉄道の強みは、日本に訪れる訪日外国人の中でも圧倒的に支持されている京都と大阪市の交通インフラが構築されていることです。京都からカジノIR&大阪万博、そしてUSJへの利便性を向上させることで、輸送の供給力の強化をしたい考えです。
大阪府と大阪府は、咲洲、舞洲、夢洲を鉄道で結ぶことで、観光客を周遊させる構想を描いています。
大阪万博、カジノIRの誘致成功は、大阪湾岸エリアの鉄道延伸によって、関西全体の経済を活性させる原動力となる可能性があります。
というのが2024年3月中旬までの流れでした。ところが突然にして事態が一変することになります。
事故でメタンガスによる土壌汚染が注目 夢洲は大量ゴミ最終処分場だった
2024年3月28日午前11時頃、大阪市此花区の大阪・関西万博会場予定地の夢洲で作業員が屋外イベント広場にあるトイレで溶接作業をしていた最中に爆発事故が発生しました。
地下にたまっていた可燃性ガスに火花から引火したと見られています。
コンクリートの床など約100平方メートルを破損する規模でしたが、怪我人が出なかったのがせめてもの幸いです。
夢洲にメタンガスが存在する理由は、その地域がかつて大量の一般ゴミや粗大ゴミなどの最終処分場として使用されていたためです。
1970年代、大阪市ではゴミの処分場不足が問題となり、家庭から出されるゴミを埋め立てる場所として夢洲が選ばれました。1983年に夢洲で行われた調査では、地中からガスが吹き出していることが確認されました。
このような埋め立て地では、有機物が分解される過程でメタンガスが発生することが一般的です。メタンは無色無臭のガスで、空気よりも軽いため通常は大気中に拡散しますが、閉じられた空間や地下では集まってしまい、爆発のリスクを持つことがあります。
夢洲の場合、産業廃棄物の処分場としての歴史があり、地下にはメタンガスを含む可燃性ガスが溜まっているとされています。
このため、万博会場やカジノIRなどの大規模開発においては、メタンガスの管理と安全対策が重要な課題となっています。
夢洲のメタンガスで大阪・関西万博の開催が危惧されている
夢洲でのメタンガスの危険性に関する報道は、万博開催やカジノIRの計画に対する懸念を引き起こしています。
万博会場では、メタンガスの基準値を超える濃度が76回検知されており、安全に支障をきたす可能性があると指摘されています。
特に、パビリオンが立ち並ぶエリアでも検出されていることから、リスクは無視できない状況です。
さらに、万博会場の一部である夢洲2区では、地下のメタンガスが低濃度であるとはいえ、地表部分で盛り土した部分は繋がっており、メタンガスが横から流れてくる可能性があるとの懸念が示されています。
これにより、火器使用の食事を提供する国のパビリオンで、建物床に亀裂等が生じると漏れ出た高濃度のメタンガスに調理場の火が引火して爆発を起こす可能性を不安視する有識者が増えています。
大阪・関西万博開催に関するリスクは、現在の防災計画や安全対策が十分でないことを示しています。
今後の運営においては、これらのリスクを適切に管理し、安全対策を強化することが求められるでしょう。
安全性に関する懸念は深刻であり、今後の開催計画においては、これらの問題に対する明確な対策と情報の透明性が重要になります。関係者は、参加者の安全を最優先に考慮した計画を策定し、実施する必要があります。
夢洲にはメタンガスなどの可燃性ガスだけでなく、ダイオキシンなど有害物質も大量に埋まっています。
しかし、万博協会と大阪府・大阪市(日本維新の会が主導)は万全の予防対策を行わないまま、万博工事に突き進んでいます。
万博で約3000万人の来場者を見込んでいる夢洲は、カジノIRの建設予定地でもあります。
驚くべきことに、カジノIR予定地については、大阪市が土壌汚染対策や地中障害物撤去を行う予定となっています。
こうした矛盾について、社民党党首の福島みずほ参院議員が参院予算委員会で追及しました。
「カジノは土壌改良をするのに、万博会場は単に飛散防止で、有害物質の上に物を建てる、これはなぜですか」「来場者の健康は守られるんですか。子どもたちが来るのに、安全守られるんですか」
福島議員は「メタンガスに火が付いたら、爆発をします」と事故発生前から警鐘を鳴らしていたのです。
ところが、「必要な措置を行っている。万博開催時に危険はない」と自見英子万博担当相は回答していました。
日本政府が国民の安全よりも優先していたのは「万博開催ありき」の考え方です。
大阪府の吉村洋文知事に対しても、学生の万博無料招待に対する非難の声が日に日に高まっています。