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コラム 大阪万博・カジノIR

カジノ統合型リゾート(IR)は万博の誘致が追い風となり、大阪と横浜が有望視される!




マカオでカジノを運営する統合型リゾート(IR)大手の「メルコリゾーツ&エンターテインメント」のローレンス・ホー会長が日本進出へ強い意欲を示しています。

建設地点は大阪か横浜が有望との認識を表明しており、総事業費については「最少でも1兆円規模」と明言したことが話題となりました。

マカオのカジノ大手・ホー会長が大阪とカジノIRの候補地として有望視

ローレンス・ホー会長は、大阪か横浜を有望視する理由について、

1.大都市圏にあること。

2.多くの観光客が見込めること。

と説明しました。

特に大阪は2025年の万博開催の決定とほぼ同時期でもあり、「将来、万博が開かれたという美しい記憶と共に発展させたい」という意欲を持って、大阪万博との相乗効果を期待しています。

日本のカジノ設置は最大3ヶ所

2018年7月に成立したIR実施法においては、カジノの設置が認められるのは日本全国で最大3カ所と規定されています。

夢洲までの交通インフラ整備やカジノ施設など建造物は、順調に行けば2024年には完成し、そのまま稼動できる予定です。

そのため、海外のカジノ業者の売り込みが過熱しています。

夢洲に関する建設費を「最小でも1兆円規模」負担する用意があるホー会長

ローレンス・ホー会長は、夢洲に関する建設費について「最小でも1兆円規模」であり、それ以上の負担も可能であると表明しており、

1.カジノIR周辺の交通インフラの整備

2.地震が起きた場合に備える津波対策の費用

をも負担する用意があると語りました。

生態認証システムを駆使することでギャンブル依存症対策にも配慮

ローレンス・ホー会長は中国・マカオで10年以上に渡って、依存症の低減に取り組んできた実績をアピールし、日本でのカジノ依存症対策についても、顔や指紋といった最新の生体認証システムを駆使して強化する考えを表明しています。

さらに、ローレンス・ホー会長は「著名レストランやスパなどの非カジノ部門の充実が重要だ」とIR構想全体の活性化を重視した見解を持ち、日本のIRは「カジノ色」を薄めた施設とする構想を公に発表しました。

利用客は、アジアから訪日する中国などの富裕層を想定し、日本の文化や歴史を反映した設計を目指すという方針を述べています。

メルコリゾーツ&エンターテインメントとはどんな会社か?

「メルコリゾーツ&エンターテインメント」は香港を拠点とし、マカオとマニラで4カ所のカジノIRが運営されています。

2017年12月期決算の売上高は約56億ドル(約6400億円)で、中国の景気減速による業績面の弱さが数ヶ月間続きましたが、11月にはカジノ収入が市場予想を上回る伸びとなりました。

カジノ各社には、ある程度の勢いが戻っている傾向が出ています。

ローレンス・ホー会長の父親は、「マカオのカジノ王」と呼ばれる大富豪のスタンレー・ホー氏で、アジア・中国での絶大な影響力を誇っていました。

スタンレー・ホー氏は、1960年代から40年間に渡り、マカオのカジノ運営権を独占するだけでなく、不動産や香港とマカオを結ぶフェリー事業なども手掛けて成功を収め、巨額の富を築き上げました。

華麗なる一族・ホー氏を取り巻く親族間の骨肉の争いで複合の企業体制に

ところが、スタンレー・ホー氏の華麗なる一族は、事業承継の問題を巡って、親族が骨肉の争いを繰り広げてきた悲痛な歴史を抱えてしまいました。

結局は、96歳となったスタンレー・ホー氏が経営の一線から身を引き、一定の節目を迎える結果となっています。

ホー氏のカジノ事業は、いくつかの複合企業として構成されており、今でも親族経営を行っています。

その概要は以下の通りです。

・グループの複合企業・信徳集団はカジノ大手MGM中国の経営に携わるパンジー・ホー氏が継承

・マカオのシェア4位のカジノ大手SJMの経営はパンジー・ホー氏の妹のデイジー・ホー氏が継承

・メルコリゾーツ&エンターテインメントは、弟のローレンス・ホー氏が経営(別カジノ会社)

こうした複合の企業体制には色々な課題が浮上しています。

かつてマカオ経済を牛耳っていたSJMは大型複合施設の開発で後れを取り、緊急に経営の立て直しを行う必要があります。

新体制ではデイジー・ホー氏を含む3人が会長となり、別の人物が最高経営責任者(CEO)を務めています。

JPモルガンの見解では、「複雑な統治構造が権力争いを招く余地を残している」と企業統治のリスクを警戒しています。



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