1月20日、民主党のジョー・バイデン大統領が誕生し、政権移行が無事に行なわれました。
その後、バイデン大統領は就任3日間で30の大統領令に署名し、トランプ前政権からの政策転換を急ピッチで進めています。
その内容は、
1.地球温暖化対策の国際的な枠組みである「パリ協定」への復帰
2.政府施設内でのマスク着用義務化など新型コロナウイルス対応策
3.原油を運ぶパイプライン建設認可取り消し(カナダからアメリカ中西部)
4.イスラム教徒が多い国からの入国禁止撤廃
5.世界保健機構(WHO)への復帰
6.メキシコとの間の「国境の壁」建設中止
などです。
Contents
- 1 2021年に入ってからのアメリカ大統領選挙及び上院選挙を巡る動き
- 2 リン・ウッド弁護士による請願を拒否した理由について声明を出さない最高裁
- 3 アメリカ大統領選の大規模な不正行為を暴露するシドニー・パウエル弁護士
- 4 ディープステート(闇の政府)が不正選挙に関与し、違法活動を行っていた説
- 5 アメリカはもはや三権分立が腐敗し、法の支配が崩れたと嘆くパウエル弁護士
- 6 フォー・ザ・ピープル法案(H.R.1法案)という選挙改革法案が下院で可決!
- 7 20州の司法長官とペンス元副大統領はH.R.1法案が憲法違反だと警戒感を示す
- 8 H.R.1法案は上院・共和党議員全員の反対票で否決!ハリス副大統領は敗北宣言せず
2021年に入ってからのアメリカ大統領選挙及び上院選挙を巡る動き
2021年2月22日、連邦最高裁は2020年の大統領選挙の投票プロセスや投票結果に異議を唱える複数の訴訟(のアリゾナ州、ジョージア州、ミシガン州、ペンシルベニア州、ウィスコンシン州)を却下しました。
これで大きな火種は消し止められた格好となりました。
2021年3月8日、さらに、アメリカ連邦最高裁判所は、最後の仕上げと言わんばかりに次々とトドメの一撃をトランプ陣営に食らわし、司法でこれ以上争っても仕方がないという判断を下しました。
具体的には、
.2020年12月末に大統領選挙の投票結果に関するトランプ氏の最後の訴訟を退けました。これは、ウィスコンシン州の不在者投票について選挙委員会を相手取って訴訟したものです。
その内容は、
1..郵便投票に関するウィスコンシン州選挙委員会の規定は、憲法修正第14条および同州の関連法に違反した。
2.同州選挙委員会と選挙当局の官僚は、不在者投票用の投票箱を無許可で設置し、選挙スタッフに不在者投票の立会人証明書を違法に訂正させた。
3.有権者ID法を回避するために、有権者に活動範囲が無期限に制限されている状態を悪用させた。
と主張したものです。
リン・ウッド弁護士による請願を拒否した理由について声明を出さない最高裁
リン・ウッド弁護士は
同日、ジョージア州上院選挙に対して、リン・ウッド弁護士が提出した法的救済を求める請願も正式に拒否しました。
リン・ウッド弁護士はジョージア州上院選挙の投票を阻止するよう緊急請願書を提出していたのです。
(リン・ウッド弁護士)
何故なら、大統領選挙について不正が疑われ、結論が出ていない中で、1月5日にジョージア州の上院2議席をめぐる決選投票が行われ、2議席とも民主党新人が当選したからです。
米連邦議会上院(定数100)のうち共和党50議席 VS 民主党50議席+カマラ・ハリス副大統領決定票
で民主党が上下両院の多数党となった。
新しい上院の議席は民主党と共和党が50対50で真二つに分かれていますが、副大統領のカマラ・ハリスが決定票を持つので、民主党がかろうじて多数党となります。
これにより、議会上院におけるバイデン大統領の政権運営に大きく貢献する方向に流れが変わりました。
最高裁は、リン・ウッド弁護士による請願を拒否した理由について声明は出していません。また、請願拒否に反対した判事は1人もいませんでした。
アメリカ大統領選の大規模な不正行為を暴露するシドニー・パウエル弁護士
2020年11月25日、シドニー・パウエル弁護士(ノースカロライナ州生まれ・元連邦検察官)は、激戦州の一つであるジョージア州で選挙当局者を訴える訴状や証拠資料を提出しました。
(シドニー・パウエル弁護士)
その直後、自らのウェブサイトで「クラーケンを解き放つ」「Release the Kraken」と宣告しています。
クラーケンは北欧神話に登場する海の怪獣のことで、海を行き交う船を海の中に引きずり込んでしまう伝説上の生き物です。伝記やイラストでは巨大タコ、巨大イカ、クジラとして描かれています。
その怪獣を解き放つことで、アメリカ大統領選の大規模な不正行為を暴露するという意味が込められています。
パウエル弁護士は、その名誉ある経歴があるにも関わらず、トランプ氏と一緒に不正選挙を訴え続けたことによりアメリカ全土で一躍有名になりました。
パウエル氏は不正選挙に抵抗する手段を失った後も、トランプ氏に「戒厳令」の発動を提案しました。
「戒厳令」とは、非常時に軍隊に統治権を委ねる命令のことです。
具体的には、戦争の時や自然災害などの「緊急事態」の時に兵力をもって国内外の地域を警備する場合に、憲法や法律を無視して、行政権・司法権など、全部を軍隊の指揮下に移すことについて規定した法令のことです。
パウエル氏は「戒厳令」を行使してでも、法的に何のお咎めもなくバイデン氏が大統領となって民主党が多数派を占めるのを阻止しようと試みていました。また、大統領退任後のトランプ氏を支え続けている弁護士でもあります。
パウエル弁護士が「クラーケンを解き放つ」と発言した背景には、
1.大統領選挙の不正を暴く
2.不正を働いた悪人を引きずり下ろす
3.不正の証拠を暴露する
といった意味も込められています。
「クラーケンを解き放つ」というフレーズは、不正選挙を暴くためのスローガンとして使用し続け、大統領選が終わってからもトランプ氏の支持者の間で広く使用されました。
日本やアメリカのテレビ、新聞などの主要メディアは「クラーケンを解き放つ」というフレーズについて全く報道していません。
この背景には、不正選挙を信じないという頑なな態度を取る主要メディアの意向もあるでしょう。
それが結果的には、偏向報道と指摘される情報発信となってしまい、共和党支持者を中心として主要メディアに対する疑念を抱く人々が増えたことも間違いありません。
この印象的なフレーズは、多くのアメリカ人が「選挙は盗まれた」や「不正の証拠がある」、「民主党は何かを隠している」と信じる強力な言霊となり、選挙人投票の集計結果が出る1月6日に起こった議事堂占拠事件大混乱につながりました。
ディープステート(闇の政府)が不正選挙に関与し、違法活動を行っていた説
加えて、もう少し難しいニュアンスで、「クラーケン」という言葉は用いられています。
シドニー・パウエル弁護士と密に連携しているリン・ウッド弁護士は、「シドニー・パウエル氏の『クラーケン』が国防総省のサイバー戦争プログラムだ」と題するネット文章を投稿しました。
パウエル弁護士が言及した「クラーケン」には、コードネーム「ホーリーレーダー(Holy Radar)」と名付けられているアメリカ軍の国防総省のサイバー戦争プログラムの意味も含まれているのです。
つまり、アメリカ軍や宇宙司令部の愛国者が、ディープステート(闇の政府)の違法活動を追跡し、その犯罪の証拠を確保するための取り組みを示唆しています。
ディープステートとは、アメリカ国内に巨大な権力と莫大な資金を持つ政府勢力(闇の政府)が存在し、「合法的に選ばれたアメリカ政府」の中に「隠れた闇の政府」が構成されているとする説。
元国防情報局(DIA)情報士官ジェフリー・プラサー氏は、米国の諜報機関が実際にドミニオン投票システムをリアルタイムで監視していたと主張していました。
その上で、不正選挙は、中央情報局(CIA)、連邦捜査局(FBI)、国土安全保障省(DHS)、中国(中国共産党)が関与していたと発言しています。
上記のリンク記事では、「2020年米大統領選は本当の意味での選挙ではなく、米国政府を転覆させ、世界秩序を崩壊させようとする試みだった。CIAやFBI、司法省では、米政権を乗っ取ろうとする反逆者が満ちている。これらのグローバリストは、邪悪な『グローバルリセット(a global reset)』計画を実行するために、クーデターを大胆に推し進めている」と書かれているのです。
シドニー・パウエル弁護士は、リン・ウッド弁護士がジョージア州で起こした法的救済を求める請願の訴訟には、内部告発者からの「驚くほど詳細な宣誓供述書」が含まれていると述べています。
内部告発者によると、
1.ベネズエラの官僚が同国で選挙を操作するために、集計ソフトを担当するスマートマティック社と共謀するのを目撃した。
2.ドミニオン社の投票機に使われているソフトウェアには、スマートマティック社のシステムが多く組み込まれている。
さらに、トランプ氏の弁護団はジョージア州知事・州務長官がドミニオン社から賄賂を受け取り、ジョージア州はドミニオン社の不正操作システムを導入するため、約110億円の契約を結んだと主張しています。
その一方で、ドミニオン社は不正行為そのものを否定しています。
アメリカはもはや三権分立が腐敗し、法の支配が崩れたと嘆くパウエル弁護士
パウエル氏は2021年3月2日、SNSテレグラム(Telegram)で、最高裁の決定についてコメントを公開しました。
1.大規模な選挙不正と複数の憲法違反に対処すべきだった最高裁の失敗で、アメリカの三権分立は腐敗に陥れられた。
2.法の支配、米国の未来、そして世界中の自由を愛する人々にとって絶対的な悲劇である。
と述べています。
1月下旬、パウエル弁護士は、新政治団体「共和国復活(Restore the Republic、PAC)」を設立し、立ち上げに際して「アメリカの人々は、政党の自己利益やハイテク巨人の支配を拒絶し、そして偽ニュースの嘘を暴露するために声を上げるに値する」と伝えました。
とは言え、1月6日に米議会議事堂への乱入事件が発生した後、SNS大手のtwitter社はパウエル弁護士など保守派活動家のアカウントを一時停止しています。
その一方で、投票機メーカーのドミニオン社は1月、名誉を毀損したとして、パウエル氏を相手取って13億ドル(約1400億円)の損害賠償を求める訴訟を起こしました。
同社は、トランプ前大統領弁護士のルディ・ジュリアーニ氏にも同様な訴訟を起こしています。
フォー・ザ・ピープル法案(H.R.1法案)という選挙改革法案が下院で可決!
2021年3月2日、アメリカ議会下院において、過半数の議席を占める民主党は、2020年の大統領選挙で郵便投票の永久導入を含む選挙改革法案「フォー・ザ・ピープル法案(For the People Act、またはH.R.1法案)」の投票が行われ、賛成220票と反対210票で、同法案は可決されることとなりました。
同法案の中には、
1.全国的な郵便投票の認可
2.16歳と17歳の青少年の有権者登録
3.永久的な期日前投票の認可・期日前投票の拡大
4.オンライン登録のための最小限の認証・有権者の自動登録
5.投票用紙の収集の合法
6.選挙運動資金法の変更・選挙運動のための公的資金調達システムの構築
7.重罪犯の刑期終了時の投票権
などの内容が含まれています。
また、この法案の下では、選挙委員会は、現在の超党派が監督する組織ではなく、党派的な多数決組織に変更となります。
さらに、過去に違法とされてきたことですが、選挙候補者が個人や特別な利害関係者が提供した選挙資金から給料を引き出すことを可能にします。
ゾーイ・ロフグレン下院議員(民主党、カリフォルニア州選出)は、
1.パンデミックの中で行われた前回の選挙では、不在者投票や期日前投票などの改革によって、多くの米国人が投票しやすくなった。
2.大統領選挙(2020年)について、選挙の不正行為を証明する信ぴょう性のある事例はない。記録的な投票率となった。
と発言しました。
あれだけ不正を巡って最高裁で争う出来事があり、共和党支持者からの憤りのデモ活動があったのに何と言う図太さでしょうか?
逆に、共和党のロドニー・デイビス下院議員は強く反論しました。
1.選挙をめぐる州と地方政府の決定権が奪われ、連邦政府に渡すことになる
2.言論の自由を保障する憲法修正第1条に反し、企業が議会の選挙運動に資金提供するのを許すことになる
と強調しました。
デビー・レスコ下院議員(アリゾナ州選出)は、
「この法案は国民のためではなく、政治家のためのものだ。」
「法案は連邦選挙委員会を武器にし、州政府の権限を侵害し、言論の自由を大幅に制限する」
と非難しました。
民主党は、今後一党独裁を狙っているのでしょうか?
アメリカの自由と民主主義が危機に晒されていると強く感じます。アメリカは左派化し、全体主義へと向かうのでしょうか?
上院では審議しないで廃案が望ましいところです。さもないと下院で再度審議して可決という流れになる懸念もあり得るからです。
フォー・ザ・ピープル法修正案(H.R.1法案)は、現時点では上院に送られています。上院では民主・共和各党とも50議席を占めていますが、同法案を可決するには60以上の賛成票が必要となります。
20州の司法長官とペンス元副大統領はH.R.1法案が憲法違反だと警戒感を示す
フォー・ザ・ピープル法修正案(H.R.1法案)に関して、アメリカ20州の司法長官は3月3日に共同署名書簡を公開しました。
それによるとH.R.1法案は
1.憲法に違反し、国家資源を独占し、選挙プロセスを乱す。
2.州での選挙を連邦化している。
などと非難し、この法案が成立すれば「法的措置を取る」と警戒感を露わにしています。
さらに、アメリカのペンス前副大統領は、フォー・ザ・ピープル法修正案(H.R.1法案)に異議を唱える中で、2020年の大統領選で不正投票が行われたとの虚偽の主張に改めて言及しました。
つまり、公正な選挙であったならば、トランプ氏は大統領に再選していたはずだとの持論を展開しているのです。
これは、ペンス氏にとって副大統領退任後初の公式声明の一つとなります。
ペンス氏は、
1.2020年の大統領選の正当性について懸念を表明
2.「重大」で「厄介」な投票上の不法行為が複数あったことを示唆
したのです。
ペンス氏は、フォー・ザ・ピープル法修正案(H.R.1法案)について
1.憲法に反する権力の強奪との見方を示唆
2.選挙不正の機会を拡大させ、憲法で保障された表現の自由を踏みにじる
3.大統領選挙の票集計の信頼を一段と損なう
4.新たな投票方式によって法的資格を認められた有権者からの票が薄まる
と強く非難しています。
下院では賛成派と反対派が拮抗していたのですが、上院では通らないことを願うばかりです。
H.R.1法案は上院・共和党議員全員の反対票で否決!ハリス副大統領は敗北宣言せず
【2021年6月24日追記】
アメリカ民主党の郵便投票を含む選挙改革法案「H.R.1法案(For the People法案)」は、上院で採決阻止されました。
米連邦上院は6月22日、 H.R.1法案を50:50の投票で阻止しました。
この法案を進めるには60票が必要なのですが、共和党議員全員が反対票に投票することで、否決されました。
この法案は、アメリカの選挙管理の権限が州にある選挙制度を根本的に変えて「連邦化」することを目的としています。
今まで州で運営していた議会選挙の管理が連邦化されてしまうのです。
フォー・ザ・ピープル法修正案(H.R.1法案)の内容は以下の通りです。公平性・平等性が完全に損なわれているように感じられます。
1.有権者名簿からの無資格者の抹消・郵便投票の制限・有権者IDの義務化・重罪者の投票を禁止する規則を制定する
→こうした管理の根拠としたのは、州や地域の標準的な選挙制度の維持は「投票権を損なう」という理解し難いものです。
→なぜ普通に投票所にいって普通に一票を投じることが投票権を損なうのでしょうか?
2.この法律に対する異議申し立てを、民主党の大統領が任命した判事が支配するワシントンDCの連邦裁判所に提出することを義務付ける
→明らかに共和党潰しを目的としています。民主主義が損なわれることになりかねません。
3.オンラインによる自動有権者登録を確立
不法移民が投票した場合、起訴されないように保護・即日投票登録を確立・未成年者の投票登録・早期投票を義務付ける
→データの改ざんがしやすい郵便投票を促しているように見受けられます。
3.身分証明書を必要としない全国的な郵便投票制度を導入
→これが一番問題なのですが、本人確認ができない状態で選挙の意味があるのでしょうか?しかもそれを郵便投票で行うとは信じられません。
4.選挙日の10日後に投票用紙を数えられるようにする
→即日開票は日本国内でも当たり前のことです。どうして選挙会場に行った人の一票をすぐにカウントしないのでしょうか?
この法案が成立した場合、大統領選挙で行われた不正行為が行われやすくなるのは間違いありません。
法案が阻止されたことに関して、ハリス副大統領は「戦いは終わっていない」と、法律になるまで戦い続けると誓いました。
ハリス副大統領については、組織運営能力や人望に問題があることを非保守系のメディアも取り上げています。
彼女の政治対応や不人気がバイデン政権にとって大きな打撃となることも十分に考えられます。