コラム

台風や地震などで急減した国内旅行やインバウンド需要を回復させるために!

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訪日外国人の観光客に関して、大阪は訪問率、訪問数共に、東京、千葉に次ぐ3位で、宿泊者数では、東京に次いで2位となっています。

千葉県は、成田空港利用が訪問率の高さに寄与しているため、実質的なインバウンドランキングでは全国第2位と言っても過言ではありません。

ここ5年間で、大阪の訪日外国人数は目覚しい勢いで伸びており、インバウンド先進都市としての地位を確立しつつあります。

そのため、フリーWi-Fiや外国人観光案内所、免税店舗数などの対応も全国で随一の進みぶりを示しています。

その背景には、関西のインバウンド玄関口である関西国際空港の存在が大きいことが挙げられます。

何と言っても、関空から、難波(ミナミ)の戎橋(グリコの看板前)、道頓堀周辺、黒門市場にすぐにアクセスできる、という強みがあります。

特に心斎橋筋商店街〜戎橋〜道頓堀の辺りの訪日外国人の数はとても多く、歩いている人の半分くらいが外国人観光客なのでは?という日も珍しくはありません。

ミナミは、まとまっていて便利な買い物ができる場所があり、百貨店、ダイソー、ユニクロだけでなく、ドラッグストアも数多く点在しています。

さらに、焼きたてチーズタルト専門店のPABLO(パブロ)も、心斎橋、道頓堀、難波と3箇所に店舗があります。

訪日外国人にとっては買い物だけでなく観光や食事、宿泊などコンパクトに効率よく楽しめる場所がミナミの魅力となっているのではないでしょうか。

関空連絡橋の復旧でインバウンド需要は回復するか

ところが、2018年9月4日午後1時半頃、関西空港と対岸を結ぶ連絡橋(大阪府泉佐野市)に、タンカー「宝運丸(全長89メートル、2591トン)が衝突し、連絡橋は大きな損傷を受けてしてしまいました。高速道路下り線は2019年4月末のゴールデンウイーク前まで復旧に時間がかかる見込みです。

その一方で、関空連絡橋を通る「りんくうタウン駅~関西空港駅間」は、9月18日から鉄道の運転が再開されました。

台風21号の暴風でタンカーが関空連絡橋にぶつかる!

これらの状況が、訪日外国人の観光客の数、すなわちインバウンド需要の減少に影響しているのかが心配されています。

実際のところ、台風21号による関西国際空港への影響として、国際定期便は9月3日には177便あったのが9月18日には70便と台風前の4割しかに回復していません。

これは、空港の閉鎖、滑走路の閉鎖や連絡橋通行止めが行われたことも大いに関係あると思われます。

交通インフラの面で連絡橋で鉄道が運行再開したのが9月18日、第1ターミナルビル全体が再開したのが9月21日であることを踏まえると、致し方がないという気もします。

また、台風が関西を直撃した影響なのか、再開後も国際定期便の搭乗率は低調気味で2割程度の落ち込みがあります。

今からが正念場 10月は中国人観光客が本格に日本を訪れる時期である

しかし、まだまだ勝負はこれからです。中国には、国慶節と呼ばれる10月1日の建国記念日があります。(1949年10月1日に毛沢東を主席として北京を首都に定め、中華人民共和国の建国式典が行われたことに由来)

そのため、中国では10月1日から国慶節(建国記念日)の大型連休が始まります。この連休には、非常に多くの中国人が海外旅行に行く傾向があるのです。

中国メディアの「参考消息」では、国慶節連休の人気旅行先で日本が首位となっていることが報道されました。

中国の大手旅行予約サイトである「携程旅行網」が人気旅行先ランキングで、日本が1位、タイが2位となり、韓国が4位に入ったことを伝えたのです。

日本国内にとっても、秋は紅葉シーズンでもあります。

9月はホテル、旅館のキャンセルが相次ぎ、飲食店は前年比で売り上げが90%減し、物販は半分程度に減少するなど訪日観光客の大きな落ち込みがありましたが、関西では10月初旬のキャンセルは今のところ特に目立って出てはいないようです。

関西国際空港の被災により、アジア(韓国、中国、台湾、香港)からのインバウンド旅行者は大幅に減少しましたが、成田や羽田空港を利用するケースが多い欧米からの旅行客への影響は少ないとの情報も出ています。

訪日旅行における関空の地位は極めて重要です。

関空からの入国者は昨年度716万人で、1日あたり2万人が利用しています。

関空の機能が完全に回復しても、インバウンドが戻らない状況が続けば、航空各社の関空便維持の意欲が低下しかねません。

今後、関西では、インバウンド回復に向けた取り組みとして、まず関西国際空港の回復ぶりをアピールし、SNSやインターネットを最大限活用することを1ヶ月は集中的に行う予定です。

地震の影響で修学旅行や訪日外国人の宿泊キャンセルが相次ぐ北海道

尚、震度7を観測した北海道における観光客への影響はどうなっているでしょうか?

厚真町で大きな被害を出した北海道胆振(いぶり)東部地震(2018年9月6日3時7分)を受け、まず修学旅行のキャンセルが相次いでいます。

北海道全域で停電となる史上初の「ブラックアウト」をもたらし、復旧は11月としていた北海道電力は、苫東厚真火力発電所で最も出力が大きい4号機を2018年9月25日午前3時に再稼働させることに成功しました。

これにより、北海道のライフラインや交通網は元の状態に戻りましたが、余震などへの不安を拭えずにいる中で修学旅行予定の学校側は、苦渋の決断を行っています。

かき入れ時である秋のシーズンのキャンセルは北海道の観光業界にとって非常に大きな損失です。

北海道や観光業界としては、「受け入れに支障はない」「来てもらうのが一番の復興支援」と訴えていますが、一校当たり100人~200人の修学旅行予定が一転してキャンセルになるのは、経済的なダメージが計り知れない程に強くなっています。

観光シーズンである秋の北海道は、毎年100校を超す学校が道外から訪れていました。ところが、今年に限っては予定していた学校の8割近くが中止か延期を決めています。

これらの結果を受けて、北海道の高橋はるみ知事は、道庁HPにて「大部分の地域では観光客の受け入れに全く支障がない」というコメントと「安全宣言」を発表しました。

そのコメントの中で、「北海道は鮮やかな紅葉が野山を覆い、実りの秋を迎える。道民と親しく交流していただくことを願っている」と観光を促しています。

一般に、地震などの自然災害に遭った地域では、修学旅行生の訪問が回復するのに時間がかかるケースが多く、2011年3月に東日本大震災で被災した福島県は、2016年に入っても震災前の6割程度にしか修学旅行の宿泊者数が元に戻っていません。

2016年4月に最大震度7の熊本地震で被害を受けた熊本県でも、16年の修学旅行の宿泊者は前年度の約3割に留まりました。

その一方で、宮城県は災害発生前の水準にまで回復し、15万人が訪れました。「沿岸部を見たり、被災者の話を聞いたりする震災学習を各地の学校へアピールしてきた努力が実った」と県の観光課は述べています。

学校だけでなく一般の観光客への影響も大きく94万人が北海道旅行の宿泊をキャンセルしており、その被害総額は292億円と推定されています。

特に中国や韓国など訪日外国人の観光客の減少が著しく、例年は大人気のの定山渓周辺の温泉街も閑散としています。

外国人にとって、地震の多い国は旅行先として不安がある 日本人こそ国内旅行で地方経済に貢献すべき

彼らの意見として、「また地震が起きるのではないか、地震の影響で旅行に何らかの支障が出るのではないかと考えてしまう。北海道が元通りになれば絶対に訪れたい」との声が寄せられています。

中国では、地震発生からの1週間で宿泊キャンセルが50万人となり、経済的な影響が100億円に上ったことを伝えています。

ところが、冷静にデータを見てみると、2017年の訪日外国人消費額は4兆4162億円に過ぎず、同年の日本人国内旅行の消費額は21兆円1028億円と大きく上回っています。

このように、まだまだ日本人だけで国内観光を支えることが可能なはずですが、1人当たり消費額が格段に違っており、訪日外国人が15万3921円と大きいのに対し、日本人は1人1回当たり3.2万円となっています。

個人的には、もっと旅行や観光にお金を使うべきであり、それこそが、地域振興につながるものと考えています。

とは言え、実質賃金が思うように伸びず、いくら働き方改革を唱えても休みが取りにくい会社勤めの方々が多いのも事実です。

一つの解決として、ゴールデンウィークやお盆休みの期間を、各地方ごとに一週間ずつずらすなどの案が浮上しています。

例えば、ゴールデンウィーク休暇期間を5月1週目は九州・四国地方の人に、2週目を中国・近畿地方の人に、3週目を東海・関東地方の人に、4週目を北海道・東北地方の人に割り当てるといった具合です。(あくまで参考の目安例と考えてください)

そうした柔軟な休日の取り方ができるように社会風土を作っていくことが、安倍政権の掲げる働き方改革と地方創生を両立して成し遂げることにつながると強く感じています。

北海道ふっこう割が決定!

【重要情報】日本政府は2018年9月28日、北海道地震の被災地に対する支援策をまとめ、観光業の復興を促すために、北海道内の旅行料金を1泊最大2万円補助する「北海道ふっこう割」を実施する方針を決めました。

「ふっこう割」は、ツアー旅行を対象に、日本人は3泊まで、外国人観光客は5泊まで、料金の最大7割の補助が適用されます。

また、停電で搾乳ができなかった乳牛の治療支援など、被害を受けた農林水産業や中小企業の支援策も盛り込みました。

台風被害で外国人観光客への情報提供が遅れた教訓を踏まえ、政府観光局が運営するコールセンターの体制も強化する予定です。

安倍晋三首相は、北海道地震などの関係閣僚会議で「2020年に外国人旅行者数を4000万人とする目標の達成に向け、安全、安心な日本を改めて海外に向けて発信していく」と述べました。

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