コラム

トランプ政権、試練の中間選挙を無事に乗り切れるか!?

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アメリカの主要メディアによると、ローゼンスタイン司法副長官が昨年5月頃に、合衆国憲法修正25条に基づいて、トランプ大統領を解任するため閣僚らの会合を開くことを画策していたという報道がありました。

匿名の政府高官がアメリカの新聞紙にトランプ氏を批判する寄稿をしたことが問題になったり、司法副長官が大統領の解任を司法省やRBIに持ちかけて画策したり、と「トランプ潰し」の動きがあちこちで見られます。

トランプ氏は9月21日、ミズーリ州での選挙集会で「司法省とFBIで何が起こっているか見てみろ。本当に悪いやつがいるんだ。悪臭がつきまとうが、もう取り除く」と述べています。

トランプ大統領が再び「暴露本」で攻撃に晒される

さらに11月6日の米中間選挙を前に、「暴露本」の衝撃が再びトランプ政権を襲っています。

大統領は「フィクション」と一蹴していますが、「犯人探し」の動きも見せています。

「大統領の理解力は小学5年生レベル」(マティス国防長官)

「まぬけな大統領にいかなる説得も無駄」(ケリー首席補佐官)

「重要書類を大統領に見せるな。国を守るためだ」(コーン前国家経済会議議長)

「常に流動的で常軌を逸し、考えが固定せず感情的な大統領の衝動的で危険な命令」(本の抜粋)

暴露本はニューヨーク同時多発テロと同じ日に発売

このような内容のトランプ政権を貶める暴露本が9月11日にアメリカ全土の書店やネット書店を通じて世界中で発売されました。9月11日といえば、2001年に同時多発テロでアメリカが史上最悪の攻撃を受けた日です。これは、トランプ大統領に対する文筆テロと言っても過言ではないかもしれません。

ホワイトハウス内の混乱と内輪もめは日常的ですが、一般国民は内部事情の本当の酷さを知らない、とこの暴露本のプロローグに記されていますが、トランプ政権内部の混乱を描いた暴露本は2018年に入ってからは1月に続き2冊目となります。ただし、中間選挙2ヶ月前ということで、非常に攻撃的で敵対的なテロ臭が漂うタイミングなのが気になります。

とは言うものの、トランプ政権は、第一回目の米朝首脳会議で一応の成功を収め、朝鮮半島の平和と北朝鮮の非核化に向けた第一歩を踏み出すきっかけを作りました。

さらに「WTOに加盟すれば、中国は自由貿易と共に民主化していくであろう」という国際社会の期待を裏切り、独裁化と情報統制が進んでいく中国に対して、貿易戦争と言う形で、大きな鉄槌を下したことは、評価に値するとの見方もあります。

加えて、大型減税の影響を受けて、景気絶好調のアメリカは、株式指数であるニューヨークダウやナスダック指数、S&P500が、政権発足後から史上最高値を更新中であり、表面的には、まさに「トランプ政権の政策が功を奏している」としか思えない状況の中で、アメリカ国内の分断、2極化が進んでいます。

(出典:ヤフーファイナンス)

アメリカ国民は、トランプ大統領をどう見ているのか?

一体、アメリカ国民は、トランプ大統領をどのように考え、どう評価しているのでしょうか?

一言で言えば、「人となり」が好ましいとは言えず、アメリカ経済は空前の好景気という恩恵を受けているにも関わらず、トランプ大統領に対して悪印象を持っている傾向が強いようです。

そのことが次の中間選挙では、特に下院の劣勢という形で現われており、すでに専門アナリストが「民主党が下院の過半数確保で有利な情勢」と分析していたり、「世論調査や資金調達、予備選挙での投票率などで共和党に警告サイン」を示すようなデータが出ています。

11月のアメリカ中間選挙では民主党が議席を伸ばす可能性があり、共和党はそうした状況に備えつつあるのが実情です。

もし共和党に不利な結果が出れば、アメリカ下院では民主党に主導権を奪われ、政権の混乱は酷くなり、法案はまとまりにくくなるでしょう。

民主党は、中間選挙で下院が過半数を奪回すれば、トランプ大統領のロシアゲート疑惑解明に、議会の権限を駆使して積極的に乗り出す方針です。

大統領弾劾に上院では3分の2の賛成が必要でハードルは高いですが、弾劾の発議は下院の過半数の賛成で可能となります。

そこを見据えた「戦いの場」が中間選挙であり、弾劾が下院で発議されるだけでも歴史的快挙であり、トランプ大統領には大きな痛手となる、というのが民主党内の見方です。

もしロシアゲート疑惑で弾劾裁判に至れば、トランプ大統領は2019年内には退任に追い込まれる可能性も出てきます。

また、実際には、トランプ政権が行った1兆5000億ドル(約166兆円)の減税の効果も、中間層の生活改善には役立っておらず、物価上昇が進む一方で賃金は伸び悩んでいる、という反トランプ派の不満の声も根強いです。

選挙公約の目玉であったメキシコとの国境の壁建設拡大やオバマケア撤廃も実現していません。

最新の世論調査では、大統領の支持率は40%程度と、過去の大統領が中間選挙で大敗を喫する前兆となった低い水準にあります。

とは言え、アメリカ上院では、無事に中間選挙を終えることができれば何とか共和党が過半数を維持する可能性が高いと予想されています。

ただし、トランプ米大統領のスキャンダルまみれの状態や、共和党が直面している逆風が続けば、共和党有利とされていた上院選挙の情勢にも変化が生じるリスクがあります。

民主党が上院でチャンスを手に入れるためには、2016年にトランプ氏が勝利を収めたウェストバージニア州、インディアナ州、ノースダコタ州、モンタナ州、ミズーリ州で議席を取れるかどうかにかかっています。

これらの州における世論調査では、ノースダコタ州、インディアナ州、ミズーリ州で五分五分の情勢という結果が出ており、民主党にもまだ上院奪還の可能性は残されています。

しかし、これらの州で1議席でも失えば、その展望は非常に厳しくなります。

(出典:東京新聞、時事ドットコム)

トランプ大統領が優位に立つための条件は何か?

中間選挙直前のアメリカでは、価値観の分断が深刻度を深めています。

反トランプ派は大統領弾劾を熱心に求めており、トランプ支持派がそれに徹底抗戦している姿は、国内冷戦のようにさえ映ります。

トランプ大統領は、自分と意見が合わない閣僚は次々と首を切ってきました。その態度は中間選挙後も代わることはなく、ケリー首席補佐官やマティス国防長官、ボルトン国家安全保障補佐官ですら、立場が安定しているわけではない模様です。

とは言え、国民の中には、「政治家も閣僚もメディアも司法も「支配階級」を構成するエリートに過ぎない。既得権益維持のために社会を独占し、一般庶民の感情や生活とは別世界の権力者だ」と主張する人々もいます。

さらに続けて、「トランプ大統領は、その支配階級の外から誕生した庶民を体現できる人物であり、激しい攻撃に晒されている彼を守ることは国民の理想を守ることだ」と考えているのです。

トランプ大統領が中間選挙までに第2回目となる米朝首脳会談を実現させ、朝鮮半島の平和と北朝鮮の非核化への具体的なプロセスを進めることに成功すれば、共和党の勢いにある程度弾みがつくことでしょう。

一方で、中国との相互の関税発動がエスカレートしてしまうと、アメリカ国内の消費者にしわ寄せが来てしまい、中長期的なアメリカの国益を損なうことになりかねません。

アメリカの経済界は、関税を利用して中国経済の変革を促すトランプ政権の手法に反発しており、関税によってビジネスに悪影響が出る場合には、商品やサービスの値上げを行う用意があるとしています。

このことは明らかに景気を減速させる大きなリスクとなります。中国の頭を抑え込むことに成功しても、アメリカ国民が経済面で不満を抱えるようでは、彼の政策は不本意な結果に終わることでしょう。

中間選挙後、勝者がいない貿易戦争に対してどこで手を引っ込めるのか、中間層の暮らしに寄り添う新しい政策を打ち出せるのか、分断されたアメリカ社会を再びまとめていくような強いリーダーシップを発揮できるのか、内政において対立ではなく協調路線を打ち出すことができるのかが、トランプ大統領が信任されるために必要な条件となることでしょう。

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