経済学は、サイクル(周期)を読み解いて未来を論じるところから、占いに近い側面もあります。
それ故に、経済学とは未来予測学であるという評論家もいます。
さらに、金融市場の動向は、人間の主観的な投影として(インフレ期待、デフレ懸念など)、心理学との親和性も高いです。リスクオン・リスクオフあるいはモメンタム(勢い、方向性)という概念も、メンタルな要素が強いといえます。
経済学とは「未来予測学+心理学」の複合体である
それゆえ、私としては「経済学=未来予測学+心理学」という枠組みで捉えています。
また、古今東西において、政治・軍事・経済などの分野で占いが未来予測学のツールとして使われてきたという歴史もあります。
「そんな訳ない、占いなんて信じない、不思議なことなど起こらない」という意見をお持ちの方は、そのままの意見を尊重したいと思っております。価値観、主義、信条、思想の自由が、日本の憲法では保障されています。
また、思想や人生観は自分の知識と経験によって育まれるものであり、他人に押し付けられる類のものではないと強く考えています。
少し話が脱線しましたが、日本の株式市場では、十二支丑(寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥)などいわゆるジンクスを大切にする慣習があります。
「辰は騒ぐ」という通り、2005年と2024年の日本株式市場は大いに賑わいました。
2005年は日経平均1万円をしっかり足固めして、郵政民営化を問う自民党の解散総選挙で大きく上昇しました。
2024年も1989年12月のバブル崩壊直前の高値38915円を軽々と超えて4万円の大台を記録しています。
(出典:日本銀行、日経平均プロファイル等)
占星術も12星座をベースに考えますので、12というサイクル(周期)は一つの指標となると考えております。
面白いことに、幸運・発展・拡大を象意する木星は12星座を一周するのに約12年かかります。
つまり、木星は一つの星座を約1年ずつ時間をかけて移行しているのです。
新月図とニューヨーク証券取引所との深い関係性
世界経済は、ニューヨーク証券取引所での出来事が他のグローバルな取引所にすぐに波及する傾向があります。
そのため、占星術と金融市場との関係においても、ニューヨーク証券取引所の動向を特に重視しています。
なぜなら、世界中の投資家及び経営者がが、ニューヨーク証券取引所の動向に焦点を当てているからです。
ニューヨーク証券取引所の占星術における調査は、ギャン氏をはじめ1920年代から多くの論文が出され、多くの執筆が行われてきました。
これまで最も信頼されてきたのは、ノードが水瓶座に到達した時点を天底とし、獅子座に到達した時点を天頂とする18.6年周期の景気循環論(株式市場の上下のサイクルの波)です。
(※詳しくは別記事の2024年・2025年・2026年のアメリカ金融市場と世界情勢の大変化の波を占星術から読み解くを参照ください)
加えて、多くのファンドマネージャーや資産管理会社が、ニューヨーク証券取引所の占星術に焦点を当て続けています。
株式市場の上下のサイクルの波の手法として、新月を中心に考察することは今現在でも有効です。
過去の具体例としては、新型コロナウィルスの感染拡大時におけるパニック売り後の連邦準備制度理事会の行動に関するものがあります。
経済と市場を活性化させるために、大量の流動性資金(米ドル)が銀行システムに注入されました。
この大量の流動性資金は、株式市場の弱さを部分的に覆い隠す結果となりました。
市場が弱さを表明してから、間もなくすると「安値で拾って買い」という声が響き渡ったのです。
その後、2022年4月から2022年1月までインフレを抑えるという名目で連邦準備制度理事会が流動性注入を抑制するまで株式市場の活況は継続しました。
月食は、占星術では新月を意味します。
月食では、太陽と月は0度離れ、同じ星座にあります。
月食の毎月のイベントとニューヨーク証券取引所の価格変動との相関関係は、1937年から言及され始めました。(参考文献)Theory of Stock Market Forecasting , McWhirter
この著書では、月食が、火星、木星、土星、天王星、海王星などの惑星とハードアスペクトを示す場合に、ニューヨーク証券取引所が顕著な変動を示す月の周期を示すことを論じています。
新月(月齢)を中心に展開するこの手法は、今日でも有効です。
特に、ニューヨーク証券取引所を支配する2つの惑星、火星と海王星には細心の注意を払う必要があります。
その理由は、1800年代に占星術師が提唱した「特定の星座を支配する惑星」という概念にまで遡ります。
ニューヨーク証券取引所が1792年に設立された日と時間の惑星配置は、その時点で火星と海王星が星座の支配者でした。
これは、ニューヨーク証券取引所の出生ホロスコープの第10ハウスが魚座と牡羊座にまたがっているためです。
海王星は魚座を支配し、火星は牡羊座を支配します。
1972年のホロスコープ上の火星と海王星の上にトランジット惑星の月が0度のアスペクトを形成する月間(新月図を起点とする)は注意深く監視する必要があるのです。
ニューヨーク証券取引所の最初の取引チャート
ニューヨーク証券取引所は1792年5月17日に正式に営業を開始しました。
NYSE のアセンダント (Asc) は蟹座 14 度、ミッドヘブン (MC) は魚座24度にあります。
新月ごとの周期で、月が NYSE の出生時の Asc と MC の位置 (蟹座 14 度と魚座 24 度)を通過する場合に細心の注意を払う必要があります。
短期的なトレンドの変化についてはこの方法論が非常に当てはまります。
新月図のアスペクトを調べ、月が蟹座 14 度または魚座 24 度に対して 0 度、90 度、180度のアスペクトにある場合、その月間は不安定な月になると予想されます。
このようなアスペクトがない場合、不安定な期間が短くなると解釈します。
毎日の月の度数位置を考慮する必要もあります。
トランジット惑星の月が、乙女座18度の火星、天秤座27度の出生時の海王星、蟹座14度のアセンダント、魚座 24 度の出生時のミッドヘブンに位置する影響は、いずれも短期的なトレンド反転の可能性のある日付を表しています。
月が最大または最小の赤緯にある日付にも注意を払うことが重要です。
また、水星が逆行している日付や、金星と火星が最大または最小の赤緯にあるかそれに近い日付も慎重に考慮する必要があります。
同様に、個々の株式または個々の商品先物を調査する場合、株式または商品の最初の取引日にホロスコープチャートを作成することが求められます。
次に、太陽がアセンダントにあるようにアセンダントをシフト(午前9時に取引開始が分かっている場合は9時を設定、ただし標準時との時差に留意すること)
株式および商品分析では、個別の株式または商品先物の出生図の太陽、月、水星、金星、火星、木星、さらにはアセンダントやミッドヘブンに対して、トランジット惑星の太陽、火星、木星、土星、海王星、天王星、冥王星が 0度、90度、180 度のアスペクトを形成する時期に厳重な注意を払います。
こうしたアスペクトを通じて、トレンドの変化の可能性、トレンド内のボラティリティの増加の可能性、さらにはブレイクアウトの可能性についても考察することが可能となります。
新月の周期とシンクロする株式市場の具体的な事例
2020年2月~3月に所新型コロナウィルス関連で起こったにニューヨーク証券取引のパニック売りの前後の出来事を調べることで十分に理解できます。
※各惑星・アセンダント・ミッドヘブンとトランジット惑星がアスペクトする時期はインド占星術も西洋占星術も全く同じです。この2つの違いは「惑星と星座の関係が23.5度違うこと」「惑星が在住するハウスが異なる場合があること」です。
2020年2月23日の新月(太陽と月の合)は水星逆行中に起こりました。
その新月から1日以内に、トランジットの月はニューヨーク証券取引所の出生図のミッドヘブン (魚座24度)を通過しました。
翌日、トランジットの月は蟹座14度で出生時のアセンダントに90度の強いアスペクトを形成しました。
トランジットの土星は出生図の土星と90度(スクエア)でした。
2月27日、トランジットの月は出生図の月を通過しました。
3月1日、トランジットの月は出生時の太陽の位置を通過しました。
3月4日、トランジットの月は出生図のアセンダントを通過しました。
3月9日、トランジットの月は出生図の火星を通過しました。
3月12日、トランジットの月は出生図の海王星を通過しました。
3月24日、トランジットの月の周期が終了し、再び新月(太陽と月の合)が実現しました。その時にS&P 500は天底に達し、そこから上昇して回復し始めました。
2020年2月から3月の出来事をトレーダーまたは投資家として、
1.連邦準備制度理事会(FRB)による大量の流動性資金の観点から見ること
2.新月の周期とニューヨーク証券取引所の出生図の主要な感受点(惑星・アセンダント・ミッドヘブン)とのアスペクトの観点から見ること
の両方が可能となります。