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【冥王星】集合的な無意識を示す惑星について知る~根本的な変容と再生を迫る最強の推進力~




冥王星  破壊と再生 カリスマ性 絶対的権力 魂の意識進化のための変容 闇と裏側の世界

冥王星には、破壊と再生、絶滅と復興、初めと終わり、絶対的権力、極限状態、根本的な変容などといった意味があります。心理学的には、人間の心の本能的な部分であり、自我の下に潜む無意識の暗い衝動、つまりエロス(性)とタナトス(死)に関わる全てを司っています。

性に関する惑星としては、火星と同じですが、冥王星は火星よりも1オクターブ高い惑星と言われ、火星が個人的欲求としてのセクシャリティーを表すのに対し、冥王星は心の奥深くに封印されている本能的情動や爆発的なエネルギーを意味し、人類全体の集合的無意識や過去世に由来する感情的なこだわりにも関係しています。

そのため、人生や世の中で起こっている慢性的な問題の最も根本的な影響力を見ていくには、この冥王星の働きについて深く知る姿勢が求められます。

激しく強い影響力を持つ原子爆弾は冥王星のエネルギーの象徴とも言われ、その発明と発見はほぼ同じ時期に当たります。

ホロスコープにおいて冥王星が強い配置にある人は、カリスマ的な指導者であったり、社会を変革するような権力者や支配者であったりします。

冥王星は変容を意味するので、その影響を強く受けている個人が根本的に変わる人生の体験をすることは、集合的無意識レベルの変化をも暗示しており、周囲の人々ひいては人類全体に多大な影響を与えることになります。

冥王星を通じて、私たちは内面の奥深くにある、満たされない暗い情念や醜い欲望と直面することとなり、その他の惑星との関連性を通じて、精神的、物質的な「死と再生」を経験することになります。例えば、月(身体、感情)と冥王星の強力な関連性が個人のホロスコープで見られる場合、クンダリーニと呼ばれる第一チャクラの開花に伴う心身の大きな変化や生と死が隣り合わせの極限状態、あの世を垣間見る臨死体験を示唆している場合もあります。

これらは、決して好ましくない象意ではなく、霊的な変容を遂げようとする激しい進化的衝動を表しています。

もし、金星(恋愛と快楽を司る)が冥王星の強力な関連性を持っている配置の場合、男女間の愛情関係を通じて相手をコントロールしようとしたり、情欲の虜になってしまう場合もあります。

ところが、その男女間のエネルギー交流の中で真正面から全力で相手と関わることによって、「自我の死と再生」を経験し、性格や生き方が根底から変わってしまうケースも見受けられます。

「恋愛感情を持つ相手を操作し、感情的、性的に完全に支配してしまいたい」という激しい情念に執着し、異性との関わりで取り返しのつかない大失敗や挫折を経験した結果、余計な情念が削ぎ落とされて、純粋に人を愛することができるようになった場合も見受けられます。

このように冥王星の影響力は全ての惑星の中でも最も大きく、それを制御したり、都合良く変えようとするのは難しいと言えます。

現状維持を図ろうとする自我の保存欲求や、人生が平穏で安全無事であろうとする古いやり方や感情的防衛は、冥王星による「魂の進化的衝動」の前にはことごとく破壊され、その執着を手放して自らが変わることを要求してきます。

ホロスコープの中における冥王星の配置を見れば、個人が何に執着し、何を手放すことを恐れているのかが、具体的に分かります。

それは常日頃、慢性的に行ってしまう心の抵抗や対人関係で表現される自己防衛の反応、ずっと抱えている観念体系や今までに手に入れたものを手放したくない、という強い気持ちを反映しています。

これらは過去世から繰り返されるパターンや堂々巡りを引き起こす欲求(因果応報のカルマ)と密接に結びついており、私たちの考え方や行動を今までの古いやり方から得られる安心感に縛り付けておこうとするのです。

しかし、本質的には私たちは霊的存在であり、内なる魂を宿している偉大な存在でもあります。その本質的な素晴らしい自分を思い出すために、内なる魂をさらに進化させるために、冥王星は個人にとって辛く厳しい状況を突き付けてくるのです。

過去の上手く行った成功体験にしがみつき、問題を従来の発想で解決しようと試みても、冥王星はそれらを手放し、抜本的な自己改革を要求してきます。

しかし、再生と変容を意味する冥王星は人生における新たな誕生と出発を促し、最も魂を成長させてくれる起爆剤としての役割を担っています。

現状にしがみつくという形で、心の中に抑圧された膨大な潜在的エネルギーが、あるタイミングで飽和状態になった時に大きなエネルギーを放出し、それまでの「低い意識と過去に由来するリアクション」を強制的に破壊する方向に導き、人生を根底から覆して「高いスピリチュアルな意識と新しい生き方」へと転換させる作用があります。

こうした観点において、冥王星は、輪廻転生を繰り返す中で発生した否定的なカルマを解体し、宇宙、銀河からもたらされる新しい進化的意識を呼び込む未来志向の惑星だという見解が出てきています。

金融占星術 マーケット(マクロ経済・金融)から見た冥王星の意味

太陽系において、冥王星の公転周期は247.8年(約248年)、日数に直すと247.8×365.24≒90506.472(約90506日)です。

冥王星が一つの星座に滞在する期間は、約14~26年間となります。

※公転の軌道が楕円なので一つの星座に滞在する期間にバラつきが生じます。

冥王星の逆行期は1年間の中で1度起こります(逆行期間は約5ヶ月)

逆行期間が長いので、年をまたぐ場合もあります。

冥王星の性質は、極端・異常・激しさ・生と死・破壊と再生・終わりと創造・根源的な変化・避けられない強制的な力であるため、冥王星の影響力が強い時は多くの金融市場では相場のトレンドが反転し、比較的長期の新しいトレンドがスタートします。それは従来のトレンドが終了して、新しいトレンドが始まることを意味します。

冥王星が他の惑星とアスペクトを形成する時間帯は、長期トレンドの転換期となり、それまで長期間維持されてきた(サポートライン下値支持線)やレジスタンスライン(上値抵抗線)を突破する傾向があります。

具体的にはその年に起こる金融危機の発生を警告していたり、バブルの崩壊を意味する場合もあります。同じく、経済的な回復や復興によって傷んだ相場に大きな回復のパワーをもたらすケースもあります。

水星と共に為替相場に与える影響が大きいとも言われています。

2022年1月1日の天空図チャートでは、冥王星は山羊座に在住し、逆行金星と順行水星と接合(0度)していました。

これは、お金の流れに運命的・強制的で極端かつ破壊的な力が作用することを意味します。

結果的に、1月中旬に水星も逆行し始め、金星と逆行する期間が重なっている時に、ニューヨークダウは過去最高値を付けて下落トレンドに突入しました。

※黄色でマーカーしている期間が下落トレンドの始まりで、金星・水星の逆行期が重なっています。

この大きなトレンドの転換は、年初の冥王星と水星・金星が接合していたことでもたらされました。。

冥王星はマーケット(マクロ経済・金融市場)において、

破壊と再生・消滅と創造・地下組織・原子力・プルトニウム・核兵器・遺伝子工学・自然災害・テロ

を意味します。

金融市場のサイクルにおいて、冥王星の公転周期とよく似たものは、

国家体制や文明の終わりと始まりにおける転換期(200~250年)・飢饉(242年)

となります。

冥王星にとって、有利な星座は蠍座 (本来の座)と獅子座(高揚の座)であり、不利な星座は牡牛座(障害の座)と水瓶座(減衰の座)なので、こうした星座に冥王星がある時は、相場の環境認識を行う上で気を付ける必要があります。

冥王星の逆行期は、変容・進化・成長のために起こる停滞・退歩・衰退などを長期的な視点で受け入れ、次のステップへの移行に向けた準備を行うのに最適の期間となります。



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