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【海王星】集合的な無意識を示す惑星について知る~明確に意識化されていないイメージとヴィジョン~




海王星   自己犠牲と見返りを求めない愛 理想と流行 現実逃避 芸術文化 オカルトと神秘学

海王星の基本的な意味は理想、芸術、夢、ヴィジョン、幻想、無償の愛などといった意味があります。土星の現実性とは正反対の意味を持ち、浮世離れ、現実離れしている特徴があります。海王星の影響が強い人は、現実の社会における適応性に欠けるケースも多々あります。主体性のなさやルーズさ、あるいは曖昧さ、嘘、詐欺、混乱などといったネガティブな意味が出てくることもしばしばあります。

しかし、その理想を追い求める詩的センスや甘く美しい幻想性が上手く発揮されると、偉大な芸術家、音楽家や精神世界における優れた才能として出てくる場合もあります。社会の歯車として生きることを求められていない芸能人や俳優、歌手、ダンサーなどのエンターテイナーには絶対的に不可欠な要素です。

理想、憧れ、信用、未来に対する希望といったものは目には見えない価値のある事柄です。それが、新しい世界を心に描き、時代の流行をもたらすのです。

海王星の影響によって、理想的な恋を求め、幻想に満ちたロマンチックな雰囲気が醸し出されるので、金星と海王星のアスペクトがある人は恋愛やSEXに耽溺しやすいと言えるでしょう。海王星は金星よりも一オクターブ高い惑星とされています。

ロマンスや芸術を求める生き方には素晴らしい組み合わせですが、現実逃避したり、社会的責任から逃れようとすることもあるので関わる相手にとっては注意が必要です。海王星は「自己と他者」とを隔てる境界線を溶かすような作用があり、他人の悲しみや心の痛みをまるで自分が感じているかのように受け取ってしまう強い感受性としても作用します。

カウンセラー、ヒーラー、チャネラーとして人を癒す仕事に就いている方にとっては、海王星の性質を上手く使うと最大限に仕事能力を発揮できます。もしも、海王星が太陽や月と大きな関連性を持っている人は、他人や周囲の環境に敏感で身体や感情がその影響を受けやすくなります。

また、薬やアルコールの摂取には一般的な飲用の仕方以上に気をつける必要が出てきます。いわゆるアレルギーなども海王星の影響による場合があります。

海王星は豊かなイマジネーションと幻想的な夢、ヴィジョンをもたらすスピリチュアルな惑星で、人生観を一変させるような神秘体験、日常生活に支障をきたす程の鋭い霊感、通常では考えられない摩訶不思議な現象もこの作用を受けている傾向があります。

個人の限界を突破して発揮できる天王星よりも、さらに外側にある惑星なので、自我がはっきりと意識化しにくい漠然とした無意識からのメッセージや混沌としたイメージを表す惑星と言えるでしょう。精神分析の父と呼ばれるフロイトがこの海王星が個人に与える影響を「夢分析」を通じて詳しく研究しています。

経済や金融においては金星や木星と海王星の組み合わせがインフレーション(物価上昇)や株価の高騰を意味する場合もあります。

金融占星術 マーケット(マクロ経済・金融)から見た海王星の意味

太陽系において、海王星の公転周期は164.77年(約165年)、日数に直す164.77×365.24≒60180.5948(約60181日)です。

海王星が一つの星座に滞在する期間は、約14年間となります。

海王星の逆行期は1年間の中で1度起こります(逆行期間は約5ヶ月)

逆行期間が長いので、年をまたぐ場合もあります。

海王星の性質は、必ずしも事実に基づかない噂・理想と願望・未来に対する希望・混沌・裏切り・失望と幻滅であるため、海王星の影響力が強い時は根拠のない期待と幻想が先行し、現資金をてこにしたレバレッジ取引(信用・先物など)が増えるので、相場の値動きはバブル的膨張を引き起こし、その後に弾けて大損失を被るケースが多くなります。

そのため、金融市場で売買する時は、誤った情報や事実ではない噂に細心の注意を払う必要があります。

海王星が他の惑星とアスペクトを形成する場合、相場は上にも下にも行き過ぎる、いわゆるオーバーシュートの値動きをするので、多くのトレーダーは客観的な判断をするのが難しくなります。

木星と同じく魚座を支配する海王星は原油市場に大きな影響を与えます。

魚座は海水の象意であり、農作物価格に影響をもたらす降雨や水分なども密接な関連があります。

海王星はマーケット(マクロ経済・金融市場)において、

偽情報で騙される・吸い込まれるような値動き・海洋(資源)・石油・ガス・ココア・たばこ・インフレ・バブル・

を意味します。

金融市場のサイクルにおいて、海王星の公転周期とよく似たものは、

金(ゴールド)の長期サイクル(12~13年)・穀物の長期サイクル(12~13年)・経済の上昇サイクル(14年)・戦争や災害による損害からの復興サイクル(14年)

となります。

海王星が一つの星座に滞在する期間である14年は、7の倍数であり、様々なサイクルの節目とされます。

旧ソ連の経済学者であるコンドラチェフは、56年の長期の景気循環の波を発見しました。(海王星の観点からも14×4=56年)

この規則的なサイクルは、

1.大きな技術革新が起こる

2.国家の成長と衰退に関係がある(成長期25.6年+衰退期25.6年=クズネッツ・サイクル)

と非常に関係が深いです。

出典:三菱UFJモルガンスタンレー証券(日本経済における景気循環の波)

技術革新を例にとると、産業革命から現在まで5つの波がありました。

その経緯は以下の通りです。

第1波:蒸気機関と紡績(産業革命)

第2波:鉄鋼と鉄道

第3波:化学・電気・自動車

第4波:エレクトロニクス・原子力・航空宇宙

第5波:コンピュータのデジタル技術・バイオテクノロジー

第5波は継続中であり、これからの第6波は、ライフサイエンス・人工知能(AI)・ロボットが牽引するという見方もあります。

今後の6波を起こす技術革新は、環境・食料・エネルギー・高齢化がキーワードです。

※ライフサイエンスは生活の基本である「生きる」「食べる」「暮らす」と密接に関わり、環境・食品・医薬品・化学品などの幅広い産業分野への応用が期待されています。

海王星にとって、有利な星座は魚座(本来の座)と蟹座(高揚の座)であり、不利な星座は乙女座 (障害の座)と山羊座(減衰の座)なので、こうした星座に海王星がある時は、相場の環境認識を行う上で気を付ける必要があります。

海王星の逆行期は、夢や理想を追い求める気持ちから現実離れした甘い誘惑や偽の情報に乗らない姿勢が求められます。



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