占星術・スピリチュアル

【土星】占星術の基礎惑星について知る~自己実現の達成に伴う試練、障害、困難を乗り越えることで魂を成長させる~




土星  障害と忍耐 責任 使命と義務 試練と自己成長 遅延と停滞のサイクル

土星は基本的に制限、困難、束縛、試練、義務、責任などを表します。伝統的な占星術では不運の星、凶星と呼ばれてきました。

しかし、情報過多で多様性に富み、周囲に惑わされることなく能力が求められる現代社会では、自己管理能力と自己規律を意味する土星の役割が非常に重要になってきます。

土星には秩序を保ち、物事を管理する能力があるからです。何らかの自制心やコントロールが必要な分野では、土星が有益に働いてくれます。

人生において、大きな試練や努力を強いることが多々ありますが、それに屈することなく課せられた役割を最後まで成し遂げることで、揺らぐことのない信頼、優れた評価、大きな尊敬を勝ち取ることにつながります。

さらに、自らが進むべき道で安定した基盤と積み重ねによる土台を確立し、どんな困難にも耐え得る自信を持つことを可能にしてくれます。

それは、易きに流れず苦痛に立ち向かう精神的な強さを養い、魂のレベルアップを促すことにつながります。

土星は自分が不得意な分野やターゲットを表すので、心理学でいうシャドウ(心の影)と同じ意味になります。

シャドウとは自分の中にある見たくない暗くて醜い部分、最悪だと感じる要素を意味します。

人生の前半では苦手意識や不得手な分野として避けたくなりますが、土星の示すシャドウに取り組み、じっくりと時間をかけて克服することで大きな自己成長につながります。

その結果、仕事や社会生活のレベルでも、しっかりとした実績を残すことができます。

土星は苦労を乗り越えた結果に基づく、自己完成と経験的知恵をもたらしてくれるのです。

土星の影響が良ければ、時間を味方に付けることで、熟練したセンスを育み、どんなに難しい問題も解決し、物事を完成させることでしょう。そのため、堅実で真面目な努力家として、人生の晩年における成功も期待できます。

もし土星の影響が悪ければ、孤独や貧困、不満や失望が耐えない状況に陥りがちです。

しかし、土星の示す困難さを人生のテーマとして長期的に取り組む姿勢によって、その影響をポジティブに転換することも十分に可能となります。

土星は現実的な営みにおける今世の具体的な目的と使命を教えてくれます。

誰の人生にも、土星の周期に基づく人生の大きな節目というのが少なくとも2度は訪れます。

それは、まず1度目が29歳前後に訪れ、2回目が58歳前後に訪れるサターン・リターン(土星回帰)と呼ばれるものです。このサターン・リターンはトランジット(現在運行中)の土星が出生チャート上の土星に回帰してくることを意味します。

誰しもが分かりやすい形で、29歳前後に大きな転機を経験しているはずです。

その時期は、土星が順行したり逆行(見かけ上、逆の動きをする)したりするので、同じ年齢の人でも少しずつ時期が異なります。

しかし、仏陀が王族としての立場に嫌気を指し、悟りを開くために出家したのが29歳であったことからも分かるように、その時期は必ず大きな人生の節目となるのです。

占星術的に言えば、29歳前後までは親子関係や生まれ育った環境の影響を受けて生きてきたので、自分の人生の本来の目的をまだ自覚していないケースも多いです。

そのため、自分が生まれ持った魂の課題や人生の使命と全く異なる生き方をしていると、29歳前後で「人生の本来の目的を生きるため」に不要なものを刈り取る時期を経験します。

それは、喪失感や損失を伴う場合もあるでしょう。自分らしく生きていなかった方の多くは、その時期に非常に困難な時期を体験しています。

逆に29歳までにできるだけ自分の本質に近づいた生き方をしようと努力してきた方にとっては、自分のやってきたことを盤石な地固めをする段階に入ります。

そのいずれになるのかは、いかに自分らしく生きてきたのかが1つの分かりやすい指標となってくれます。

土星の影響が強く現れるのは、55歳から70歳までの年齢域、一つの世代が交代する周期に相当します。

インドの数秘術では8に関連しています。

金融占星術 マーケット(マクロ経済・金融)から見た土星の意味

太陽系において、土星の公転周期は29.46年(約29~30年)であるため、日数に直すと29.46×365.24日=10759.9704日(約1万759日)です。

一つの星座に滞在する期間は、約2年半間となります。

土星の逆行期は1年間の中で1度起こります。(逆行期間は約4~5ヶ月)

土星の性質は課せられた制限・克服すべき課題・忍耐を強いられる困難であり、基本的に物事が上手く進みにくく、計画通りにならない事態が起こります。

土星の影響力が大きい時は、金融市場において不振・閑散・引き締め・弱気になることが多いです。

土星が入っている星座が象徴する分野では株式の個別銘柄や商品等の相場は下落傾向を示したり、売買取引の量が落ち込み、出来高の減少する傾向が出てきます。

土星と他の惑星が凶角のアスペクトを形成すると、株式指数や特定の商品において下降トレンドが続いたり、最安値をつける場合もあります。

土星のパワーが非常に強い時は、投資マインドは冷え込み、恐怖感・抑うつ感・絶望感・悲観主義に覆われて、心理的パニックによる大幅な売り越し・連続的な売り圧力が目立つようになります。

土星が他の惑星とアスペクトを形成する場合、特に木星・天王星・海王星・冥王星と吉角(60度・120度)を形成すると景気が回復基調で、株式や商品の相場の安定性を取り戻しやすくなります。

逆に木星・天王星・海王星・冥王星と凶角(90度・180度)を形成すると、景気の減速や後退懸念が生じ、株式や商品の相場が不安定になります。

木星・天王星・海王星・冥王星と接合(0度)すると、社会全体で大きな問題が注目されたり、世界情勢に不穏な動きが生じるため、景気の動向や相場の値動きが極端に悪い方向に偏る傾向があります。

アメリカの大規模な金融緩和が終了した2014年10月の直後、土星は木星と90度の凶角となっただけでなく、2015年~2016年にかけて土星は海王星と接合(0度)となったため、1バレル=100ドルを超えていた原油価格は2014年11月~2016年3月にかけて大幅に下落しました。

(※底値は2016年3月の1バレル=26.6ドル。木星と海王星は共に原油の象意でもある。)

2008年に起こったリーマンショック後における金融市場の動乱と実体経済の不景気は2012年まで長く続きました。当時は2010年~2011年に木星180度土星・土星180度天王星・土星90度冥王星と非常にネガティブな惑星の配置が複合的に重なりました。

木星(資本)が土星によって傷つけられただけでなく、土星と天王星の凶角の組み合わせは景気後退の代表的な意味を持っています。さらに追い打ちをかけるように冥王星の破壊的な作用が土星によって容赦ないレベルに高まりました。

その結果、PIIGS諸国と呼ばれるポルトガル・イタリア・アイルランド・スペイン・ギリシャではソブリンリスク(財政破綻危機)が起こり、ユーロ経済圏の崩壊までもが不安視されました。

また、日本やアジアの新興国も、欧州を中心とする外需低迷によって深刻な不景気に見舞われました。

土星はマーケット(マクロ経済・金融市場)において、

縮小・欠乏・貧困・抑圧・ネガティブな思考・値幅が小さい・相場が底堅い・相場を冷やす・売り・弱気・デフレ・景気の停滞と低迷・下降トレンド・鉱山・土地

を意味します。

金融市場のサイクルにおいて、土星の公転周期とよく似たものは、

食料不足と飢饉(29.7年)・工業株の株価(30年)・住宅着工件数(30年)・デフレ周期(30年)・インフレ周期(30年)・企業の栄枯盛衰(30年)

となります。

土星がある星座から次の星座(例・牡羊座から牡牛座)に移行する時、相場が変化するサイクルを示すのは、

米国株価(27.5ヶ月)・金(ゴールド)相場(27ヶ月)・銅価格(29.2ヶ月)・カナダ鉱山関連の株価(27ヶ月)・銅関連の株価(27.6ヶ月)・商取引の活況(28.9ヶ月)・卵価格(30ヶ月)

となります。

また、土星が入っている星座では、その星座が象徴する分野に不運がもたらされます。

例えば、乙女座であれば医療やデータ分析、天秤座であれば接客業やサービス業、蠍座であれば金融業や原子力関連、射手座であれば海外貿易や宣伝広告、山羊座であれば保守的で安定志向の高い職種という具合です。

土星にとって、有利な星座は山羊座・水瓶座(本来の座)と天秤座(高揚の座)であり、不利な星座は蟹座・獅子座 (障害の座)と牡羊座(減衰の座)なので、こうした星座に土星がある時は、相場の環境認識を行う上で気を付ける必要があります。

土星の逆行期間中は、相場と向き合う上で自分にとっての課題や苦手意識に向き合う良い機会です。

過去のトレード経験をじっくり検証し、そこから得るものを大切にして、新たな一歩を踏み出す準備を行うよう努めてください。

置かれた状況を客観的に見直すことで現実のハードな厳しさが和らぐ可能性もあります。

新しいやり方やこれまでと異なる発想を柔軟に取り入れることで、大きな成長を遂げるための転換期が訪れるでしょう。

土星の逆行期間は、過去にあった失敗体験や反省点を振り返り、自分のウイークポイントを克服しながら相場と向き合う必要があります。

土星の対応石について

土星・ブルーサファイア(代替石 アメジスト ラピスラズリなど)



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