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仮想通貨の市場に大きな変化の兆し




仮想通貨の市場に大きな変化の兆し

 

現在、日本の仮想通貨に関する税金は、総合課税であり、雑所得扱いなので、普段、お仕事をして給与をもらっていたり、仮想通貨による利益が大きくなればなるほど、税率は高くなります。(最高55%)

このような税制が原因で、株式や為替のトレードをしているプロもしくはトレーダー(個人投資家含む)が二の足を踏んで、仮想通貨に手を出さないでいるというケースはごく普通のことなのです。

その一方で、コインチェックを買収したマネックス証券、ICOで大成功し、大きな資金を手に入れたオウケイウェイブ、仮想通貨取引所を運営しているリミックスポイント、フィスコなどの株価は、大きく上昇しています。

特にオウケイウェイヴは、昨年12月末の1000円台から現在8020円と、8倍に上昇しています。

このことは、仮想通貨投資には慎重になりながらも、時代の新しい変化を先取りしている情報が好材料となり、株価の押し上げ要因となっている株式市場にとって、強いインパクトをもたらしていると断言できます。

つまり、仮想通貨による産業構造の新しい変化や、それがもたらす経済成長の可能性を否定しないのに、税率20%でしかも源泉分離課税のため、証券会社で口座開設の際に手続きさえしておけば、税金や確定申告についてほとんど考えなくて良い株式の売買の方が気分的に楽、という意見を持っているのでしょう。

(※株式は、年間の損失を確定申告によって3年間繰越控除できます。利益よりも損失が上回っていれば、その期間の税率はゼロになります。仮想通貨は雑所得のため、年間で損失を計上したら、それで終わりです。)

ということは、税金のことを考えてしまうと、仮想通貨の売買に対する意欲が減退してしまっている方々が多いのです。

これがもし、総合課税ではなく、株式やFXのように20%の税率になったら、投資家の考え方は大転換することは間違いありません。

なぜなら、2018年はトランプ大統領による貿易戦争懸念やアメリカの利上げ懸念などで、未だに利益を伸ばせていない株式の投資家はたくさんいます。しかし、もし2018年時点で株式投資で成功を収めているとすれ、仮想通貨関連の銘柄を絶えずウオッチしているか、売買していることが理由の一つとして挙げられるはずです。

このようなモヤモヤした風潮の中で、つい最近、フランスは仮想通貨の収益税率を最大45%から一律19%へ引き下げることを発表しました。

フランスはドイツと同じくビットコイン規制を予告するなど、世界に先んじて仮想通貨規制の必要性を重視していたにも関わらず、その一方で、仮想通貨の基盤となっているブロックチェーン技術の将来性を見込んで、この技術の進化や革命性を阻害しないことも約束しています。

そのフランスの影響を受けてなのか、あるいは同時進行的に水面下で起こっていたのか、4月27日に日本の金融庁で開催された「仮想通貨に関する研究会」では、有識者から仮想通貨を有価証券に適応すべきとの意見が出ています。

これは、日本の仮想通貨の税制は批判されることが多く、今ままでは税率の高さという参入障壁が大口投資家の流入も阻むことになっているため、改定を望む意見も増えてきているからです。

加えて、仮想通貨そのものや税制の規制が厳しすぎると、本来この分野で世界をリードすべき日本の技術研究の速度が遅れる、という不安の声も上がっています。

フランス国家評議会が仮想通貨の所得税率を従来の最大45%から一律19%へ引き下げることを決定したのは、日本における今後の仮想通貨の税制に変化をもたらす極めて強いインパクトを持っています。

総合課税の雑所得扱いから、申告分離課税に変更される可能性が高まりつつあります。

実際に、株式やFXの世界でも最初の頃は雑所得扱いでしたが、年数が経つにつれて申告分離課税となり一律20%の税制へと変更された経緯があります。

今年3月22日の国会では、仮想通貨における税制改正の議論がなされ、日本維新の会の藤巻健史参議院議員は、「仮想通貨の取引は申告分離課税(20%)、 交換については非課税にすべき」と発言し、大きな注目を集めました。

加えて、税制を司る財務省の麻生太郎大臣も、申告分離課税に賛成との見解を示しました。

まだまだ、日本の仮想通貨に関するルールや税制は曖昧で、きちんと定義すべき点がたくさんあります。

しかし、いずれは、フランスのように、一律の税率で申告分離課税となっていく気運が高まっていくことでしょう。



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