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ノアコイン(NOAH)がビート・ホールディングス・リミテッドの大株主に!




ビート・ホールディングス・リミテッド(東京証券取引所の市場第二部に上場・証券コード:9399)は複合的な事業を展開するグループ企業であり、主にシンガポール、中国及びその他のアジアの地域において事業を展開しています。

また、A2Pメッセージング・サービス並びにソフトウェア製品及びサービスを提供し、ウェルネス・サービス、ヘルスケア・ウェアラブル端末、センサー、メディカル情報、データ分析を提供し、知的財産権及びその他の権利のライセンシング事業も行っています。香港に事業本部を構え、グローバルなネットワークを有している中華系企業です。

ビート・ホールディングス・リミテッドの主な事業内容

・ウェルネス、メディカル情報サービス

・ヘルスケアウェアラブル端末サービス

・IP(知的財産)のライセンシングに関わるサービス

・モバイルメッセージングサービス

・ソフトウェア製品サービス

・上記サービスを発信していくモバイルアプリの制作

これらの事業展開を、アジア中心に行なっています。

ノアコイン(NOAH)がビート・ホールディングス・リミテッドの経営に物申す!

ビート・ホールディングス・リミテッドに対して、仮想通貨であるノアコインの運営母体が、現在11%の大株主となりました。

これは、経営に対する物言い(議決権行使)をしたいということです。

ノアコインは、世界11カ所での取引所への上場や両替所への登録を果たし、大きな注目を集め始めています。

ノアコイン(NOAH)は、インドやフィリピンでの実用化が期待される仮想通貨

インドの仮想通貨取引所であるWazirXでは、ノアコイン(NOAH)と法定通貨インドルピーとを直接交換できることから、インドでの市場拡大も見込まれています。

6月12日にノアコイン(NOAH)専用ウォレットのダウンロードリリースが開始され、送金や決済に使える頻度も高くなりそうです。

また、フィリピンの健康保険にあたるPhilHealthの支払いや、電気会社のMeralcoや、最大手電気通信会社PLDTなどの公共料金の支払いも、フィリピンで人気のショッピングサイトを通して、ノアコインで行えるようになりました。

数多くの仮想通貨がありますが、公共料金などの支払いができるのはビットコイン以外は現在のところ見受けられません。

場所や時間を選ばずにノアコインでの決済、支払いが可能となり、今後のフィリピンでのノアコイン使用拡大につながる機運が高まっています。

ノアがビート・ホールディングス・リミテッドに株主提案を実施した理由

具体的な特徴を打ち出した仮想通貨のノアコインが、企業買収とも解釈できる行動に打って出ました。

それは、日本及び世界にさらなるノアコインの認知、及び普及を目指す事を目標としています。

ノアコインの運営母体であるNoah Ark Technologies Limitedが、2018年6月8日に、ビート・ホールディングス・リミテッド社に対して株主提案を行いました。

この株主提案はノアコイン運営母体(Noah Ark Technologies Limited)がビート・ホールディングス・リミテッド社の株の過半数(50%以上)を取得し、「NOAH GLOBAL EXCHANGE」というノアコインを基軸通貨とした仮想通貨の取引所を世界的に展開していくく方針のようです。

世界の32言語を用いた安心で安全な取引所としてコールセンターも完備し、ノアコインをスピーディーに勢い良く世の中全体に流通させていきたいという意向が含まれています。

ノアコインの今後は?

ノアコインの先鋭的な活動は、仮想通貨業界の枠を超え、株式市場からも大きな注目を浴びており、ビート・ホールディングス・リミテッドの株価は4倍を超える程に上昇しています。

まさに、仮想(ヴァーチャル)の世界から、現実(リアル)の世界に足を踏み入れた最初のコインとなり得る可能性を秘めています。

ビートホールディングスはブロックチェーン技術の分野で開発を促進し、実用化されたサービスを提供したいと考えています。

そこでWIN-WINの関係をノアコイン運営母体と共に構築できるかが今後の課題と言えるでしょう。

ところが、こうした案件は過去の事例では上手くいかなかった傾向があります。

ノアによるビート・ホールディングス・リミテッドの敵対的買収か?

2018年6月23日に臨時の株主総会を開いて、ノアグループの株主提案をビートホールディングスが承諾することを望んでいるのでしょうが、ビートホールディングス側にデメリットの方が大きければ、これはほぼ敵対的買収となる懸念を秘めています。

基本的に、敵対的買収が上手くいったことは、過去のライブドアのニッポン放送買収騒動(フジテレビによって退けられる)やブルドックソースの買収防衛(最高裁で米スティール・パートナーズ買収を否決)に見られるようにほとんどありません。

最高裁の司法判断としては、「株主共同の利益が害される場合、直ちに株主平等原則に反しない」ということで、日本ではほぼ皆無だと言えます。アメリカなどにおいても、世間を騒がせていた割には、最終的に成立した数は多くありません。

ただし、敵対的買収に対して、反対の意向を表明していた企業も、最終的に何らかの形で賛成、同意しているケースもあります。

それは、お互いの利益が合致して折り合いをつけているか、買収される側が財務基盤などの理由で妥協せざるを得ない状況に置かれていたからです。

今回のノアコインのケース

今回のノアコインのケースでは、経営に関する議決権行使には、ノアが保有する株数が圧倒的に少ないので、それを新株予約権の発行で埋め合わせしようとしているように思えます。

もし仮に、50%の株式をを握ることに成功すれば、ほぼすべての意見は通る見込みがありますが、そこまでの道のりは決して楽ではないはずです。

その根拠として、ノアコイン運営母体が現在保有する1,144,000株に加え、近日中に保有する残り全ての新株予約権を行使しビートホールディングスの株式3,000,000株(発行済株式の15.8%)を今般提案する株主総会までに保有する予定、ということ。

そして、さらに「ノアコイン側がビートに対する持分を増やして普通株式10,000,000株を取得保有するため、ビートが7,000,000株の新規株式及び17,000,000個の新株予約権を発行し、これらを私募によってノアコイン側に対して割り当てを行うことを提案する」ことを主張しているという背景があるためです。

かなり無理がある強引な提案に思えますが、ビートホールディングス側にもメリットがあって、仮にこの事案が成功すれば、もっと穏やかで適切な方法で、他の仮想通貨運営母体が、真似をすることも考えられます。

そうすると、仮想通貨を発行する組織が、上場企業の実権を握る、というかつて想像できなかった社会が将来的に訪れることも夢物語ではなくなってくるのです。

過去の歴史 三角合弁法

参考になる出来事がないか、少し過去の歴史を振り返ってみましょう。

アメリカは2007年1月に三角併合法という形で、株式交換だけで日本に株式上場している優良企業を次々と買収しようと試みました。

しかし、結局はあまり実行されませんでした。

それは、日本企業に対する外国資本による買収を増加させる懸念があるとの指摘が経団連など日本財界などを中心に起こったことに起因しています。

労働者としては、利益が上がっても、三角合併の買収防衛策で株主優先となり、給与等の伸びの鈍化が懸念され、現場からの反対の声も多く上がりました。

今回のノアコインのビートによる買収的な動きは、こうした三角合併法を彷彿とさせます。

※アメリカの日本における三角合併第1号は、シティグループによる日興コーディアルグループの買収となります。

※ソフトバンクによるボーダフォンの元日本法人や日本テレコム等の買収もこの手法を用いている。

見極める必要性

ノアコインの運営母体が、どこまでビジネス展開を通じて人々に喜ばれる社会貢献しようとしているのか、それとも単なる強欲な金融資本主義の思想を持っているのかをしっかりと見極める必要があります。

後者であれば、必ず何らかの形で不意に落ちぶれていくでしょう。それは、サブプライム問題の後、リーマンショックで大きな痛手を受けたアメリカのように歴史が証明しているからです。

〈追記1〉LieWan Chie7,758,147株)31.19% 第一位、Noah Ark TechnologiesLimited (ノアグループ)3,999,900株)16.08%第二位、Esther Mo Pei Pei(3,528,531株)13.13%第三位という株主構成になっています。

それぞれ、分裂した意見を持っているか、誰かがと誰かが歩み寄っているか。3者とも合意形成しているか。それによって、ビート・ホールディングの行く末が決まるでしょう。

ノアグループとモー氏が裏で協定を結んでいなければ、現時点ではリー氏が筆頭株主となります。しかし、ノアの望んでいるのはビートの株式の約50%を保有することです。

日本の企業がビートと技術提携したいという話もあるようで、ノアグループの意向が必ずしも通らない状況となっています。次の株主総会でどのような決定がなされるか非常に注目に値するところです。

このブログで書いたとおり、敵対的な買収でスムーズに成功する確率は極めて低いです。ノアグループの誠実で謙虚な対応が求められることでしょう。

〈追記2〉このブログで懸念していた通り、敵対的買収に対するホワイトナイト(白馬の騎士)が現われました。Wowoo Pte. Ltd.というシンガポール登記の会社です。この会社は、Wowbitという仮想通貨ICOトークンの販売にて331億6200万円の資金調達に成功しています。AI(人工知能)及びP2Pテクノロジーのリリースを通じて、新たな形のエコシステムの構築を目指しています。詳しくは、www.wowoonet.comのサイトをご覧ください。

ビート・ホールディングスは、7月10日にWowoo Pte. Ltd.とヘルスケア及びブロックチェーン事業における事業提携、及び、第三者割当による新株発行を内容とする資本業務提携を行う契約を行いました。

これにより、Noah Ark Technologies Limited(ノアコイン運営母体)より受けている買収提案が臨時株主総会及び年次株主総会にて否決される可能性があります。

同じく、Wowooとの資本業務提携が株主総会でNoahが否決され、Noahによる株主提案をビート・ホールディングスが受け入れる可能性もあります。

いずれにしても、株主の各々がどちらかを選択することを議案とする株主総会が行われる予定です。IR情報にある通り、「ビート・Wowooの双方の意向」が共に株主総会にて承認、実施されることはありません。ビート・ホールディングスはいずれかの主張を受け入れることになります。

(重要)ビート・ホールディングの立場としては、Wowooの資本提携・業務提携の方が当社の企業価値増大により寄与するものと考えており、Wowooとの本件資本業務提携を今後の成長発展の柱として実施し、Noahが提案している内容については受けいれない方針です。当該臨時株主総会及び/又は年次株主総会の開催日時・開催場所・議案等についても決定次第お知らせいたします。

※ビート・ホールディングスは、「ノアコイン運営母体さん、あなたのこと嫌いです。正直、受け入れられません。」とはっきりIR情報で開示しています。ノアとしては、株式の売却で如何に大きな利益を得るか、という方向転換を強いられているかもしれません。

【9月7日追記】

プレスリリースにて、主要株主に異動がありました。
筆頭株主 Noah Ark Technologies Limited
Noahが保有する当社の普通株式の一部を市場外で第三者に譲渡する旨の通知を受け、本日当該譲渡がなされたため、以下のとおり、Noahは当社の主要株主ではなくなることを確認しました。株式保有比率がまだ9.9%ですが、Noahとしてはビートに対する熱意が冷めたように見える内容です。臨時総会前に何か裏口合わせがあった可能性もあります。本気でビートを買収したいのであれば、臨時総会後を踏まえても、淡々と株式を買い集めていても不思議ではありません。ここまでの情報では、ビートからの反意をダイレクトに受け取った素直な対応と見なすことも出来ます。今後の展開にも注目していきたいと考えております。

【9月26日追記】

ビート株を保有していたノア・アーク・テクノロジーズが全ての株を売却したと発表しました。ノアは10月5日に開くビートの臨時株主総会でノアへの新株予約権の付与を柱とした株主提案を提出しています。ビートはケイマン籍で、ケイマン諸島の法律に基づき、売却後も株主提案自体は有効だとしています。

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臨時株主総会でノアの提案が否決される

10月5日、ビートの臨時株主総会が行われ、ノアの提案が否決されました。これで「敵対的買収を成功させることは難しい」という過去の教訓が改めて確認されたことになります。

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