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東京オリンピック成功とIoT社会の実現に向けて改正サイバーセキュリティ基本法が成立!




2018年11月29日、イスラエル国家サイバー総局とサイバーセキュリティー分野の研究開発や人材育成などで協力する覚書を締結しました。

イスラエルは世界一のサイバー防衛と情報セキュリティ技術を誇るIT大国

戦火の火種がくすぶり続ける中東という地政学的な背景もあり、イスラエルは世界一のサイバー防衛能力を持つ超IT大国となっています。

サイバーセキュリティの人材不足が深刻な日本は、若手技術者をイスラエルに派遣するなど、人材育成で連携する方針です。

日本とイスラエルの覚書では、企業や研究機関間でのサイバーセキュリティ分野での情報交換を促進するとしています。

両国が経済発展の柱に据えるモノのインターネット(IoT)技術を活用するため、サイバーセキュリティーの強化が主な研究開発のテーマとなります。

IoT社会の実現は無料Wi-Fiスポットでネットに接続できることから始まる

IoT社会実現の第一段階として、大手携帯キャリアのドコモ・au・ソフトバンクは、外出先で手軽に無線による高速インターネットを利用できる公衆無線LANサービスを全国に展開しています。

そのため、スマホやタブレットなどWi-Fi対応の端末があれば、Wi-Fiスポットを通じて、契約データ容量の消費を気にすることなくインターネットに接続できるのです。

無料Wi-Fiスポット一覧と利用制限時間&回数

カフェ一
スターバックスコーヒー 60分
タリーズコーヒー 無制限
ドトールコーヒー 180分
コメダ珈琲 60分

レストラン・ファストフード
マクドナルド  60分
PRONT 30分(1日3回まで)
デニーズ 60分(1日2回まで)

コンビニ
セブンイレブン 60分(1日3回まで)
ローソン 60分(1日5回まで)
ファミリーマート 20分(1日3回まで)

ショッピングセンター
イオンモール  60分
イトーヨーカドー 60分(1日3回まで)
PARCO 60分(1日3回まで)
ドン・キホーテ 制限なし(30分内の店舗もあり)

鉄道駅構内や高速道路のサービスエリア・パーキングエリア
JR西日本 60分
JR東海 30分
JR東日本 180分
NEXCO西日本 無制限
NEXCO中日本 無制限
NEXCO東日本 無制限

自治体
東京都(TOKYO) 無制限
京都府(KYOTO)  30分
大阪府(Osaka)    60分
広島市(Hiroshima) 30分

その他施設
カラオケJOYJOY  無制限
マツモトキヨシ  無制限

不用意に無料Wi-Fiスポットを使うことは情報セキュリティの観点から危険

とは言え、無料Wi-Fiスポットの中には、情報セキュリティの観点から非常に危ない場所もあり、細心の注意を払わないと、スマホやタブレット内の個人情報が抜き取られたり、LINEを乗っ取られたりする懸念もあります。

何故なら、情報セキュリティの対策が十分ではない無料のWi-Fi回線を使っていると、電波の受信や解析が容易だからです。

こうした課題を受けて、政府と行政が一斉に解決に向けて動き出したと言えます。

もちろん、無料Wi-Fiスポットのセキュリティ対策を講じないことだけがリスクなのではありません。

自宅でPCやスマホ・タブレットを使っていても、サイバー攻撃に晒されるリスクがあります。

PCは必ずウィルス対策ソフトをインストールしておきましょう。

スマホ・タブレットで自分でできるセキュリティ対策としては、

1.接続画面に鍵マークが付いているWi-Fiを選択
2.自分の接続したいSSIDかどうかきちんと確認してから選択
3.個人情報の入力が必要なページにはアクセスしない
4.ログインIDやパスワードを入力しない・表示させない

という方法があります。

スマホ・タブレットのWi-Fi設定画面を開くと、SSIDの横に扇形のWi-Fiマークがあります。

そのマークの左横に鍵マークが付いている場合と、ない場合があります。

1.鍵マークが付いているWi-Fiは、通信のデータ内容を暗号化しており、安全性が高いWi-Fiだと言えます。

2.鍵マークが付いていないWi-Fiは、暗号化がされておらず、通信情報が漏洩するリスクが高いと言えます。

鍵マークが付いているWi-Fiに接続するためにはパスワードが必要となります。

パスワードは使用可能なば場所ののWi-Fi情報で確認できます。また、コンビニ、カフェ、レストランであれば、スタッフの方に聞けば教えてもらえます。

できるだけ鍵マークが付いている無料Wi-Fiスポットを利用するように努めてください。

危険なWi-Fiに接続してしまうと、そのスマホやタブレット端末がウイルスに感染したり、画像や個人情報のデータが勝手に抜き取られるリスクが生じるからです。

2020年東京オリンピックは、サイバーセキュリティの強化が喫緊の課題

2018年11月の中間選挙前に、アメリカが中国当局に対して注意喚起を行ったように、2020年に日本で開催される東京オリンピック・パラリンピックにおいて、大規模なサイバー攻撃が警戒されています。

ロンドン・リオデジャネイロ・平昌冬季オリンピックではサイバー攻撃に見舞われている

何故なら、2018年2月9日に開催された平昌冬期オリンピックでも、高度な技術を持つハッキングの脅威に晒され、サイバー攻撃によって様々な問題が起こっていたのです。

具体的には、開会式の妨害を狙ったと思われる、高度で非常に感染力が高いマルウェア「Olympic Destroyer」によるシステム障害が発生したり、メディア向けのWi-Fi が繋がらなくなったり、大会ウェブサイトがダウンして観客がチケットを印刷できないというトラブルが発生していました。

この件に関しては、ロシアのハッカー達が何ヶ月に渡って、平昌冬期オリンピックを標的としたサイバー攻撃を仕掛けていた疑いが持たれています。

組織ぐるみのドーピングを理由に、ロシアの選手団が大会から締め出されたことへの報復だというオリンピック関係者からの報告もあります。

さらに過去を遡ると、2012年のイリギス・ロンドンオリンピックでは2億回のサイバー攻撃が記録され、2016年のブラジルのリオデジャネイロでは4000万件のサイバー攻撃に見舞われています。

このようなオリンピックでの事例を踏まえると、東京オリンピック・パラリンピックでも同じくサイバー攻撃を受けるリスクが想定されます。

サイバー攻撃による被害を防ぐためにも、日本に足らない早急な対策、体制作りが必要不可欠です。

オリンピック・パラリンピックは世界中から注目を集める一大イベントです。

情報セキュリティ対策、あるいはサイバーセキュリティー強化は、日本にとって喫緊の課題なのです。

東京オリンピックでのテロを題材としたテレビドラマが放映

それをシュミレーションするかのように、テレビ朝日開局55周年記念番組として2013年の11月30日~12月1日に2夜連続ドラマとして「オリンピックの身代金〜1964年・夏〜」という番組が放映されました。

出演者は、竹野内豊さん、松山ケンイチさん、黒木メイサさんなどの豪華な俳優陣で、時代設定は、第一回目の東京オリンピックである1964年となっています。

その内容は、大学院でマルクス経済学を学んだ主人公が、日本でプロレタリア革命(資本主義社会から社会主義社会への道を切り開くことが目的)が起こると確信してテロ事件を起こそうとしたストーリーです。

その背景には、主人公がオリンピック開催に沸く東京と搾取され貧困にあえぐ地方との格差を身を持って実感し、東京だけが富と繁栄を享受するのは断じて許されないという思いに由来します。

一人の社会主義・思想犯によるテロ行為が、東京オリンピックの失敗が「国体を揺るがす」大事件につながると判断し、戦々恐々としながら犯行の阻止に挑んだ警察・公安部とのやり取りが描かれています。

尚、このテレビドラマの原作は、小説「オリンピックの身代金」です。

2020年東京オリンピックの成功は、国家の威信に関わる重要な一大イベント

ドラマで表現されているように、オリンピックの成否は、国家の威信に関わる重要案件です。

2016年にブラジルで開催されたリオデジャネイロ・オリンピックにおいても、経済状況の悪化に起因する治安の問題が指摘されていました。

特に警察官がデモを起こしたり、給与遅延で士気が低下していることが不安視されていました。

もちろん、新興国のブラジルと先進国の日本とでは全く状況が違いますが、サイバーテロという新たなリスクが世界を席巻する事態になることだけは避けたいものです。

そのためにも、東京都内において、イスラエルのベンアリ駐日大使と石田真敏総務相は覚書を交わしたのです。

石田真敏総務相は、「安心安全にITを活用するにはセキュリティが重要であり、イスラエルとの協力は世界の情報技術の発展にとって意義深いものになる」と述べています。

東京オリンピックを念頭に改正サイバーセキュリティ基本法が可決・成立

イスラエルと覚書を交わすとほぼ同時のタイミングで、2018年12月5日に、参院本会議で自民、公明両党の賛成多数で改正サイバーセキュリティ基本法が可決・成立しました。

この法案成立により、サイバー攻撃に対応するため官民の連携を強化し、2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックを念頭にサイバー攻撃に備えることが狙いです。

政府関係機関やITインフラ事業者、有識者で構成する「サイバーセキュリティ協議会」を新たに設け、官民一体で協力していくことになります。

イスラエルのサイバーセキュリティ会社と提携したバルクホールディングス

このようにサイバーセキュリティに対する意識の高まりを受けて、セキュリティ関連銘柄であるバルクホールディングス【名証セントレックス上場・銘柄コード:2467】の株価は一時10%を超える上昇となりました。

実は11月30日を持って正式に日本のジュピタープロジェクトとの「業務提携を解消」したのですが、既にプレスリリースにおいて、10月31日の時点で「ジュピタープロジェクト株式会社との業務提携解消に関するお知らせ」を発表していたのです。

9月6日に両社がサイバーセキュリティ分野における業務提携契約を締結したばかりだったので、2ヶ月も経たずに提携関係が消滅したことになります。

その提携解消の理由は次の通りです。

同分野における情報交換、両社間の協業など最適な相互協力関係の構築を目指してまいりました。また、当社は本業務提携を通じて、ブロックチェーン業界における戦略構築という点で一定の効果を得ることができました。その一方で、当社グループ独自の、かつイスラエルのサイバージム社を中心とするアライアンス先との連携を通じたセキュリティ・ソリューションの開発やサービス内容が具体化する中で、当社グループのブロックチェーン関連セキュリティ事業におけるアライアンス戦略の最適化をはかる必要性等が生じたことから、本業務提携を解消することといたしました。

当社グループは、あらゆる環境において「お客様をサイバークライムから守る」ことを重要な使命としており、その実現のためにサイバーセキュリティ分野の各テーマに一つずつ取り組んでまいる所存です。今後とも、同分野における様々な先端技術・事業を導入し、各事業パートナーとの最適な連携関係を構築することで、株主価値の最大化を目指してまいります。

その一方で、7月19日に、イスラエルのサイバーセキュリティ分野におけるCyberGym Control Ltd.(イスラエル「CG社」)との間で、共同事業を行うことについて基本合意書を締結しています。

両社は共同事業体を通じて、民間企業や政府機関に対してサイバー攻撃に対応するためのトレーニング施設をアメリカ・ニューヨーク 州に開設することで合意しました。

また、CG社独自開発のサイバー環境を模したトレーニング施設をアメリカ及び日本で販売し、サービス提供を行う予定です。

CG社からは、独自に開発・蓄積したトレーニング技術・ノウハウ、付加価値の高いサイバーセキュリティサービス及びソリューションの提供を受け、バルクHDは共同事業体の体制を整備・運営するため200万ドル(USD)を拠出しています。

バルクHDはイスラエル「CG社」とサイバーセキュリティ分野で人材育成

CG社の創業者(Ofir Hason 同社CEO)及びそのチームメンバーは、サイバー攻撃に対する防御の経験とその知識、ノウハウ、対策スキルを長年に渡って培ってきました。

CG社は、こうして磨かれたスキルを基に、イスラエル国内及び海外の企業に対して、サイバーセキュリティサ ービスを提供するために設立された会社です。

グローバル市場における豊富な経験に基づいて、サイバ ー攻撃に対抗できる人材を育成する各種トレーニングサービスや解決法を提供してきました。

バルクホールディングスは、CG社との共同事業の第1弾として、サイバーセキュリティ最大市場であるアメリカ・ニューヨークを拠点とするトレーニングサービスの提供を行います。

それを足掛かりに、日本・アメリカ・他の地域に向けて、段階的にサ ービスの供給先を広げていくことで、事業の拡大を目指す方針です。



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