ビート・ホールディングスを巡る買収騒動「ノア」VS「Wowoo」VS「マッコーリー」は、
ノアコイン(NOAH)がビート・ホールディングス・リミテッドの大株主に!
で解説しましたように、「敵対的買収を成功させることは難しい」という過去の教訓が改めて確認される結果となりました。
とはいえ、臨時株主総会で株主が第2号議案のWowooとの資本業務提携を選んでいれば、業績不振や赤字決算の最中にあっても、期待感からもっと大きく株価が上昇していたはずです。
レン・イー・ハン社長は株主総会の後、「マッコーリーとの資本関係を進めていくが、ワオーとの提携が実現せず残念だ。」とも語っています。
東京の株主総会の会場では、十数名程度の株主しかいませんでした。
その一方で、インターネット上では、「ノアの提案が通ってほしい」「結果が楽しみ」という沢山の投稿がありました。経営に関与する可能性がある株主以外、特に個人投資家宛に郵送された議決権で「ノアVSWowoo」という構図に持ち込めていたら本当に面白い結果になったかもしれません。
以上を踏まえた上で、株主総会後の経緯を詳しく述べていきます。今のビート社は、「タイトロープ」すなわち、綱渡り状態の経営で、危ない橋を渡っている最中なのです。
目次
- 1 マッコーリーから資金調達を受けるビート・ホールディングス
- 2 買収騒動後のビート・ホールディングスの株価の値動き
- 3 ノア社を意識してか、制約の厳しい新株予約権の譲渡に関する取り決め
- 4 Draper Athenaとの業務提携の終了で、ブロックチェーン技術の分野にコミットする
- 5 東証2部上場廃止と経営不振による赤字がビート・ホールディングスの不安材料に
- 6 新規事業の開発と同時にリストラを進めていくビート社の経営方針
- 7 ビートのビジネス拠点 シンガポールにおける糖尿病の予防は国家的な課題
- 8 ビートは世界初の非侵襲的血糖モニタリング技術のライセンスを保有
- 9 ビートCEOのレン氏が退任 後任にオウケイウェィブ社長の松田氏が就任!
- 10 ビート社はオウケイウェィブの子会社(OBC)と業務委託契約を締結!
- 11 今後、ビート社は赤字経営を脱して、業績の大変貌を遂げられるのか!?
- 12 元CEO松田元氏を株主総会で引きずりおろした中華系の株主ライ氏グループ
マッコーリーから資金調達を受けるビート・ホールディングス
2018年10月5日にビート社の臨時株主総会が行われ、ノアの提案が否決され、マッコーリーからの資金調達を受ける独自路線を歩むことになりました。
ビート・ホールディングスを巡る買収騒動「ノア」VS「Wowoo」VS「マッコーリー」ついに決着!!
その後、2018年11月1日に入り、ビート・ホールディングス・リミテッド(東証2部上場:9399)は、プレスリリースを新たに発表しました。
2018年10月にビート社がマッコーリーに対して発行した新株予約権(第三者割当)には、
- 6,500,000個の「シリーズ1新株予約権」
- 6,500,000個の「シリーズ2新株予約権」
があります。
「シリーズ2新株予約権」は、「シリーズ1新株予約権」が全てが行使され、ビート社により取得されるか、その他の理由で存在しなくなった日以後に行使可能となります。
このため、2018年10月の時点では、「シリーズ2新株予約権」の行使はありませんでした。
2018年10月に「シリーズ1」で行使された新株予約権数は、2,331,000個で発行総数の35.86%に当たります。
2018年10月末時点における未行使新株予約権数は4,169,000個(6,500,000-2,331,000=4,169,000)です。
2018年10月9日に、ビート社がプレスリリースで発表した「第三者割当による2種類の修正条項付新株予約権の発行並びにコミットメント条項付買取契約締結に関するお知らせ」の中で、
「シリーズ1新株予約権」「シリーズ2新株予約権」の行使価額及び修正条件として
- 当初行使価額(決議日の直前取引日の株価の終値)187円
- 潜在株式数は1300万株をマッコーリーに割り当て
- 行使価額は、シリーズ1新株予約権の各行使請求の効力発生日の直前取引日の当社普通株式の終値の90%に相当する金額に修正されない。94円が下限額であり、同額より低くなる場合には同額が行使価額。行使価額に上限なし。
- 差引手取金概算額24億3485万4000円をビート社が調達。
という条項がありました。
このため、直前取引日の終値の90%が下限行使価額の94円を下回る場合、行使価額は94円となります。
買収騒動後のビート・ホールディングスの株価の値動き
実際のビート社の株価も、日経平均が大幅に暴落することがない限り、94円が下値目途となる展開が予想されます。
そのことを踏まえてか、ビート社の株価は100円近辺でしばらくの間、下値が固まっていました。
(出典:ヤフーファイナンス)
ところが、新しいプレスリリースが発表された直後の11月2日、ビート社の株価は、前日比+16(+15.69%)の118と大幅に上昇しています。
しかし、11月3日以降は、アメリカのニューヨークダウや日本の日経平均の下落、新興市場全体の雰囲気の悪さを伴った株価低迷などの影響を受けて、ずるずると88円まで下がってきています。
【11月28日更新】地合いの好転を受けて、28日は一時118円まで上昇する場面がありました。マッコーリーの価格行使94円を考えると、今後の動向は、新たなプレスリリースが出るか、地合い次第によると考えられます。
テクニカルチャートでは25日移動平均線が100円付近にあることから、そこにタッチできるかどうかが、上昇トレンドに今後向かうかどうかの目安となるでしょう。
ビート社にとって10月5日に開かれた臨時株主総会の目的は、とにかくノア社の敵対的買収を完全に駆逐することにありました。マッコーリーのが全投票に占める賛成割合が74%と圧倒的だったことを踏まえると、株主同士での水面下の同意があったものと思われます。
しかし、ノア社を追い払った後の経営をどのように舵取りしていくのでしょうか。Wowooとの提携は、株主が否決した形となりましたが、ビート社としては、会社の発展のためにも他のブロックチェーン技術を持つ企業や組織団体との有意義な提携をしたいと考えています。
こうした背景から、マッコーリーの新株予約権の行使と売却が一定以上進んだ時に、また次のステージとして、他社との共同プロジェクトという前向きな話が出てくることも推察されます。
ノア社を意識してか、制約の厳しい新株予約権の譲渡に関する取り決め
ただし、ビート社が資金調達先として、マッコーリーとの間で、以下のようなコミットメント条項付買取契約を締結したことを受けて、当面は他社との資本業務提携は簡単に行いにくいです。
もし、他社との提携が行われる場合には、大口のビート株保有者であるマッコーリーが、ビート株の一部売却を発表し、その譲渡先に関する思惑や憶測が広がった時となります。
基本的に今回の契約は、マッコーリーが新株予約権の転売や、転売先が転売する場合の制約を厳しく設けているので、ビート社にとっての純粋な資金調達となります。
その詳しい内容は以下の通りです。
新株予約権の譲渡の際に当社取締役会の承認が必要である旨が定められ、譲受人がコミットメント条項及び制限超過行使にかかる義務を含む当該買取契約の権利義務の一切を承継することとなります。
原則として、単一暦月中にマッコーリーが新株予約権を行使することにより取得される株式数が、新株予約権の払込日時点における上場株式数の10%を超える部分に係る転換又は行使を制限するよう措置を講じます。
これは、同じ月内(例えば11月中)に、マッコーリーが取得できるビート社の新株の数量やその権利の転売に大きな制約がかかっている、ということです。
具体的には、
①マッコーリーが制限超過行使を行わないこと
②マッコーリーが本新株予約権を行使する場合、あらかじめ、ビート社に対し、本新株予約権の行使が制限超過行使に該当しないかについて確認を行うこと
③マッコーリーが新株予約権を転売する場合には、あらかじめ、転売先となる者に対し、当社との間で前記①及び②に定める事項と同様の内容を約させること
④マッコーリーは、転売先となる者がさらに第三者に転売する場合も、あらかじめ当該第三者に対し当社との間で前記①及び②に定める事項と同様の内容を約させること
⑤ビート社はマッコーリーによる制限超過行使を行わせないこと、
⑥ビート社は、マッコーリーからの転売先となる者との間で、ビート社とマッコーリーが合意する制限超過行使の制限と同様の合意を行うこと等について、コミットメント条項付買取契約で合意。
ビート社は、取締役会決議により新株予約権について、いつでも、取引日前に通知することにより、その発行価額を支払うことで買い戻す権利を有します。
いずれにせよ、ビート社の株価の基本的ラインの下限が94円となる契約内容のため、100円以下はマッコーリーにとっても素直に新株予約権行使をしにくい価格です。
マッコーリーとしては、10月に102.6円~142.2円の間でほぼ連日の行使をしてきたので、これ以上の下値を探る展開にはなって欲しくないでしょう。
何故なら、マッコーリーが新株予約権を行使して、売却を行う時に大きな損失が出てしまうからです。
また、11月1日のプレスリリースにて、
シリーズ2新株予約権は、シリーズ1新株予約権が全てが行使され、当社により取得され、あるいは、その他の理由で存在しなくなった日以後で行使可能となります。
と明記されています。
これを素直に読み説くと、シリーズ1新株予約権が全てが行使された後、シリーズ1でマッコーリーが売却した株式をビート社が取得するか、それ以外の理由で存在しない、つまり、お互いの合意の元、誰かに株式を転売した日以降に、シリーズ2新株予約権が行使可能という意味になります。
【2020年7月10日追記】
第三者割当による行使価額修正条項付新株予約権の行使完了及び月間行使状況に関するお知らせが発表され、マッコーリー・バンク・リミテッドに対して発行した「2018 年 10 月 10 日発行(シリーズ2ビート・ホールディングス・リミテッド新株予約権(第三者割当)・行使期間2019年11月5日~2020年10月9日・6,5000,000株・払い込み総額779,345,000 円」は7月9日をもって全て行使が完了しました。
Draper Athenaとの業務提携の終了で、ブロックチェーン技術の分野にコミットする
それに呼応するかのように、11月13日に、「Draper Athenaとの業務提携の終了に関するお知らせ」というプレスリリースがビート社から出ています。
2017年12月13日に、「Draper Athenaとの出資に関する交渉の終了及び業務提携の継続に関するお知らせ」というプレスリリースで、ビート社の完全子会社である新華モバイル・リミテッドの間の業務提携は継続する旨が伝えられていました。
それは、Draper Athenaと新華モバイルが、ビッグ・データ、モバイル事業、エネルギー技術、ソフトウェア、半導体、ロボット工学、消費者インターネットの分野における専門知識を融合し、共同投資又は共同事業の機会を模索することを目的に締結する、といった内容でした。
しかし、ビート社が、ブロックチェーン技術の応用に関する分野へ進出することを検討し始めたため
、Draperとの間で具体的な案件に至る機会はありませんでした。
- ビート社としては、今後も、ブロックチェーン技術を応用する暗号メッセンジャー及び財布機能と健康医療分野エコシステム運営ソフトウェアの開発を進めることを決定しています。
- また、当面は自社でその開発を進めることに注力しながらも、主にブロックチェーン技術、暗号メッセンジャー及びエコシステムの分野において専門知識を有する先との提携の機会を模索している、という方針を打ち出しています。
こうした理由を元に、「Draperとの間における業務提携を2018年11月13日付で終了させる」と表明したのです。
もちろん、両社間で何のアクションも取っていないので、2018年12月期の業績予想に与える影響はありません。
つまり、マッコーリーは、ノア社による買収を阻止するためビート社に協力する形で、ホワイトナイトの役割に徹し、その上で新株予約権の行使と売却による利益を得ようと判断したものと考えています。
上記のブロックチェーン技術、暗号メッセンジャー及びエコシステムの分野において専門知識を有する先との提携の機会を模索している、ということから伺えるのは、ビート社にとって最適のパートナーを探している段階、あるいは精査している途中、と捉えることが可能です。
以上を踏まえると、「マッコーリーに経営権を握られて終わり」とか、「発行済み株式数が多くなり過ぎて株価が低迷したまま身動きが取れない」という最悪の事態をビート社は想定しておらず、会社経営を前向きに取り組んでいることが分かります。
10月まではノア社による買収阻止こそが最大の目的であり、その後の会社の発展的な戦略については、ビート社の経営上の安全を保持した上で再検討する、という意向を持っていたのです。
この先、貿易摩擦やEUの混迷など金融市場に逆風が吹き続けると、ビート社の株価の回復には相当の時間がかかるでしょう。しかし、少なくとも会社が目指している新規事業への取り組みは、時代を先取りしたものであり、アジア圏をターゲットに入れたビジネス展開が期待されます。
ノア社を排除したことは、仮想通貨業界と証券業界との間の健全な境界線は何かを問いかける意味において、金融市場の歴史に残る大きな出来事となりました。
具体的には、ノア・グループが、ビート・ホールディングスを敵対的買収によって乗っ取り、東京証券取引所の正式な審査を通さずに、「裏口入学」という形で上場企業の立場を手に入れる異例の事態を回避できたことです。
そのため、ビート社の株主達の選択は、今後、長い目で見れば、もっと評価されるべき功績となる可能性があります。
東証2部上場廃止と経営不振による赤字がビート・ホールディングスの不安材料に
ところが、一連の買収騒動でノア社の排除を優先したがために、肝心の自社の経営について、差し迫った危機的な状況が発生しています。
決算短信で継続企業の前提に関する事項が発覚
11月13日発表の 2018年12月期第3四半期決算短信において、大きな懸案事項が浮上しているのです。
マッコーリーから大きな資金調達をしたにも関わらず、業績不振や赤字決算が続いており、事業継続に重要な疑義を生じさせる事象があるのです。
これは一般的に、「継続企業に関する重要事象」と呼ばれており、例えば、原則として債務超過は1年以内に解消できなければ上場廃止となります。
以下は、ビート社の2018年12月期第3四半期決算短信の内容です。
2018年第3四半期連結累計期間において、営業損失3,891千米ドル(4億4200万円)、及び親会社株主に帰属する四半期純損失14,933千米ドル(16億9600万円)を計上しています。
2018年1月~12月の通期業績の予想では、売上高が14億5000万、営業損失が3億8700万円、経常損失がが4億6600万円、純損失が17億6500円を計上する見通しです。
これらの決算内容から、かなりの深刻な赤字経営が明るみに出たことになります。
前連結会計年度の第3四半期に、ActivateInteractive Pte.Ltd.がビート社グループの連結子会社となってから同社の売上高を連結し、また、新華モバイル及び新華モバイル(香港)による新たなライセンシング事業の売上高も連結していますが、営業費用が依然として高いことから、当社グループは当第3四半期連結累計期間においても継続して営業損失を計上しています。
また、ビート社グループのキャッシュ・フローは非常に厳しいため、既存の借入金を返済するための十分な資金が不足しています。これらの状況により継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような状況が存在しています。
A2Pメッセージング・サービスにフォーカスしているGINSMSの事業は成長してきましたが、主要な顧客の喪失により2018年度第1四半期連結累計期間において減損損失を認識しています。
GINSMS・新華モバイルの成長性とマッコーリーからの資金調達成功が当面の課題
ビート社が経営状態を回復させるためには、次の3つが成功する必要があります。
1. GINSMSは現在保有している資金で新たな顧客を獲得することにより継続的な成長に注力する見込みです。また、前連結会計年度第3四半期中に連結子会社化したActivateは、モバイルの分野において、ウェルネス・サービス、ヘルスケア・ウェアラブル端末、センサー、メディカル情報、データ分析のヘルスケア事業を提供しており、また新華モバイル及び新華モバイル(香港)は、前連結会計年度第3四半期よりライセンシング事業を開始しました。
2. さらに、新華モバイル(香港)の完全子会社であるBeat Chain Pte.Ltd.は、2018年度第2四半期連結累計期間にライセンシング事業の一部として、メンタル、フィジカル・ヘルス・レコード及びその他の分野のデータをクロノロジカル(時系列)に保存・管理するブロックチェーン・エコシステム・プラットフォームの開発に着手しています。
3. ビート社は、 2018年10月10日付で、今後10年間の当社グループの中核事業となることを企図している暗号メッセンジャー及び財布機能と健康医療分野エコシステム運営ソフトウェアを開発するための資金を調達すること、現在の状況を改善することを目的に、第三者割当により、マッコーリーに「シリーズ1新株予約権」及び「シリーズ2新株予約権」を発行しました。
新規事業の開発と同時にリストラを進めていくビート社の経営方針
各方策により当社グループの事業の成長と拡大を図ることを企図しておりますが、ビート社グループのキャッシュ・フローは非常に厳しいため、引き続き既存の借入金を返済するための十分な資金が不足していることにより、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような状況が存在しています。
このような状況を解消するため、継続的に経費削減を実施し、更に資金調達できる機会を模索し、また、既存事業と新規事業とのシナジーが期待できる潜在業務提携先の発掘も行っていく予定です。
加えて、収益性及び営業キャッシュ・イン・フローの双方の観点から、新規事業の開発を着実に進めるほか、事業のリストラクチャリングも含めた様々な手法により成長の機会を捉えていく方針です。
ビート社の先行きについて、不安定さが露呈した事業継続の可能性
ただし、ビート社グループの事業の継続可能性は、新規事業の開発、本新株予約権の行使によって調達できる資金の額、事業のリストラクチャリング及び事業の成長に強く依存していることから、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性が明らかに認められます。
会社経営と東証2部上場を維持していくためにも、今後の業績回復による利益確保のための早急な対応策が求められています。
ビートのビジネス拠点 シンガポールにおける糖尿病の予防は国家的な課題
【2019年9月4日追記】
糖尿病はシンガポールにとって大きな関心事です。Lee Hsien Loong首相は、40万人を超えるシンガポール人がこの病気にかかっていることを明らかにし、定期的な健康診断を受けるよう国に要請しました。
特に首相の呼びかけに注意を払うべき人々の一群は、前糖尿病患者である「通常の血糖(血糖)レベルより高いが、糖尿病と見なされるほど十分に高くない人々」です。
この症状が無症候性(通常症状を示さない)であることに加えて、前糖尿病患者は2型糖尿病を発症する危険性も高くなります。
良好な疾患管理がなければ、脳卒中、腎不全、心臓発作、失明、下肢切断などの糖尿病合併症が発生する可能性があります。
これらは脅威に感じるかもしれませんが、幸いなことに、これらのリスクは血糖値の適切な管理を通じて最小限に抑えられることです - 糖尿病の自己管理の重要な部分です。
ビートは世界初の非侵襲的血糖モニタリング技術のライセンスを保有
ビートは、ActivateActivate Interactive Pte Ltd(以下「Activate」)という世界初の非侵襲的血糖モニタリング技術を保有しており、この革新的で非侵襲的な技術を商品化して市場に投入するためのライセンスを取得しています。
この技術は、人体の血糖値を監視するために、ソフトウェア、ハードウェアセンサーモジュール、さらにはウェアラブルライフスタイル機器(アクティビティトラッカーなど)に組み込むことができます。
現在、「血糖測定器の使用」は糖尿病患者にとって最も一般的に実施されている方法です。
これは血液サンプルを介して試験結果を集めるために指を刺すことを含んでいます。
この方法は侵襲的で、痛みを伴い、不便であり、そしてストリップのために1週間に推定20ドル以上かかる場合があります。
別の方法としては、初期の維持費が高い連続血糖値モニタリング装置で、潜在的には装置あたり最大1,200ドルを必要としますが、毎週の消耗品は最大100ドルかかる可能性があります。
しかし、ビートの「Activate」を使えば、
1.常に人々に有益な手頃な価格の技術をもたらすことができる
2.非侵襲的血糖モニタリングのPPGセンサーはすでに市場で広く利用されている
3.Activateは、最高83.3%の精度の有望な結果を示している
ため、糖尿病のケアにおいて、多くの人々が自分の健康状態を簡単に監視できるようになります。
ビートは「Activate」のさらなる実験に成功した後、この技術をスマートウェアラブルに移転する計画を立てています。
ビートCEOのレン氏が退任 後任にオウケイウェィブ社長の松田氏が就任!
【2021年3月4日追記】
約2年前の2018年10月にノアコインと熾烈な議決権争いをしていたビート・ホールディングス・リミテッドのレン・イーハン氏・最高経営責任者(CEO)が健康上の理由で退任することになりました。
当時、レン・イーハン氏は仮想通貨Wowooを発行するWowoo Pte. Ltd.との業務提携を望んでいました。
その願望が叶ったのか、2019年10月7日、明証セントレックスに上場しているオウケイウェィブ株式会社の松田元社長が、ビート社の取締役の後任となりました。
オウケイウェィブは、Wowoo Pte. Ltd.に出資しており、両社はとても密接な関係にあります。
※シンガポール共和国の銀行の規制対応によって出資金が凍結される恐れがあるため、2019年~2021年3月時点で出資は延長中・銀行の規制緩和が確認できれば出資予定。
レン・イーハン氏は、今後のビート社の経営をオウケイウェィブに任せたい意向もあってか、彼が資産管理会社を通じて保有していたビート株式の全て(普通株式80万4488株及び優先株式22万5000株=合計1,02万9488 株・発行済株式総数に対する割合&議決権比率:3.16%))を、オウケイウェィブに譲渡することで合意しました。
この合意は、株主総会で提案される新取締役候補者3人のうち少なくとも1人が株主総会で取締役として選任されることを条件としています。
将来的に投資額を回収できる見込みがあるという判断から、オウケイウェィブは、非常に太っ腹な出資をビート社に行います。
その内容は、レン氏が保有していたビート株式(3.16%)の取得に関して、
1.普通株式につき14億6000万円(1株あたりの取得価額は約1815 円)
2.優先株式につき 4000万円(1株あたりの取得価額は約178 円)
というもので、現在の株価とは大きく乖離しています。
ビート社はオウケイウェィブの子会社(OBC)と業務委託契約を締結!
同時期に、ビート・ホールディングス・リミテッドは、オウケイウェィブの子会社でマレーシアにあるOK BLOCKCHAIN CENTRE(OBC)との業務委託契約を締結しました。
この業務委託契約は、OBCのブロックチェーン技術を使用した暗号化技術を活用して、新事業の開発を促進することを目的としています。
ビート社は、新事業に不可欠となる高度のセキュリティーを確保するための、ブロックチェーン技術を使用した暗号化技術の開発業務をOBCに委託する予定です。
こうした二つの好材料を受けて、10月8日、ビート・ホールディングス・リミテッド(銘柄コード:9399)の株価がストップ高の153円まで高騰し、年初来高値を更新しました。
(出典:SBI証券)
今後、ビート社は赤字経営を脱して、業績の大変貌を遂げられるのか!?
2019年8月31日までにビート社が、マッコーリーから新株予約権の発行・行使で調達した資金は1億4000万円です。この資金は、新規事業野研究開発(基本プログラムの作成・テスト・通常オフィスを運営・管理するための費用オペレーション)に使用されています。
とは言え、ビート社は、まだ赤字経営の体質から脱している訳ではありません。
2018年10月の株主総会で決定し、マッコーリーに対して発行した行使価額修正条項付新株予約権の月間行使状況は、2019年9月時点では全く変わっていません。
【2020年7月10日追記】マッコーリー・バンク・リミテッドに対して発行した新株予約権は7月9日をもって全て行使が完了しました。
9月末時点における未行使新株予約権数は84万4,000個となっています。(下限行使価格は株価94円)
株価が100円以上になったことで、マッコーリーはこの84万4,000個の新株予約権を行使してくるはずです。
それは、大きな売り圧力となりますが、ビートとオウケイウェイヴとの提携は、将来における大きなポテンシャルを秘めています。
当面の間、個人投資家や資金力のある仕手筋は、買い手に回ることも予想されます。
とりあえずは、マッコーリーが2018年10月に新株予約権の行使価額としていた187円を上回るのかが一つの目安となります。
その次は、200円が第二段階の節目、さらにその次は400円が第三段階の節目となるでしょう。
いずれにせよ、中長期的な株価の安定のためには、ビート社の決算が赤字から黒字へと転換する必要があります。
業績絶好調のオウケイウェィブの子会社と提携したことで、ビート社に追い風が吹き、今後の業績が良い方向に変化するかどうか見極めたいところです。
元CEO松田元氏を株主総会で引きずりおろした中華系の株主ライ氏グループ
【追記・2021年9月12日】
悲報となりますが、ビート社からのIRが2021年7月9日に出されました。その内容は、株主総会において「取締役会議長、最高経営責任者(CEO)、最高財務責任者(CFO)」を務めていた松田元氏の再選任が否決されたというものです。
その結果、松田氏は上記の3つの役職を全て退任させられることになり、チン・シャン・フイ氏が新たに「取締役会議長、最高経営責任者(CEO)、最高財務責任者(CFO)」に選ばれました。
その背景には、どうやら株式の大量取得を通じて松田氏下ろしの動きが水面下であった模様です。
これらの文言は、元代表取締役社長のレン氏が日本に対する愛着が強く、決してビート社との縁を切りたかった訳ではなかったことが間接的に感じられます。
加えて、上記の文言は、大株主であるライ氏グループは、レン氏との間でビート社の経営権を握るための画策を練っていたことが分かります。
つまり、香港あるいは中華系の人々は、ビート社から松田氏を追い出したかったという意図がはっきりと読み取れます。
さらに、松田氏が懸命に社会に普及させようとしていたメッセンジャーアプリのCMWT・SNSアプリのInouをビート社の事業内容から提供を停止するIRが2021年8月17日に出ています。
2021年7月~8月にかけて、松田氏は思わぬ敵対攻撃をビート社から受けた事態になってしまいました。
このような足の引っ張り合いをしている企業は誠意がなく信頼も得られず、延々と業績不振と資金難に陥ることは目に見えています。直近の決算でも大幅な赤字決算となりました。
果敢に民主主義をブロックチェーンの力で取り戻そうとした松田氏の今後の活動に期待したいところです。