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ノアコインが東証上場のビート・ホールデイィングに買収提案の姿勢を崩さず

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ビート・ホーデイングス・リミテッドは、A2Pメッセージング・サービス、ヘルスケア事業、ライセンシング事業等を提供し、シンガポールや中国などアジア地域で事業展開している香港企業です。

メッセージング事業は売上堅調ですが、損益面で苦戦を強いられています。2018年における第一四半期は増収を確保しましたが、通気予想では、業績苦戦が続く見通しです。

減損を損失計上し、株価は6月に一時800円台をつけたものの、業績面が上値抑制要因となっており、現在は200~300円台後半の間の値動きをしています。

ただし、ノアコイン(NOAH)がビート・ホールディングス・リミテッドの大株主に!

で述べた時点とは、株主構成がかなり変わってきました。

2018年7月19日時点で

ビート社について、エスターモーペイペイ氏の株式保有比率は6.18%→4.56%に減少し、5%未満に減少したと報告しています。

同じく、2018年8月2日時点で

ビート社について、もともと筆頭株主だったリーワンチー氏が保有割合が31.19%→2.23%に減少し、5%未満に減少したと報告しています。

と情報からは、彼らは、株式の売却による利益を稼ぐことがメインであり、ビートの経営に関する関わりは二の次であるように思えます。

その一方で、2018年7月19日時点でNoah Ark Technologies Limited (ノア・アーク・テクノロジーズ)の所有株式数が3,999,900個(3,999,900株)となっており、株主議決権の数の割合が、14.88%と第1位(筆頭株主)の立場を獲得しています。

こうした事態に、日本に上場する企業を巡って、「市場の番人」である東京証券取引所にも緊張が走っています。

それは、ビート・ホーデイングス・リミテッドが6月、香港拠点の仮想通貨会社Noah Ark technologies Limited (ノア・アーク・テクノロジーズ)から事実上の買収提案を受けたためです。

国内で仮想通貨業者と認められていないNoah Ark technologies Limited(ノア・アーク・テクノロジーズ)が、東証の上場企業を傘下に収めることに法的な問題はないのか、金融庁からのお咎めはないのか、かなり混迷する状況となっています。

ビート・ホーデイングス・リミテッドは、ケイマン諸島に籍を置き、ヘルスケア事業や知的財産権の取得ビジネスなどを手がけていますが、100億円に満たない時価総額です。

仮想通貨を手がけるノア・アーク・テクノロジーズは、6月の時点でビートの議決権の約50%の持ち分を保有できるようにし、ビート社を子会社化する旨の要求を行いました。

ノア・アーク・テクノロジーズは、ビート社からの新株発行によって資金を調達し、日米中や欧州諸国で仮想通貨の交換業を開設したり、対象企業を買収したりする意向を持っています。

その上で約1100億円規模の仮想通貨技術を使った資金調達(ICO)を実施する予定です。ビートという上場企業の買収を「仮想通貨事業の起爆剤にしたい」との思惑を明確に打ち出しています。

仮想通貨の資金力を活かした新たなハゲタカの登場か!?

東京証券取引所もアジア企業を積極的に誘致してきた経緯がありますが、株主提案を出したノア・アーク・テクノロジーズは、2017年にフィリピンの開発支援を名目として日本でノアコインの発行を計画しました。ところが、当時の在日フィリピン大使館が「フィリピン中央銀行や証券取引委員会は本件を承認していない」と注意喚起したという不祥事を起こしています。具体的には、ノアコインは「フィリピン政府のお墨付き」と謳っていたのですが、実際には政府も中央銀行も証券取引委員会もこのプロジェクトに関与していないことが、明らかにされたのです。加えて、提携先とされていたフィリピンの大企業やフィリピン航空も無関係であると正式に声明を出しています。

「ノアコイン」という独自の仮想通貨を発行し、主にフィリピンの出稼ぎ労働者向けに低コストで本国への送金サービスを実現する、という新たな海外送金モデルの構築を目指していますが、仮想通貨業界に対して、東京証券取引所は、「投資家保護が不十分」という理由で、こうした業界とは一線を画してきた経緯があります。

もちろん、仮想通貨の交換業者の上場申請も認めてきませんでした。もしも、株主提案が通って、ビート社が仮想通貨を手がける会社に切り替わると、仮想通貨の暴走に警戒する東京証券取引所にとって想定外の展開となるかもしれません。

ビート社のレン・イー・ハン社長は、ノア・アーク・テクノロジーズの株主提案に賛同しておらず、7月10日にWowoo Pte. Ltd.とヘルスケア及びブロックチェーン事業における事業提携、及び、第三者割当による新株発行を内容とする資本業務提携を行う契約を行いました。

ノア・アーク・テクノロジーズは、「上場企業を買収することで、実体のある会社を手にいれ、新たな付加価値と信用力を創造し、そこから新たな資金調達や新規プロジェクトを立ち上げるきっかけにしたいのではないか」と推察しています。

おそらくビート社は、ノア・アーク・テクノロジーズの買収を阻止しようと対抗案を示す可能性が高いですが、既にノア側は、14.88%のビート社の株式を保有しており、筆頭株主となっている上に、株主提案を取り下げる気配はありません。

最終的な経営権は株主総会に委ねられ、その日程は9月開催となりそうです。

マスコミを含め既存の勢力を敵に回しつつ、強かにビート社の買収案件を着々と進めていくとなれば、21世紀における「新たなハゲタカの誕生」となるかもしれません。

この事態の動向は、最後まで見守って行く必要があると考えています。

(追記)8月23日のプレスリリースで、ビート・ホールディングスは、マッコーリー銀行(投資銀行、証券業務・M&Aコンサルティングなど)に対する第三者割当による新株予約権の発行を関連技術開発の資金調達のために選ぶ用意があることを発表しました。

本新株予約権の最終的な発行数は、ビート・ホールディングスが発行前に決定しますが、13,000,000個となることを想定しています。

その場合、本新株予約権の発行数(及びその行使により発行される株式数である13,000,000株)はビート・ホールディングスの現在の発行済普通株式総数の約48.78%に相当します。

つまり、過半数の50%に限りなく近くなります。レン・イー・ハン社長は、主要株主が株数を減らしていく過程で何のコメントも出していませんでしたが、最終的にこの方法を選択することを決めていたのかもしれません。

「マッコリーとの取り決めは、ビート・ホールディングスの要請に合致したものである」と判断しています。という見解から、そうなることを望んでいる、すなわち、Wowoo Pte. Ltd.に変わる真のホワイトナイトとなる可能性を秘めています。

マッコリーと取り交わした契約内容が深く濃いだけに、こちらの記事にまとめましたのでご覧ください。

ビート・ホールディングスを巡る買収騒動 「ノア」VS「Wowoo」VS「マッコーリー」(前編)

ビート・ホールディングスを巡る買収騒動「ノア」VS「Wowoo」VS「マッコーリー」(後編)

【2018年9月7日追記】

プレスリリースにて、主要株主に異動がありました。
筆頭株主 Noah Ark Technologies Limited
Noahが保有する当社の普通株式の一部を市場外で第三者に譲渡する旨の通知を受け、本日当該譲渡がなされたため、以下のとおり、Noahは当社の主要株主ではなくなることを確認しました。株式保有比率がまだ9.9%ですが、Noahとしてはビートに対する熱意が冷めたように見える内容です。臨時総会前に何か裏口合わせがあった可能性もあります。本気でビートを買収したいのであれば、臨時総会後を踏まえても、淡々と株式を買い集めていても不思議ではありません。ここまでの情報では、ビートからの反意をダイレクトに受け取った素直な対応と見なすことも出来ます。今後の展開にも注目していきたいと考えております。

【2018年9月26日追記】

ビート株を保有していたノア・アーク・テクノロジーズが全ての株を売却したと発表しました。ノアは10月5日に開くビートの臨時株主総会でノアへの新株予約権の付与を柱とした株主提案を提出しています。ビートはケイマン籍で、ケイマン諸島の法律に基づき、売却後も株主提案自体は有効なままです。

ビート株を売り切ったノアの意向としては、ビート社のノアに対する否定的な態度を踏まえて、総会後に株式の保有絡みでステークホルダーと関係がこじれたり、世論からの心象が悪くなることなどを避けるべく、リスクを最小限に抑え込み、ノーリスク・ハイリターンで10月5日に臨もうとしていると考えています。

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