コラム

日本が「デフレ脱却+経済成長+財政再建」を果たすために

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安倍政権が発足後、株価の上昇と、為替の円安で外需系の企業業績が良くなり、アベノミクスは一定の成功を収めたように見えます。

ところが、2014年に消費税を8%に増税してからは、各データが勢いよく失速しています。つまり、2008~2012年のようなデフレの危機に直面しているのです。

   

プライマリーバランス(PB)の目標は撤廃すべきである

今のままの状態を放置していると、日本は後進国化し、財政はさらに悪化することが確実です。

そのためには、日銀の量的緩和によってデフレ脱却を図ろうとするのではなく政府の財政出動、すなわち大規模な赤字国債の発行によって、最終的な財政再建を目指すことが必要になってきます。

ところが、この方法を用いるには、プライマリーバランスの目標(基礎的財政収支の黒字化)を撤廃し、経済成長に基づく財政再建を目指すことが求められます。

プライマリーバランスとは、国や地方自治体などの基礎的な財政収支のことを意味します。一般会計において、歳入総額から国債等の発行(借金)による収入を差し引いた金額と、歳出総額から国債費等を差し引いた金額のバランスを見たものです。プライマリーバランスがプラスということは、国債の発行に頼らずにその年の国民の税負担などで国民生活に必要な支出がまかなえている状態を意味します。逆に、プライマリーバランスがマイナスということは、国債等を発行しないと支出をまかなえないことを意味します。

 

国債の積極的活用によって国家の富と国民生活を向上させる

デフレから完全に脱却するまでは、「教育国債」や「60年物建設国債」、「無利子永久国債」などを含めた多種多様な国債発行を積極的に行うことが必要不可欠です。

そうして初めて総体的な「税収」増を維持させることとなり、ひいては安定的な社会保障の財源確保にもつながっていきます。

また、デフレの根源である需要不足や消費マインドの低下を防ぐためにも、消費税の「増税凍結」「あるいは消費減税」を視野に入れながら、税制の在り方を根本的に見直すことが重要です。

年間GDP600兆円経済を実現するためには、3~4%の名目成長率の伸びが必要ですが、そのためには、年間予算を3~4%ずつ拡張していくという方向転換を行わなければなりません。

これはプライマリーバランス目標に逆行するように思えますが、デフレを完全に脱却するまでは、国債発行による大規模な補正予算を活用すると共に、将来的に価値を生み出す歳出を選択的に行う方針を徹底するべきです。

急激な金利上昇を防ぐためにも、金融政策の正常化には万全の対策が必要

デフレを脱却した後、日銀の金融政策が正常化するに従って、将来の金利が上昇する過程で、「政府の国債利払い費の負担」が増大するのでは、という不安の声が広がっていますが、この不安を払拭するために、日銀が保有している国債の満期時に、政府が「長期割引債」の発行額を増やし、複数回の借り換え(償還)が行える環境を整えることで、上記の不安を払拭することが可能となります。また、金利が上昇する過程において、「良い金利上昇(好景気による旺盛な資金需要)」「悪い金利上昇(日本円及び国債に対する不信任)」の2パターンが考えられます。臨機応変に日銀当座預金の枠の適切な大きさや、その適切な利子水準についての議論を行うことが重要です。

また、政府の資産、日銀の資産の正確な情報開示を適切に行うことも大切な作業となります。

政府の財政政策は柔軟に変更することで、日本経済の発展と安定を図るべき

積極的な財政主導は時を選ばずして安易に行うべきものではありません。しかし、景気後退期においては、然るべき財政拡大をすることで景気浮揚を図るべきであり、景気過熱期においては然るべき緊縮財政をすることで、景気の沈静化を図るべきというのが当然の政策だと言えます。

つまり、デフレから脱却し、経済成長を持続的に果たした暁には、金融緩和の出口戦略を図り、国債を中心とする財政政策ではなく、税収増を中心とした偏りのない財政運用を図るべきです。

(参考資料:第四次安倍内閣 内閣府大臣政務官&復興大臣政務官・安藤裕自民党衆議院議員の提言)

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