若者達に経済的なチャンスを!!
日本ではまだまだデフレ圧力が非常に強いわ。投資資金はリスクの少ない国債に振り向けられ、その利回りが大きく低下している。
財政出動をなるべく手控え、緊縮財政をすることに重点(2025年度の基礎的財政収支の黒字化を目標)を置いていることもその理由の一つ。
その代り、日本銀行による異次元の金融緩和は継続中、それで日経平均はETFの買い支えで何とか値を保っている状態。
ところが、中央銀行から民間銀行にお金をジャブジャブと流したところで、企業には資金需要がないから、どこも借りたがらない。なので、余ったお金は国債の購入に当てられる。
何とかして銀行から上手くお金が民間に流れる方法はないかしら?
BIS規制という自己資本比率の縛りがあるので、銀行は一定以上のリスクを取れないジレンマに陥っている。
銀行はお金を貸したくても貸せない、企業はお金を借りようにも借りる動機がない、という悪循環が生じているわ。
そこで一番とばっちりを食らっているのは、若い世代の人達よ。正規雇用と所得がどんどん減らされて、完全に弱体化を余儀なくされている。
これじゃ、覇気がないとか、やる気がないとか、草食化とか言われても仕方ないわね。
時代の風潮として感じるのは、今まで高い報酬を受け取ってきた年配世代の利権はそのままに、翻って若い世代には徹底的にコスト削減の犠牲を強要している。
聞いた話では、大手の電力会社の正社員に至っても、20代の収入は上の世代の役職クラスの3分の1しかないそうよ。
このままじゃ、消費の低迷に由来するデフレは当分続きそう。何とかして、日本の「シルバー資本主義」を食い止めなきゃ。
えっ、それは何のことかって?
3475万人に上る65歳以上のシニア世代が、経済的なメリットを美味しいところ取りしている、という歪(いびつ)な資本主義のことよ。
こうした世代は退職金、年金に恵まれている傾向があるだけでなく、60歳以上の就業率も62.2%と非常に高い。もちろん、それは働く意欲が強いことも影響していると思うわ。でも、もう少し若い世代にチャンスを与えられないかしら?
8月15日は終戦を迎えた時期として、「耐え難きを絶え、忍び難きを忍び」という昭和天皇の玉音放送を思い出す年配の方々がたくさんいらっしゃると思うわ。
あの頃は大変で辛かったでしょうね。「物資がないし、お金もない」という苦しみの中を生きてこられたから本当に立派だと感じるの。
でも、「お金回りが悪い」という点においては、今も終戦直後とよく似た状況だわ。「正規雇用と所得の減少」という形で、そのツケを支払っているのが若い世代の人達よ。
当時は戦争絡みでお金の価値が薄れている上に、物資がなかったから、お金もモノも上手く流れなかったはず。
一方で、今現在は、お金は充分にあるし、円の価値もそれなりに強い。
ただ、「お金が滞らずにきちんと流れていない」ということが大きな問題なのよ。
リーマン・ショック以降、リスク回避の動きが先行し、資金の多くは、「安全な国の債権や通貨」に逃げ込んでしまった面があるわ。
そうすると、いかにも堅実でハプニングが起きなさそうな国にお金が集中するよね。もちろん、その代表格として日本が挙げられるわ。
どんなに金融緩和をしても、日本の国債や通貨の円が安全資産として買われている。対GDP比で200%の国の借金が世界一安全だなんて信じがたいけど、それがお金の動きの現状なの。
現在、日本の長期金利は1%を切っているわよ。これは、日本銀行の買い支えもあるけれども、国債を買いたいという需要が基本的に多いから、国債価格が高く、金利が低くても、信頼度が高い証拠だわ。
これは簡単に言うと、国民が働いて溜めたお金が、国債という冷凍庫にお蔵入りしているのよ。
それでも、日本は「ギリシャの二の舞になる」とか言ってマスコミはこぞって、日本の破綻、破滅、崩壊を煽っていたわ。消費税増税が始まるまで、「長期金利上昇!国債暴落秒読み!」なんて平気で論評していたわね。
本当に金利が上昇し、国債の買い手が居なくなってから、そう言ってちょうだい!
妙な不安ばかりを募らせて、日本人の心を萎縮させないでください!
これは私からの切なる願いよ。
マスコミを含む多くの有識者が、「日本はもうダメだ」みたいな自己暗示をかけているから、それを見聞きしている人々は、「そうかもしれない」と疑心暗鬼になって精神的に凹んでしまう。
そしたら、本来流れるべきところにお金が流れなくなってしまう。
「お金回りが良い」ということは、大多数の人が何かの価値を信じ、希望を持って行動している、ということの証なの。
「国債にお金が集まる」ということは、大胆な行動をして成功をおさめることを信じられなくなっている、ということの証なの。
何かをしようにも、気持ちが持ち上がらなくて、動くに動けない状態なの。
つまり、普通でいようとすること自体が、「鬱病で神経症な兆候」を示しているのよ。
これじゃ、国家の繁栄も存続も難しいわね。
アベノミクス以降、日本銀行は、優良な日本企業の株式の大量購入に踏み切ったわ。それが功を奏して、日経平均株価を底上げし、2万円台を維持できている。
でも、それだけでは足りないので、政府は国債発行で得た国民の貯蓄マネーを、「デフレ克服」のために使って欲しいの。将来に役立つ新たなインフラ整備など有効な公共事業のために、ぜひ財政出動を行って欲しい。そしたら、しっかりと雇用の創出にも結び付くはずよ。
戦後の日本が立ち直ったように、日本の若者が活き活きできる具体的なヴィジョンと道筋を見出す必要があるわね。
つい最近、2019年10月に予定されている消費税10%への引き上げは、2018年の骨太の方針原案で明記されてしまった。
即戦力となる外国人労働者を幅広く受け入れるよりも、国内の若者たちにもっと、経済的なチャンスを与える政策を取って欲しいわ!