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法人税減税や消費税増税は役に立つの?

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法人税減税や消費税増税は役に立つの?

 

今から約7年前、民主党の菅首相のブレーンだった大阪大学の小野教授は、「増税による雇用の創出」」を唱えていたわ。政府に入ってくるキャッシュの量が安定して多くなれば、福祉、医療、介護に回せるお金が増えて、景気対策を打ちやすくなる、という目論見だったのかな。

それと同時に、「法人税は減らすけれども、消費税を上げる」という企業への優遇措置を色んな方(学者、官僚、政治家など)が唱えていたわ。

それによって、企業は設備投資を増やし、賃金を上昇させ、人を雇いやすくなる、という期待があったのでしょう。ところが、そうはならなくて、一般庶民へのシワ寄せばかりが際立つことになっちゃった。

2014年4月に消費税増税8%が施行され、景気はしばらく冷え込んだのだけれど、2017年に入ってから企業業績は順調に回復したわ。そしたら、賃金アップと雇用の創出は上手くいったのかしら?

消費税増税と法人税減税の組み合わせに対する結論だけを言うと、「企業が払わなくて良くなった減税分のお金を溜め込んでしまう」という結果になっちゃったの。つまり、内部留保の拡大よ。

その額は2017年末時点で、なんと過去最高の417兆円!

政府としては、貯め込んだ内部留保を設備投資や賃金アップに使うように求めたけど、企業側は慎重な姿勢をなかなか崩そうとしないの。

2012年12月26日に第2次安倍政権が発足してから、たった4年間で100兆円以上も企業の貯め込みが膨らんじゃったわ。

それに比べて、実質賃金は目減りしている状況が続いているの。

稼いだ利益をそのまま新規雇用に結び付けるお金の使い方をしてくれるかと思ったら、実際には間逆になっちゃった。

利益が大きく改善しながら、現金を貯め込み、人件費に回さない。純利益に占める配当の割合も平均31%と欧米に比べて半分程度に過ぎない。

もっと大胆にお金を使える環境作りが欠かせないのに、「人口減少で将来は低成長が続く」「円安や原油安もいつ揺り戻しがあるか分からない」といった、今ここにある現実ではなく、まだ起こってもいない妄想に対する不安で、「いざという時に備える」ことを優先してしまっているの。

心理学的な観点では、「中長期に渡る成長イメージが持てていない」というところね。

ぶっちゃけ言うと、「企業が中長期的な雇用を維持しようとする意欲があまりない」のが本当のところよ。

この背景には、1995年当時の日経連(現在の経団連)が「新時代の日本的経営」の中で、非正規雇用を多数とする労働者の階層化を提言したことが挙げられるわ。それがそのまま、雇用の不安定に結び付いているの。

この提言と、働いている人の「所得給与の減少」が続いていることは明らかに連動性があるわ。

でも、もしも製造業の内部留保1%を使えば、失業者40万人を1年間雇用できる、という説も出ている。

ズバリ、日本最大の問題は「お金がなくて貧乏なのではなく、お金を使わなくて貧乏になっている」ことよ。

使われていない余剰資金は数百兆円以上あるけれど、「安心・安全を提供する方向性」にはお金がきちんと流れていないわね。

経済成長を本当に求めるならば、雇用者全体に占める割合が38%、20代では2人に1人となっている「非正規労働者の待遇」を改善することに念頭を置くべきだと思うの。

だって、雇用が不安定な上に年収が200万~300万円程度では、将来に対する不安は拭えない。結婚やマイホーム購入、出産の決断を含めて、消費の活性化は到底望めない。。。

そのためにも、非正規社員を正規社員に転換する制度が必要なはずよ。例えば、そこに消費税の増税を投資するならば、誰も文句は言えないでしょう。

健全な形で内需が拡大すれば、わざわざ海外への輸出(=外需)に頼って、為替に一喜一憂する必要はなくなるわ。

所得の低い非正規社員があまりにも多すぎる。これでは、日本国家全体の持続的な経済成長や総合的な税収増加には絶対につながらないと思うの。

その一方で、今現在の大企業の社長・会長クラスの給与は一年間で1億~10億以上に達すると報道されている。彼らの神経はどうなっているのかしら?

「所得の再分配」あるいは「格差の是正」を目的として、非正規労働者の待遇改善(もしくは正社員化)を主眼に置く政策こそ、日本の未来を明るくする結果につながるはずよ。

彼らの地位が安定し、向上すれば、子供手当てや教育費の無償化も必要なくなるし、出生率も自然に高まることでしょう。

その時にはじめて、総合的な税収は増加して、財政の健全化の議論を行う余地が生まれてくると考えているわ。

経済成長の入り口をどこに持って行くは、これからも、打ち出す政策が成功するか、失敗するかの重要な分岐点になるわね。

いつまでも「企業栄えて民滅ぶ」あるいは、「小作人と本百姓」のような労働階級の固定化、差別化が残っていると、日本経済はますます駄目になっていく・・・。

政治思想として、弱肉強食の「新自由主義」は確実に終焉を迎えつつあるけど、「修正資本主義」の導入は、雇用の実情に照らし合わせて検討すべきよ。

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