経済ゼミナール

金融市場において最も優先すべきは歴史から学ぶ賢者となること~信用とリスクのバランスを大切にしよう~

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人間は非常事態において理性よりも感情で行動する習性がある

そんなわけで、ロシアは海外からの資金の流入が絶たれてしまい、1998年の夏に「デフォルト、債務不履行」を宣言したのよ。

要するに、ロシア政府は、ロシア国債の元本と利回りの保証が出来ないと発表したの。

この時、「ローリスク・ハイリターン」の「ギャンブルの道具」として、ロシア国債に投資をしていたヘッジファンドは不意を衝かれて、大きな損失を被ってしまったわ。

だって、「IMF」からの財政支援によってロシア国債の価値は必ず守られると信用していたからね。この「ネガティブ・サプライズ」に驚いた金融市場は「パニック状態」となり、多くの投資家達が、新興市場国からお金を引き上げたわよ。

突然の思いがけない出来事に動揺し、株式や債券が大量に売られるという意味では、2007年のサプライム問題や2008年のリーマン・ショックによく似ているわね。

とにかく、信用力が低いと思われる国や企業からは、一斉に投資資金が逃げてしまったの。

これらの歴史を踏まえて、金融と経済において最も大切な事は、「信用力を高めることと、信用力を維持すること」だと結論付けられるわね。

安心・安全を感じられるかどうか、リスクがどれだけあるかどうかが、はっきりと分かっている事がとても重要なの。

正しい価値判断に基づいた情報によって、信用力を提供できることが、金融の世界では最優先の課題となるのね。

この条件が保たれている限り、金融市場は安定し、国や企業の収益力や将来性を見込まれて、株式や債権は適正価格に近づこうとするのね。

ところが、その条件が保たれていないと、金融市場は不安定になり、リスクをなるべく排して、より安全な場所にマネーが避難しようとするの。

アメリカ経済の好調ぶりとドルの信用力は本物か?

つまり、金融や経済というのは、平穏無事な環境では、「業績などの数字や格付けなどの理性」が重んじられ、非常事態の環境では、「人間の心理的で不合理な感情」によって左右されてしまうのね。

どのくらい安全と安心を感じていられるかが、そのバロメーターとなるのよ。

目下のところでは、90年代後半のロシアの債務不履行と、リーマンショックというアメリカの金融危機を重ねて見ることもできるわね。

具体的には、アメリカの借金つまり米国債は、海外マネーに買い支えてもらうことが絶対条件なの。それが出来ないと、米国債の金利は上昇し、その価格は下がってしまう可能性が高いわ。

不景気なのに国債の金利が上がるということは、その国の通貨価値に不信感が含まれている場合が多いの。

そうなったら困るのは、米国債を大量保有している「日本・中国・サウジアラビア」よ。売ろうにも売れないし、売ったら大損をしてしまうし・・・。

「強いアメリカ」を形だけでも堅持することができれば、投資マネーの流れは落ち着いて、平穏さを取り戻すことができるはず。

そこで、アメリカは2009年以降、「資産デフレ(=株式や不動産の含み損の大きな発生)」を解消しようとして、躍起になっていたの。米中央銀行のFRBは、量的緩和という手段を使い、考え得る最大限のドル紙幣のバラマキを行うことで、「資産デフレ」による金融危機を解決しようと頑張ってきたの。その結果、今は、ニューヨークダウの指数が23548ドルという史上最高値を更新し続けているわ。

アメリカは金融市場にドル紙幣をばら撒くことによって、消費を回復させ、景気の上昇を図ろうとしてきたのよ。

でも、それで潤った業種と低迷し続ける業種とでは、ものすごい大きな格差が生じてしまった。。。だからこそ、差別的発言などで色んな非難を浴びたにも関わらずトランプ氏が大統領に選ばれたのは、こうした経済の二極化を何とか食い止めたいというアメリカ国民の声を反映したものだと思うの。

もともと、IT企業と金融はとても相性が良いの。また別の機会に取り上げるけど、ITと金融の融合をフィンテックと呼んでいるわ。

アメリカの企業では、「FANG」と呼ばれる「フェイスブック・アマゾン・ドット・コム・ネットフリックス・アルファベット(グーグルの持ち株会社)と、「MANT」と呼ばれる「マイクロソフト・アップル・エヌビディア・テスラ」の株価が上昇し、時価総額(=株価×発行済株式数)が膨れ上がっているの。

これらはIT(情報技術)やハイテク関連企業であって、確かに業績も好調だわ。グローバル展開しているところがほとんどね。

その一方で、金融、資源関連などは株価水準で見て割安でもあんまり買われない状況みたい。

そのトレンドは、日経平均株価指数が25年10ヵ月ぶりの高値を付けた日本でも似たような形で表れているわ。

しかし、アメリカ経済には金融緩和でお金を大量に刷り散らかしたことによる副作用も生じているの。例えば、2011年~2012年にかけて「金価格」が大きく上昇し、1オンス=1923ドルという史上最高値になる場面もあったのよ。これも不景気から脱出するために金融緩和の動きが強まったからこそ、金が買われていた証拠よ。

金は、一般的に「有事の金」と言われていて、戦争とか紛争など動乱時に上がりやすくなるの。上記の期間は、戦争リスクと同レベルかそれ以上に経済危機が深刻だと受け止められていたのね。

当時は、金の高騰はドル紙幣に対する信用が落ちてきた兆候で、米ドルを買う理由がなくなったと指摘する専門家もいたくらいよ。

今現時点は、株価の上昇や企業業績だけではなかなか、実体経済の景気が見えにくくなっていると思うの。アメリカも日本も等しく、潤っている地域とそうでない地域、絶好調の企業と調子が良くない企業の差がどんどん広がっているように見えるわ。

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