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矛盾だらけの消費税率10%が決定!軽減税率とキャッシュレス化は景気対策となるか!?

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安倍晋三総理大臣は10月14日、予定通りに消費税率を2019年10月1日に現行の8%から10%へ予定通り引き上げる方針を固めました。社会保障制度を全世代型に転換する財源を確保するため、増税は不可避だと判断したからです。

これを受けて、10月15日の日経平均株価は400円を超える下落で終わりました。

2014年4月、前後消費税率が引き上げられた時は、消費増税は確実に景気にマイナスと受け止められ、株式市場もしばらくの間、「小売業」を中心に下げ基調が続きました。

多くの政治家、官僚、エコノミスト、証券アナリストは、最初から「消費税10%への増税は、景気を冷え込ませる」ということを分かっています。

過去に3%から5%へ、5%から8%へと消費税を引き上げた時は、ことごとく景気減速、消費低迷、企業業績の不振が顕著になりました。

それでも尚、8%から10%へと消費税を引き上げようとするのは、日本経済を徹底的に破壊しようとしているのか!?とさえ疑問に感じてしまいます。

正直申し上げると、消費税は上げる必要はありません。経済成長することで、総体としての税収が上がれば万事OKなのです。カナダは消費税を減税へ、マレーシアは撤廃へと動いています。アメリカは、大規模減税によって好景気の恩恵を国民が享受しています。

日本のやっていることは、サマータイム導入と同じレベルで、周回遅れであることを自覚しなければなりません。

新聞の多くは軽減税率の適応を受けたいためなのか、財務省の言いなりになって、5%から8%、あるいは8%から10%への引き上げを肯定し、大キャンペーンを行っていました。

その対価として得られたのが、新聞への軽減税率適応です。

これでは、新聞は、財務省などの特定の思想、信条を宣伝・広告することが仕事になってしまい、国民に対して、客観的で重要な情報を提供する本来の目的を果たせなくなくなってしまいます。

消費税増税で日本は初めて軽減税率を導入

今回の増税では、税率を引き上げた際の経済への影響を踏まえ、軽減税率などの対策が導入されます。増税の影響を和らげる対策として、政府は、「酒類と外食を除く食品全般」「週2回以上発行し、定期購読されている新聞」で、税率を8%のまま据え置く「軽減税率」の仕組みを導入します。

軽減税率の対象品目は、次の通りです。

飲食料品【8%】ただし、酒類外食除外【10%】

軽減税率の適用対象となる「飲食料品」に該当するかどうかは、事業者が「飲食料品」を販売する時点において、人の飲用または食用に供されるものとして販売するものであるかどうかで判断されます。

酒類は軽減税率の対象から外れていますが、ノンアルコールビールやノンアルコールカクテルは、軽減税率の対象となると予想されています。

外食【10%】の定義

(1)テーブル、いす、カウンター等の飲食に用いられる設備のある場所で行う、

(2)飲食料品を飲食させるサービス

ケータリング・出張料理など

(1)顧客が指定した場所において行う、

(2)加熱、調理又は給仕等の役務を伴う飲食料品の提供

有料老人ホーム等一定の生活を営む施設において行う一定の飲食料品の提供や学校給食等は、「ケータリング・出張料理等」から除外され、軽減税率(8%)の適用対となります。

外食かどうか区別しにくい軽減税率の例

(1)牛丼屋・ハンバーガー店での「店内飲食」と「テイクアウト」

牛丼屋やハンバーガー店での「店内飲食」は、事業者が、顧客に店内で飲食させるサービスを提供するものであるため、「外食」に当たり標準税率(10%)の適用対象となります。

一方、牛丼屋やハンバーガー店での「テイクアウト」は、単に飲食料品を販売するものであるため、「外食」にはあたらず、軽減税率(8%)の適用対象となります。

(2)コンビニエンスストアで販売する弁当等

コンビニエンスストアで持ち帰りとして弁当を販売する場合は、事業者が、買い物客に店内の飲食設備において飲食させるサービスを提供するものではなく、単に飲食料品を販売するものであるため、「外食」には当たらず、軽減税率(8%)の適用対象となります。

ただし、事業者が、買い物客に店内に設置したイートインスペースにおいて飲食させるサービスを提供するものである場合には、「外食」に当たり、標準税率(10%)の適用対象となります。この見解に対して、小売りの現場からは、「買い物客に持ち帰るのか店内で食べるのか確認が必要で対応が煩雑だ」「日中の客の1割はイートイン目的で客離れにつながる」といった懸念の声が上がっています。

(3)フードコートでの飲食

フードコートでの飲食料品の提供は、テーブルやいすが設置されたスペースに隣接する飲食店が、顧客にその飲食スペースで飲食するサービスを提供するものであるため、「外食」に当たり、標準税率(10%)の適用対象となります。

ただし、これらの飲食店で飲食料品を「テイクアウト」した場合は、単に飲食料品を販売するものであるため、「外食」には当たらず、軽減税率(8%)の適用対象となります。

(4)パーティー会場で食卓の設営や調理、配膳等の給仕を行って飲食料品を提供するサービス

事業者が、顧客の求めに応じてパーティー会場に出張し、顧客にその場で飲食させるための食卓の設営や調理、配膳等の給仕を伴う飲食料品の提供であるため、「ケータリング・出張料理等」にあたり、標準税率(10%)の適用対象となります。

(5)そば屋やピザ屋での「店内飲食」と「出前・宅配」

そば屋やピザ屋などの「店内飲食」は、事業者が、顧客に店内で飲食させるサービスを提供するものであるため、「外食」に当たり、標準税率(10%)の適用対象となります。

そば屋の出前やピザ屋の宅配は、顧客の指定した場所まで単に飲食料品を届けるものであるため、「外食」には当たらず、軽減税率(8%)の適用対象となります。

(6)カフェでテイクアウト用にコーヒーを注文したけど、気が変わって席について飲食した場合

レジでお会計をする際に、イートインorテイクアウトを確認し、イートインであれば10%となり、テイクアウトであれば8%となる予定です。

「テイクアウト」(8%)か「店内飲食」(10%)かは、販売事業者が、販売時点で必要に応じて顧客に意思確認を行って、判断することになります。

(7)保冷用と食用に分かれる「氷」

市販のミネラルウォーターなどの飲料水は「飲食品」となり、軽減税率8%の対象ですが、「氷」については、保冷用に使う氷軽減税率の対象外で10%の税率が適応されます。コンビニなどで販売する飲食用の「氷」は軽減税率の対象となり8%の税率が適応されます。

(8)一体商品を購入した場合

一体商品とは、おもちゃ付のお菓子やコーヒーとカップとが一緒になっているコーヒーギフトセットなど、あらかじめ軽減税率の適用対象である食品(酒類を除く)と食品以外の商品とが一体として販売されるものを指します。

※その一体商品の価格のみが提示されているものに限る。

一体商品は、原則、軽減税率の適用対象外となりますが、販売価額(税抜き)が1万円以下の商品であって、その商品の食品から構成されている部分の価額の占める割合として合理的な方法により計算した割合が3分の2以上のものは、全体が軽減税率(8%)の適用対象となります。

おまけ付きお菓子(一体型商品)の場合、一定金額以下の少額であれば、飲食料品が主たる要素を占めている時に限り、軽減税率の対象となります。

非常に不可解で謎だらけの軽減税率の例

(1)「宅配によって週2回以上発行される新聞」(定期購読契約に基づくもの)は軽減税率が適応されるため8%据え置きで、一般社会的事実を掲載するスポーツ紙や業界紙8%となります。

ただし、電子版の新聞、コンビニエンスストアなどの一部売りの新聞軽減税率の対象外で10%で販売されることになります。何故なら、電子版は「電気通信利用役務の提供」であり「新聞の譲渡」に該当しないから、という理由です。

(2)コンビニやスーパーで販売している飲料水、ペットボトルの水は軽減税率の対象8%ですが、飲食品に入らず、お風呂や洗濯にも使える水道水は10%となります。

とはいえ、「東京水」のように、水道水をペットボトルに入れて販売する場合軽減税率の対象となり、8%の税率が適応されます。(何かおかしくないですか・・・?)

だとしたら、家庭向けにサーバー販売する飲料水の需要が高まる傾向が出てくるはずです。

水道水を認めると、電気やガスなども加える必要が出てくるのを財務省が懸念しているのか?生活必需品としては、ぜひ軽減税率の対象に含めて欲しいところです。

ヨーロッパでは上下水道や光熱費も軽減税率の対象にしている国もあります。

(3)光熱費(電気代・ガス代)や通信費(インターネット・スマホ)軽減税率の対象外で10%に増税

国民の生活必需品である水道や光熱費、通信費こそ軽減税率の対象とするべきだと思うのですが、今回の増税案ではそうなっていません。秋の臨時国会や2019年の通常国会で議論が紛糾し、参議院選挙の大きなテーマとなる可能性があります。

もし、消費税10%増税で経済状況が不安定になれば、安倍政権は確実に力を失い、場合によっては失脚のリスクも十分にあり得るでしょう。

というのも、今回の消費増税は矛盾が多すぎるからです。

消費税増税によって、少子化対策をするという名目ですが、それならば学生の教育に直接関わってくるものは全て非課税にするべきです。(制服やかばん、文房具、体操服、学校の教材、参考書や問題集など)

キャッシュレス決済の導入によるポイント還元

増税対策は軽減税率だけではありません。

中小店舗での商品購入時に、クレジットカード・スマートフォンのQRコード・電子マネーなどのキャッシュレス決済をした場合に、消費者に対して購入額の2%分をポイントで還元し、その分を政府が補助するという仕組みも導入します。

消費の落ち込みを防ぐと共に、成長戦略の一環としてキャッシュレス決済の普及を目指し、普及が進んでいない地方を中心にキャッシュレス決済の導入を促したいという目的もあります。

今後の成長が見込まれる宅配・持ち帰り・キャッシュレス関連銘柄

そのため、株式市場では、キャッシュレス決済の普及に期待が高くなっています。

出前・持ち帰りの銘柄として、弁当店チェーンの「ハークスレイ」、宅配事業の「夢の街創造委員会」、キャッシュレス決済の「クレディセゾン」「フライトホールディングス」「メタップス」「テクノホライゾン」、カード事業が主力の「丸井グループ」などが買われています。

「キャッシュレス化が進むことで預貯金などで眠っているお金が流通しやすくなり経済全体の活性化が期待できる」という専門家の指摘が株価を押し上げています。

とはいえ、キャッシュレス化の実施に際しては大きな課題もあります。

経済産業省のデータによると、2015年の日本のキャッシュレス決済の比率は18.4%で、韓国の89.1%や中国の60%、カナダの55.4%と比較すると低い水準にとどまっています。

銀行やコンビニ、スーパー、駅前などATMの利便性が高く、現金が容易に調達できることを背景に、現金文化が強く根付いているからです。

しかし、ポイントとして2%が還元がされるならば、現在、多く見られる0.5%~1%の還元率よりも高く、キャッシュレス決済を新たに利用しようと考える人が増える可能性もあります。

高齢者・若者・貧困層・小売店に圧し掛かる新たな負担

一方において、キャッシュレス化を進める不可欠な条件として、小売店側が機器の導入を進める必要があります。

日本でキャッシュレス化が進んでこなかったのは、小売店側が、キャッシュレス決済用の機器を導入する手間やコストを敬遠したり、カード決済手数料の高さに二の足を踏んでいる場合が多いからです。

そのため、スマホやタブレットを使って簡単に決済できるシステムなど、消費者側にとっても小売店側にとっても、使い勝手が良いサービスを普及させることが大切になってきます。

「消費増税+消費を冷え込ませない+キャッシュレス化の推進」といった政府の方針が上手く行くかどうかは、こうした現場の問題をきちんと認識した上で、丁寧に取り組んでいく姿勢が求められます。

電子化された取引に馴染みのない高齢者や、クレジットカードを持っていない若者・貧困層にどう対処していくか、また、クレジット機能のレジや専用端末を持たない店舗に対して、キャッシュレス化のメリットを提供できるかが重要な鍵を握っています。

【10月20日更新】政府は、消費税率10%への引き上げに合わせ実施予定の景気対策を拡充する方向で検討に入っています。

現金を使わないキャッシュレス決済を利用した際の2%のポイント還元策を、軽減税率の対象となる飲食料品も含め原則全ての商品やサービスに適用することも視野に入れています。

キャッシュレス決済のポイント還元について、対象範囲を広げることで、増税後の消費者や中小事業者の負担を軽減し、景気減速を防ぐことを目指しています。

還元期間は数カ月から1年程度を想定しています。

対象となる店舗は、商店街の小売店や飲食店、宿泊業などの中小事業者です。新たに税率が10%となる商品だけでなく、8%で据え置く軽減税率が課される飲食料品なども還元する方針で、飲食料品の税率負担は実質的に6%になります。

また、手数料が高いクレジットカード利用を普及させるため、政府がカード会社に対して、小売りなど加盟店から受け取る手数料引き下げを要請することも検討しています。

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