アイル株式会社【銘柄コード3854・東証2部上場】は、クラウド事業において、現在急拡大をするEC(イー・コマース)市場に伴い、より複雑化するバックヤード業務(※)の効率化や自動化を推し進め、顧客のバックヤードがクリエイティブな発想で業務に取り組めるように、IT技術を通して様々な支援を行っています。
具体的には、企業向け販売在庫管理システムを開発し、実店舗とネットショップの統合管理を展開しています。
販売実績としては、「リアル」面では、在庫管理システムのパッケージソフトウェア「アラジンオフィス」の商品力の強化を業種別に継続して進めることができました。
販売面でもパートナー企業との連携に加え、東京、大阪、名古屋において「アラジンオフィス」の業種別セミナーを開催し、豊富な業種別の導入事例をもとに顧客毎に最適なシステム活用方法を提案することで、受注実績も順調に推移しています。
案件規模の大型化に伴い、売上計上に関し納期は長期化傾向にありますが、前期より順調に売上高は増加しました。
「Web」面では、複数ネットショップ一元管理ソフトである「CROSS MALL」について、新たなショッピングモールとの連携開発を当期も継続して取り組んでいます。
今後も引き続き、複数モールとの連携機能強化を行うと同時に、既存の顧客から機能面における要望を収集し、迅速に新機能として反映させることで、商品力を向上させ販売実績を伸ばしていく方針です。
ネットショップと実店舗のポイントや、顧客一元管理ソフトである「CROSSPOINT」も、販売実績を伸ばしており、Web課金型のEC(イー・コマース)の分野は確実に受注が増えています。
※バックヤードとは、店舗のうち、売場に供さないスペースを示します。 小売業においては、商品倉庫やパッケージングをするスペースなどを意味し、飲食店では厨房や材料置場などが該当します。 原則的には、このバックヤードは収益を生まないスペースであり、できるだけ効率的に活用する必要があります。
目次
アイルの業績は今期経常が32%増で5期ぶりの最高益となる
アイルは、9月7日大引け後に決算を発表し、18年7月期の連結経常利益は前期比20.0%増の5.4億円に伸びました。19年7月期も前期比31.9%増の7.2億円に拡大を見込んおり、5期ぶりに過去最高益を更新する見通しとなっています。9期連続増収で、4期連続増益です。
同時に、年間配当を18円→20円に増額しました。7月31日割当の株式分割を考慮した実質配当は20.0%増配とする方針としています。
同日に、2020年度(2021年7月期)を最終年度とする3ヵ年の中期経営計画を策定したと発表しました。その内容は、利益率の向上や、安定した利益確保を目指しており、2021年7月期の経営目標は売上高25.3%増、営業利益90.1%増、経常利益86.8%増、当期純利益95.5%増としています。
アイルが扱う商品バリエーションの充実と各商品力の強化によって、年々受注額が大きくなっており、また、連携するパートナー企業数も着実に増加しています。さらに既存顧客からのシステム入替需要については、システム業界の中でも高いリピート率を維持し、今後も堅調に推移する見込みです。アイルは、ITの有効活用が必要な中堅及び中小企業顧客の経営課題を解決するための商材を「リアル」と「Web」の両面から開発・提案し、顧客の企業力強化を図ることを「CROSS-OVER シナジー」戦略とし取り組んできました。
シビラとアイルが提携するプロジェクトの方向性
シビラとアイルは、昨年の2017年6月16日に資本業務提携を行いました。
アイルの出資金額:29,983,393円
出資比率:5.5%(第三者割当増資後)
出資する会社の概要
会社名:シビラ株式会社
所在地:大阪府大阪市西区北堀江
事業内容:ブロックチェーンの研究開発およびソリューションの提供
会社名:株式会社アイル
所在地:大阪府大阪市北区
事業内容:中堅・中小企業向け販売在庫管理システムを開発、提供
資本金:3億54百万円 (2016年7月末時点)
発行済株式数:6,260,714株
シビラは、高度な数学理論による暗号技術と合意形成アルゴリズム、そして分散技術により、ゼロダウンタイムや情報の改ざん、不正を不可能なものとする「ブロックチェーン技術」の開発を行っています。
アイルのシビラに対する出資は、シビラが持つデータベースとしての利用に耐えるトレーサビリティに優れた独自のブロックチェーン技術に、アイルのエンタープライズへの営業展開力、クラウドサービスプロバイダとしてのサービスノウハウ、運用技術、蓄積されたビックデータを融合させ、現在展開中のクラウドサービス事業において、差別化並びに業務拡大を図ることを目的としたものです。
トレーサビリティとは、物品の流通経路を生産段階から最終消費段階あるいは廃棄段階まで追跡が可能な状態を意味します。(=追跡可能性)
この2社は「EC × トークンエコノミー」のプロジェクトを開始しました。その内容は下図のようなイメージです。
出典:シビラ株式会社HPより
- ショップ、ポイント、商品などをブロックチェーンによるトークンエコノミーに乗せることで、在庫の流動性向上や新たな購買動機の創出など、EC業界に新しい常識を生み出すプラットフォームの構築を想定しています。
- ブロックチェーンの堅牢性と分散型アーキテクチャを活用し、複数企業・サービス間の安心・安全なバックオフィス連携を促すことで、市場動向や消費者のニーズを可視化していきます。EC特化の店舗横断型BIツールなどの提供を想定し、EC業界におけるマーケティングの常識を変えていきます。
- クラウド上に蓄積されている、顧客企業の販売・顧客情報といった重要なビッグデータの改ざんを防止します。今後はシビラ独自ブロックチェーン「Broof」の特徴を生かし、不正アクセスやヒューマンエラーによるサービス停止障害などを防止する、次世代セキュリティを兼ね備えた業務管理クラウドサービスの実現を目指します。
トークンエコノミーとは、ブロックチェーン上のデジタル資産(=トークン)の流動によって生まれる新しい経済のことを意味します。トークンは、デジタルデータでありながらも改ざんやコピーが不可能であり、その所有権を明確にすることが可能です。
シビラとアイルが提携するプロジェクトの第一弾
アイルが中堅及び中小規模の小売業向けに開発・提供している業務管理クラウドサービス「CROSSシリーズ」の一部機能において、いつ誰がどのような操作をしたか記録する「監査ログ」の管理を「Broof」で行います。
これにより、クラウド上に蓄積されている、顧客企業の販売・顧客情報といった重要なビッグデータの改ざんを防止できます。
シビラのブロックチェーン技術を活用することで、アイルのクラウドサービスのセキュリティを向上させ、仮想通貨の導入ならびに応用、在庫データのオープン化、および企業、店舗、サービスを横断したオープンなプラットフォームの企画、開発、販売を共同で取り組むことができます。
Amazonとも提携するEC事業者向けサービスのCROSS MALL
テクニカルチャートは、日足だけでなく月足で上昇トレンドな上に業績も全く問題ありません。
加えて、7月2日付けでアイルは、東京証券取引所市場第二部から第一部銘柄に指定されました。
今は立派な東証一部上場銘柄となっているのです
決算期 | 売上高 | 営業益 | 経常益 | 最終益 | 修正1株益 | 1株配 | 発表日 |
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△2002年7月期~2014年7月期を表示 | |||||||
連 2015.07 | 7,037 | 324 | 350 | 128 | 10.2 | 15 | 15/09/04 |
連 2016.07 | 7,896 | 376 | 392 | 247 | 19.8 | 18 | 16/09/06 |
連 2017.07 | 8,621 | 432 | 455 | 299 | 24.0 | 18 | 17/09/08 |
連 2018.07 | 9,412 | 526 | 546 | 336 | 26.9 | 20 | 18/09/07 |
連 予 2019.07 | 10,500 | 925 | 950 | 614 | 49.0 | 12 | 19/06/07 |
前期比 | +11.6 | +75.9 | +74.0 | +82.7 | +82.2 | (%) | |
▽2002年7月期~2014年7月期を表示 |
(出典:株探)
アイルが提供する複数ECサイト一元管理ASPサービス「CROSS MALL」は、商品登録、在庫管理、受注管理、発注管理、仕入れ管理が可能な月額制のサービスです。
(出典:アイル株式会社)
Amazonが提供するEC事業者向けの商品在庫保管管理・配送代行サービスにも対応しており、働き方改革によって残業代が少なくなったビジネスマンの副業(ネット通販)にも積極的に取り入れられていくことでしょう。
(出典:アイル株式会社)
今後、アイルの株価は、さらに上昇して2000円を越えていくものと予想されます。
何よりも、個人以上にプロ好みの優良銘柄であることは間違いありません。