アメリカ・中国 コラム

米中貿易戦争は4月下旬の米中首脳会談で決着予定!FRBは金融引き締めを行わない方針に転換!

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アメリカと中国は、2月中旬から貿易問題を話し合っています。

お互いに「通商協議の進展があった」と主張していますが、重要な争点に関しては、双方の溝は全く埋まっていません。

そこで、トランプ大統領は2019年3月1日の米中の貿易協議の期限を「60日間延長する検討をしている」と発表し、中国は90日間の延長を要望していました。

貿易協議の期限は3月1日が4月下旬の米中首脳会談で決着予定に変更

「合意に近いか、合意が正しい方に向かいつつある」ことが、その判断基準であり、現在の関税を維持しつつ、期限を延長する可能性とのことです。

加えて、トランプ大統領は「ディール(取引)が成立するなら、敬意を持って関税措置を引き揚げたい」と述べています。

通商協議に関しては、

1.技術移転、知的財産権、農業・サービス部門、非関税障壁、通貨などについて討議

2.巨額のアメリカ貿易赤字解消に向けて中国がアメリカから製品・サービスを購入する可能性

3.ライトハイザー代表は習国家首席に、通商協議が「極めて良好」だったと伝える

4.中国メディアは、両国が複数の主要分野で原則的合意に達したと報道

という一見前向きなプロセスを経ているようですが、その一方で、

1.トランプ大統領は「非常に複雑」ともコメント

2.民主党のペロシ下院議長やシューマー上院院内総務の意見も聞く予定

3.サンダース報道官は「なお多くの課題が残されている」とコメント

4.両国とも関税合戦の解消に向けた具体策は示していない

5.米中首脳会談の実施に道を開くような大幅な進展があった形跡は見られない

6.重要な問題を巡って停滞していると関係筋が証言

7.米中間には貿易問題の構造やその解決を巡って大きな隔たりがある

8.関税引き上げを60日延期検討のトランプ政権に対し、ホワイトハウスは「激怒」

という悲観的な意見も出てきています。

トランプ大統領は、「中国は米国との合意を切望している」と話しつつも、「見せかけの合意」ではなく、「中国が構造改革を断行する合意が前提になる」いう認識に変わりはありません。

また、期限延長の可能性を排除しない方針ですが、「一般論としては、そうしたくない」と述べており、3月中という期限内の妥結を求める考えも強調しました。

アメリカの政府内では、

1.中国が合意を順守した場合には関税の税率を段階的に引き下げる

2.もし約束を破った場合は税率を再び元の高い水準に戻す

という案が検討されています。

いずれにせよ、3月中には、合意に達しても、達しなくても、中国が妥協したくない内容についての論点が明らかとなり、今後の根本的な課題がはっきりとしてくるでしょう。

【3月5日更新】トランプ大統領は、中国に対してアメリカ産の農産品(牛肉や豚肉など)への関税削減を求める一方、貿易交渉が妥結した場合に米国が課す関税を下げる可能性を示唆しました。

さらに、知的財産侵害や巨額の補助金など中国の構造問題を巡る協議が妥結した場合、2018年に課した制裁関税のうちの一部か全部を撤廃する可能性に言及しています。

米中首脳会談は、フロリダ州にある別荘でトランプ大統領と習近平国家主席が会って決着を目指す方針に変更となりました。

【3月15日更新】中国の全人代(日本の国会に相当)が終わり、李克強首相が会見を開きました。

アメリカとは穏便に貿易交渉を済ませたい意向が強く伺えます。

協議の論点もかなり明白になっており、後は最後の詰めの作業に入っているといった感じです。

トランプ大統領の奇奇怪怪で予測不能な行動に振り回される可能性はありますが、米中関係における貿易交渉は、近いうちに一応の決着を見ることになりそうです。

しかし、米中首脳会談は4月下旬まで先延ばしになる模様であり、それまで実務者協議の中でしっかりと課題を詰めていくことを目指しています。

これまでの一連の詳しい流れは、米中貿易戦争を越えた対立激化をご参照ください。

もちろん、経済・貿易という狭い分野では話し合いの中で議論がしっかりと重ねられるでしょうが、外交・軍事に関しては、中国の海洋進出や台湾への対応など力勝負で決着を着ける事態も想定されます。

しかし、とりあえずは、両国にとって貿易交渉を穏便に終わらせることが最優先の課題となるでしょう。

アメリカの株式市場は利上げ停止と資産圧縮プログラムの年内停止で活況へ

ここに来て、アメリカの株式市場、ニューヨークダウが上昇トレンドを形成しています。

その要因として、アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)のブレイナード理事が、FRBのバランスシート正常化プロセスを2019年で終了する考えを示したのです。

ブレイナード理事は、「準備金需要に関して市場からある程度のデータを得ている。ボラティリティー回避のため、それに加えて相当なバッファーを備えておくことが望ましい」と指摘しました。

つまり、アメリカで経済ショックが起こる事態に備えるための準備金が十分に必要ということです。

彼の発言は、10年間に及ぶ異例なバランスシート拡張の終了に向けた計画についてのFRBの考えを最も明確に表しています。

バランスシートの規模は、最大時だった2015年の4兆5000億ドルから約4兆ドルに減少しています。

尚、ブレイナード理事はバランスシートをどの規模で安定させるべきか、という細かい水準については言及を避けました。

トランプ大統領がアメリカの株価下落を嫌がり、FRBの要人から利上げや中央銀行のバランスシート圧縮をこれ以上はしたくないという発言が飛び出したことから、

2019年以降は金融引き締めは行わない=金融緩和の方向で株価が上昇しやすい

と株式市場は受け止めたのでしょう。

アメリカ商務省の発表によれば、2018年12月の小売・売上高は、前月比1.2%減で下方修正されています。

ブレイナード理事は、「1カ月のデータであり、過剰なシグナルを得るつもりはない。一定の下振れリスクに留意すべき状況だということを示すデータが増えたのは間違いない」と述べました。

2019年のアメリカ経済について、「下振れリスクは高まっており、年内に動くとしても状況を見守り正しい動きを見極める必要があろう」と言及しています。

このような状況では、入手するデータから様子見はしても、利上げや資産圧縮はできない、と解釈しているように思えます。

FRBが経済リスクを強調すると、株式市場は金融政策の緩和を期待するため、悪材料が好材料に変わる錬金術となります。

アメリカ中央銀行であるFRBのスタンスは、イギリスの合意なきEU離脱や中国経済のバブル崩壊、ドイツを筆頭とするEU圏の景況感の悪さを踏まえると、市場関係者に大きな安心感を与えてくれるのは間違いありません。

現状ではアメリカ発の経済不況・金融危機よりも、中国やヨーロッパ発の経済不況・金融危機を警戒しておくべきでしょう。

ドイツ銀行の株価は12年前に比べて6%と暴落  リーマンショック時より悪い

ドイツ銀行の株価は、サブプライム問題が発覚する2007年5月には112.22EURだったのが、リーマンショックから4ヵ月後の2009年1月30日に19.05EUR、そして直近の2019年2月18日時点では7.70EURという具合に「100→7」という長年に渡る大暴落を続けています。

ドイツ銀行の株価は、リーマンショックによる影響の最悪時を遥かに下回っているのです。

ドイツ銀行株価

(出典:ヤフーファイナンス)

ドイツ銀行には、

1.ダンスケ銀行の依頼で大量の「ロシアマネー」をドル転していた

2.パナマ文書に関連するマネーロンダリングに携わっていた

というモラルのない業務内容が報道されています。

そのため、

1.国際業務を続けられなくなる

2.投資銀行部門の分割や身売りをせざるを得なくなる

という懸念の声が上がっています。

アメリカ及びヨーロッパの大手銀行で、株価が10ドルあるいは10ユーロを下回ってくると、破綻リスクが高いと判断する投資家は多いことでしょう。

リーマンショックから10年、次の金融危機の震源地はどこか?

では、

1.金融ショックが破壊的な影響を及ぼすのは銀行システムに飛び火した場合に限る

2.次の金融危機は規模の大きい先進国経済で銀行システムに異変が生じた時になる

と個人的に予測しました。

もし、ドイツ銀行が破綻すれば、かなりの大きな衝撃が全世界に走ることでしょう。

というのも、

ドイツ銀行の破綻は、

1.ドイツ銀行の株式及び債券を保有する投資家

2.融資先の企業・預金者・投資先企業に連鎖して悪影響を及ぼす

ことにつながるからです。

問題だらけの欧州ではドイツ・フランス・イギリス政府が悲鳴を上げている

ヨーロッパでは、

1.イタリアのEU解体を支持する政党とフランスの黄色いベスト運動を起こす市民が手を組む

2.燃料価格や生活費の高騰で苦しむフランス労働者・中産階級から支持を失うマクロン政権

3.ドイツで与党・キリスト教社会同盟(CSU)が選挙で敗北続き、メルケル政権が弱体化

4.イギリスが3月29日に欧州連合(EU)から「合意なき離脱」をするリスクが高まっている

という異常事態が起こっており、5月23日~26日:欧州議会選挙で大波乱が起これば、EU解体の序章が始まることも十分に考えられます。

今は、アメリカよりも、中国・ヨーロッパの動向を注視しておいた方が良いかもしれません。

中国はリーマンショック対策で始まった不動産バブルが崩壊目前の危機

中国の最も大切な伝統的な祝日である春節(旧正月・2月4日~2月10日)により、中国人観光客が日本の百貨店へ買い物に訪れていますが、売上高は前年よりも落ち込んでいます。

中国本土では実体経済の悪化に加え、不動産バブルが崩壊目前と囁かれているのです。

中国経済の崩壊がまだ目に見えないのは、

1.中国人民銀行が絶えず紙幣(人民元)を刷り続け、不動産市場にマネーが流入

2.中国政府が財政出動による景気刺激策でインフラ建設・不動産開発を拡大させてきた

ことに原因があります。

しかし、既に多くのインフラ建築や不動産開発がストップしており、

・中国の不動産はすでに工事が止まっている

・100棟のうち98棟は工事が止まっており、建築労働者が実際に作業しているのは2棟のみ

・多くの不動産企業は資産を海外に移転し、住宅市場の実態を隠して海外市場で資金調達

・民間企業、中国政府共に借金が雪だるま式に膨れ上がっている

という非難の声が上がっています。

さらに数字レベルの定量的データによりますと、さらに深刻な事態が浮かび上がります。

・空き家が5000万戸、不動産の時価総額が65兆ドル(約7100兆円)となっている

・入居者の需要が見込めず、不動産の資産価格が急落する恐れが高まっている

また、国営企業の体力も相当に弱体化しています。

・国営企業が抱える負債の総額は108兆元(約1800兆円)

・国営鉄道会社の債務規模は5兆2800億元(約85兆円)

・国内の負債総額は、合計すると600兆元(約9700兆円)と1京円近く

となっています。

中国人の消費意欲の低下は、2020年にはさらに顕著になることでしょう。

まずは米中貿易問題の交渉がどういう結末を迎えるか、中国は大きな正念場を迎えています。





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