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サイバー攻撃/情報漏洩を防ぐため、中国のファーウェイとZTEを日本の各府省庁・自衛隊が使用禁止に!

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2018年12月5日、、改正サイバーセキュリティ基本法が可決・成立しましたが、その目的は機密情報の漏洩やハッキングなどのサイバー攻撃を防ぐことにあります。

もちろん、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを念頭においていますが、それ以前の段階で、早急に情報セキュリティ対策を急ぐ必要が生じていました。

アメリカは国防権限法で中国のファーウェイとZTEの製品を全面禁止へ

というのも、2018年8月13日にアメリカのトランプ大統領は、「国防権限法」に署名し、この法案が成立していたからです。

「国防権限法」には、アメリカ、米政府機関とその取引企業に対して、中国情報通信大手の華為技術(ファーウェイ)と中興通訊(ZTE)の通信機器を使うことを禁止する内容が盛り込まれていました。

何故なら、この2社の携帯電話や半導体にはウイルスが仕込まれ、中国による不正傍受やサイバー攻撃に利用されているとして、日本・ドイツ・イタリアなどの同盟国に利用の自粛を要請していたのです。

アメリカ主導による要請だけでなく、インド・オーストラリア・ニュージーランドの各政府は、自国の高速大容量の第5世代(5G)移動通信システムへのファーウェイの参入を正式に禁止しています。

そこで、日本政府も、12月に入り、各府省庁や自衛隊が使用する情報通信機器から、安全保障上の懸念が指摘される華為技術(ファーウェイ)中興通訊(ZTE)の製品やサービスを事実上、購入しない仕組みを固める方針を出しました。もちろん、その狙いは、機密情報の漏洩やサイバー攻撃を防ぎ、安全保障上の脅威から日本を守るためです。

国内企業の製品であっても、ファーウェイとZTEの部品を使っていれば排除対象とする方向です。

ただし、ファーウェイはソフトバンクの通信ネットワーク構築にも関わっており、今回の締め出しは民間企業による調達は対象外となります。

政府関係者は「政府はセキュリティー上懸念があるものは購入しないが、民間企業の調達を制限するのは難しい」と語っています。

アメリカにとってこの政策は、米中貿易戦争の一環でもありますが、単なる経済制裁だけではなく、米軍の強化を含む国家防衛の意味が示されています。

米中貿易戦争は通商摩擦からデジタル支配権の掌握をかけたハイテク冷戦へ

やはり、米中間の対立は、通商摩擦を入り口として、新冷戦へと突入していくことになるでしょう。

これは、米国と中国のどちらがデジタル・ネットワークでつながった世界の通信支配権を握るかをかけた「テクノロジー冷戦」「ハイテク冷戦」なのです。

一方で、中国外務省は、アメリカの「国防権限法」に対して「強烈な不満」を表明し、「冷戦思考とゼロサムゲームの理念を捨て、正確かつ客観的に両国関係を扱うよう米国側に促す」と発表しています。

ところが、ファーウェイとZTEの携帯や情報機器の部品を使用することで、個人や民間企業、政府や行政府がサイバー攻撃に遭い、中国から不正傍受や情報漏洩をされているのであれば、無視する訳にはいきません。

実は、アメリカ政府がファーウェイとZTEを国内から締め出そうとする動きは、2012年当時のオバマ政権時代から続いています。

その理由は、両社の製品が、中国人民解放軍や中国共産党公安部門と癒着し、スパイ行為やサイバー攻撃のためのインフラ構築を行っている疑いが強いと警戒しているからです。

特にファーウェイは1987年に元人民解放軍の軍事技術関係者が集って創業し、携帯電話のインフラ整備に必要な通信機器を開発するために中国の深圳市に設立されています。

アメリカには、安全保障上の懸念だけでなく、ファーウェイとZTEを弱体化させることで、「5G」(第5世代移動通信システム)の実用化でライバルの中国を封じ込めようとする思惑があります。

既に「5G」(第5世代移動通信システム)では、中国のファーウェイとZTEがアメリカに先行しているため、このままでは中国が情報通信インフラで世界の支配権を握るとの見方も出ています。

ソフトバンクの通信障害で個人間の連絡・消防・物流・航空便・コンサートが被害

中国の電気通信企業によるサイバー攻撃による脅威の中でも、とりわけICT(情報通信技術)サプライチェーン攻撃があります。

ICT(情報通信技術)サプライチェーンに対する攻撃は、情報通信インフラが提供するサービスを中断、停止させて、社会に大混乱をもたらすのです。

日本全土の広い範囲で通信障害が発生し、多数の人が困惑する事態に

その被害による不便さは、12月6日の午後1時39分頃から午後18時4分まで発生した、ソフトバンクの大規模な通信障害(北海道、大阪、名古屋、福岡など広い範囲で発生)を体験した人にとっては、大いに実感できるはずです。

ソフトバンクの携帯電話契約数は、格安ブランドの「ワイモバイル」を含めると約4000万件あります。

「ワイモバイル」意外でも、ソフトバンクから回線を借りて通信サービスを展開する「マイネオ」やLINEモバイルなどでも同様の障害が起きていました。

スマホで電話、メール、個人情報の照合、QRコードが使えなくなる

ソフトバンクユーザーにとって、こうした通信障害の影響は、消防や物流などにも広がりました。東京消防庁では、他社の固定電話または携帯電話から通報するよう呼び掛け、佐川急便では、顧客から再配達や集荷の依頼が届かない事態となり、格安航空会社ジェットスター・ジャパンでは、搭乗口でスマホによる搭乗券の照合手続きが一時的にできなくなりました。

愛知県・名古屋にあるZepp Nagoyaで行う予定のアーティストGLAYのライブにも影響を及ぼし、デジタルチケットや入場用QRコードにも波及しています。

ソフトバンクは通信障害をソフトウエアが原因と表明したが陰謀説も浮上

ソフトバンクは6日深夜に、通信障害の原因はサイバーテロ攻撃ではなく、スウェーデンの通信機器大手エリクソン製のソフトウエアが原因だと表明しています。

ソフトバンクグループの携帯子会社SoftBankは、12月19日に東京証券取引所への上場を控えていますが、ファーウェイと業務提携して5Gの実証実験を進め、技術開発を行っているため、上場後の株価に悪影響を及ぼすことを目的とする陰謀説も囁かれています。

携帯電話大手のソフトバンクは、ファーウェイ製の基地局を採用しており、世界で強まる排除の流れによって、今後かなりの苦戦を強いられそうです。

ファーウェイは、無線技術などの発明が多く、次世代高速通信の「5G」(第5世代移動通信システム)に強みを持っています。

日本では、次世代の「5G」が2020年の実用化予定であり、通信速度の向上だけでなく、IoT時代に即した「同時多接続」や「低遅延」といった要素が盛り込まれ、人々の暮らしを一変させるポテンシャルを秘めています。

IoT(Internet of Things・インターネットオブシングス)とは何か?

あらゆる「モノ」がインターネットを通じてつながることによって実現する新たなサービスやビジネスモデルのこと、あるいは、その実現を可能とする要素技術を意味します。

建物、電化製品(テレビ・冷蔵庫・エアコン)、自動車、医療機器など、パソコンやサーバーといったコンピューター以外の多種多様な「モノ」がインターネットに接続され、相互に情報をやり取りすることで自動認識・自動制御・遠隔操作が可能となり、新たなネットワーク社会が実現すると期待されています。

「2020年には300億個の多種多様なモノがインターネットにつながり、IoTによる経済価値は、1兆9000億ドルに及ぶ」という予測もあり、IoTによる企業の生産性や品質の向上が見込まれています。

ただし、あらゆるモノがインターネットに接続されるということは、ウェブカメラの映像を見られたり、データを盗み取られるリスクも高まり、パスワード設定などのセキュリティー対策が重要となります。

さらに、IoT化が急速に進み、身の周りのありとあらゆるモノがインターネットに接続することになれば、通信回線を利用するデータ量の急増が見込まれます。

非常に便利なIoT化の実用例

1.家庭の中に無数にある各種家電への遠隔操作

2.日常的に身に付けるウェアラブルデバイス(ヘルスケアなど)

3.自動運転車の実現

4.産業用ドローンの活躍

5.遠隔医療(診断)による在宅医療の普及・遠隔手術の実現

6.農業用センサー

7.道路や橋梁の異常検知センサー

8.電力使用量の自動化による発送電コントロール

9.セキュリティカメラおよびセンサー

10.高齢者や子どもの見守り機器

11.ペットの見守りアイテム

などが挙げられます。

それ以外でも、コストを抑えた映像の8K化や立体化、動画コンテンツの充実化など実用化できる具体例はいくらでもあります。

こうした技術がワイヤレス通信で行われるのは間違いなく、本命視されているのが「5G」通信網なのです。

ファーウェイのスマホが世界でシェアを拡大   一歩進んだ「5G」技術開発

ファーウェイの2017年の売上高は約9兆9千億円と急速に成長しており、次世代高速通信の「5G」(第5世代移動通信システム)ではすでに1万台以上の基地局を世界に出荷しています。

2017年時点で、ファーウェイが携帯通信インフラ市場のシェア27.9%を占めていました。

そのため、ヨーロッパを中心とする世界中の情報通信会社が、設備投資を抑えるためにもファーウェイの「5G」技術開発に頼ろうとしていたのですが、2018年に入って、アメリカのトランプ大統領が「待った」を掛けた状態となっています。

「5G」に対応したスマホを2019年半ばにも販売するファーウェイは、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)の機能を端末に搭載することも視野に入れており、世界シェアでは、アメリカのアップルを抜いて、韓国のサムスン電子に継ぐ世界第2位にいます。

世界におけるスマホのシェア

(出典:IDC Worldwide Quarterly Mobile Phone Trackey)

ファーウェイは、米国でスマホを販売できない状況にあるため、今後のシェアの変化には要注目です。

日本 スマホ シェア

(出典:BCNランキング)

日本では、アップルが最も人気が高く、シャープ・ソニーの国内製品が支持されていますが、ファーウェイも全体のうち10%とシェアが伸びています。

ファーウェイの製品は中国への情報漏洩に同意するという利用規約がある?

ファーウェイの利用規約のプラバシーポリシーには、次のような内容が書かれている部分もあります。

【データ利用に関する同意】

6.1 ユーザーは、当社およびその関連会社/ライセンサがユーザーの端末からデータを収集・利用することに同意するものとします (技術情報に限るものではありません) 。当該収集および利用は、本ソフトウェアの利用に関連して行われる場合および/または本ソフトウェアの機能の利用や継続利用の円滑化に関連して実施される場合があります。

ユーザーは、当社がソフトウェアの更新、製品サポート、その他の製品関連サービスを提供できるように、当社およびその関連会社/ライセンサがユーザーの端末から、端末名、システムとアプリケーションのバージョン、地域および言語設定、端末バージョン情報、デバイス識別データ (IMEI、ESN、MEID、SN) を収集することができることに同意するものとします。

以前の利用規約のプラバシーポリシーでは、

6.1 ユーザーは、当社およびその関連会社/ライセンサがユーザーの端末からデータを収集・利用することに同意するものとします(技術情報、連絡先情報、SMS/音声メッセージなどを含みますが、これらに限定されるものではありません)。

だったのですが、少し改訂されたようです。

とは言え、この内容を性悪説で解釈すると、「中国本土で好きなように個人情報を使わせてもらいます」という風に読み取ることも不可能ではありません。

ログインする際のIDやパスワードも抜き取って他社に転用する場合があるという捉え方もできるからです。

ファーウェイは、「安全を考慮して特定のアプリにだけ同意しない」ということができません。OSの面から全て組み込まれているので、危険度が高いと思われます。

最も憂慮すべきは、スマホから使用した銀行の入出金・クレジットカード決済・株取引などが全て、中国に転送されるかもしれない、という情報セキュリティの低さです。

中国では、個人データの売買が横行しており、違法コピーは当たり前のビジネスとなっています。

また、中国共産党が一党独裁体制を敷く社会主義国家であるため、全ての情報は国家に監視されているという現実も警戒するべきです。

中国では民主主義や資本主義が通用せず、真の意味での民間企業は存在しません。

株主や経営者の意思決定より、中央政府の決定や指示が優先されているのが現状なのです。

ファーウェイ・孟晩舟CFOがイラン貿易制裁に違反した疑いで逮捕される

こうした勢いにある中で、2018年12月6日に、ファーウェイの孟晩舟CFO(最高財務責任者)が、アメリカの対イラン貿易制裁に違反した疑いでカナダ当局に逮捕されました。アメリカに送還を求められていますが、ファーウェイは、「不正行為の認識はない」「カナダと米国の司法制度が最終的には公正な判断を下すことを信じている」と表明しています。

中国政府は「身柄を拘束した理由を明らかにすること」「ただちに釈放すること」「合法的で正当な権益を確実に保障すること」など、アメリカに対して厳正な立場を伝えており、孟晩舟CFOをただちに釈放するこどを要求しました。

こうした一連の出来事も、米中貿易戦争の一環であり、ひいてはテクノロジー冷戦の始まりであると考えています。

アメリカは「自国の情報が中国に流れてしまう」というサイバーセキュリティのリスクを考え、ファーウェイの使用中止を求め、ファーウェイの幹部を逮捕に追い込むことで、同社の勢いを食い止めようと躍起になっている模様です。

【12月13日更新】トランプ大統領は、対中貿易協議を念頭に、ファーウェイの孟晩舟CFOが逮捕された事件に介入する考えを明らかにしました。

中国と「取引」するため、司法への介入も辞さない姿勢で、長引く問題となりそうです。

「中国との交渉の一環になる可能性があるが、米司法省と協議することになるだろう」「貿易取引にとって良いことであり、安全保障に必要だと判断するなら、当然ながら介入する」とトランプ大統領は明言しています。

トランプ大統領は、中国側に「貸し」を作って、貿易交渉で譲歩を迫る狙いがあると見られています。

ソフトバンクとファーウェイの5Gの技術提携を良く思わない勢力がいる?

ソフトバンクの通信障害とファーウェイの幹部である孟晩舟CFOがほぼ同じ時期に起こったことは、単なる偶然で片付けるべきなのか、それとも、特定の政治的圧力が動いているのかは、今後の動向によって判明することになりそうです。

いずれにしても、サイバー攻撃による通信障害の危険性は真剣に取り組むべきであり、ホワイトハッカーの育成と情報セキュリティの充実は、「5G」の利用やIoT社会の実現に向けて、避けて通れない課題であることは間違いありません。

これからも、情報セキュリティや国家の安全保障に関わるサイバー問題について、しっかりと注視していきたいところです。

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